09/5/31  ユリの季節と『泥の夜』

8時過ぎに起床、窓を開けて寝たので寒かった。
ベランダの百合が咲いている。
もう6月、百合の季節なのだ。


日記を書いているとヒロが切り花を花瓶にさして持ってくる。
あんまり頭大きいんで倒れはったわ、とのこと。
部屋の窓辺に百合八輪。
iMacの液晶スクリーンに白い花が映っている。


体重は74.25キロ。
ちょっとヤバいよ。


…百合で思い出した。
『Lilly of the West』という曲がある。
おそらくアイルランドのトラッドだと思う。
恋しい人は西に咲くユリの花だ、と歌う。
ボブ・ディランやジョーン・バエズが歌っている。
作詞はディランだろうか。
アイリッシュらしい哀感あふれた暗い旋律がいい。
チーフタンズのアルバムでマーク・ノップラーが歌っている。
ディラン版とは歌詞が違う。
When first I came to Louisvilleとディランが歌うところを、
When first I came to Ireland とノップラーは歌う。
女性の名前もFloraがMariaになっている。
ノップラーの歌唱は渋い。
土臭くて骨がある。
イントロはイーリアン・パイプスだろうか。
アイルランドの西は、田舎、自然、荒涼、孤独、ワイルドというイメージ。
そして、海の先には新大陸がある。


ダイアー・ストレイツ時代から偏屈な男として有名だった。
アイリッシュにしたらドイツっぽいなと思ったらユダヤ系ドイツ人の移民だった。
彼自身はスコットランド人のようだ。

とにかく骨太の声にしびれます。
『Lilly of the West』はチーフタンズのアルバムに入っている。

Long Black Veil

Long Black Veil


エミルー・ハリスとの共演アルバム「All The Roadrunning」もいい。
一人で車を運転する時(レンタカーだけど)、必ず持参する。
梅雨空の下、このアルバムを聴きながら走ると淋しさが突き刺さる。
意外にも心地よい淋しさなのだ。
アイルランドの西にあるという“魂にしみとおるような孤独”に通じるものなのか。
この他にはない独特の哀感は彼の出自から来るものなのか。

All the Roadrunning

All the Roadrunning


…4時半過ぎから友人たちのバンド『西天満一座』のライブを見る。
場所は梅田のRAIN DOGSの屋上にあるHEAVEN'S DOOR。
『Muddy Night(泥の夜)』と題されたオヤジらのライブ。
まだ陽の高いうちから50代の同級生たちのブルースを聞きながらビールを飲む。
 
  


ひでまろさんとブルースハープの観黒という人のデュオ。
ブルースハープが凄く上手い。
プロかと思ったが素人さんらしいです。
ひでまろさんのトークに客が思いっきり突っ込む。
ぐだぐだとしゃべるけどオチがないのだ。
えええ? と思うところで話が終わる。
いいじゃないですか、と思う。
ひでまろさんが何歳なのか知らないけどかなり老人力のある方だと思った。
高田渡さんの晩年も映画で見る限りあんな感じだった。
(ひでまろさんは晩年じゃありません。失礼)


世の中、特に若い世代は、受けのいい会話ばかりを望む。
昔は友人の会話に、オチは? と突っ込むことはなかった。
テレビも、役に立つ、笑える、泣ける、情報ばかりを短いパッケージで送り続ける。
だからといってそんな細切れの情報で僕らが幸せになるわけじゃない。
岡林ではないが、「それで自由になったのかい」 である。
何にも役にたたないヒデマロさんのトークは、酒屋の立ち飲みの手酌酒のように一人で完結しているけど、
ある意味で気持ちよくイノセントなのでした。
清志郎の話をして自分だけ泣いてたり…。


終わってから無性に濃いものが食べたくなる。
確信犯的に梅田地下の『上等カレー』でカツカレーを食う。
この料理を食べたのは10年ぶりくらいではないか。


やっぱり、西天満一座はこいつですね。
脂ののったロースカツが旨かったのはこいつのおかげかも知れない。
感謝はしないけど。