09/6/20 手嶌葵コンサート@竜野

       

昨日はエディー・バウアー破産でぬいぐるみの話を書いた。
失笑された方もおられると思う。
今日もなんだか変な日記になるかもしれない。


播州竜野に手嶌葵コンサートを見に行った。
僕ら夫婦そろって大ファンである。
彼女はめったにコンサートをしないので県内ならば千載一遇のチャンスだった。
でも、北海道や沖縄であっても行っただろう。(別の目的と合わせてね)
そして今日、どこへでも行くべき価値のあるコンサートだと思い知るに至った。
鳥肌立ちました。


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…窓を全開にして寝たので意外と涼しく起きられた。
体重74.45キロ、この数字を見てもショックを感じない。
人はそうして(自分がデブであることに)慣れていく。
何とも感じない。
本当はショックを感じている時に比べ、よりシリアスな状況なのだ。
一昨日、法善寺横町の先にたK輪さんが待っていた。
遠くからこうして見るとかなりシルエットが太くなりましたね、と言われる。
そうだろうか?
いや、明らかにそうだろ。
初めてライナーズの取材を始めた頃の体重の2007年は69キロ台だった。
今は、74キロ台…!
5キロ増えてるやん。
って今気づいて驚くふりすんなよな。
シルエットも人相も変わるっちゅうねん。
何とも感じない…じゃないっちゅうねん。
5キロ増えてるじゃん。
500ml のペットボトル10個背負って生きてるのと一緒じゃん。


医者にもヒロにも、よくコントロール出来てるね、と言われ続けた。
甘やかされ過ぎたのかもしれない。


…jog&Podcast。
『アクセス』は山田五郎と社会学者が京都教育大学の強姦事件に関しての対談。 
SNSや掲示板などでは加害者の学生は悪くないと擁護する声が高いのだという。
発信は同じ大学か、京都の学生同士のつながりのあるグループ。
その根拠は? と意見を読むとそのほとんどが呆れて物が言えない、らしい。
「被害者の心の傷を察することもありますが、わたしには顔も知らない人(註:被害者)より、
知ってる人の社会的ダメージ(註:加害者のことだ)の方に同情します。
マスメディアの犠牲になって人生を棒に振るのは身内として耐えられません。
誰もが仲間が大切だと思う心はあると思います。そんな考えはおかしいでしょうか?」
京都の学生を代表する意見としてこんなのがあると紹介する。
世間ではまともだと思われている若者の意見がこれか?
マスメディアだって無実の罪を着せてるわけじゃないだろ。
犯罪だろ しかも卑劣な部類の。
あれは誤報だ、彼らはやってない、じゃないんだよ。 
「知らない人より身近な人を大切に思って何が悪いんですか」の声。
しかも多数派の意見としてあるらしい。
いやあな気分になるよなあ。


水道橋博士の『ペラペラ』はあのスーパーひとしくん(草野仁)の話。
博士の自説では昭和19年生まれにビッグな司会者が多いらしい。
草野仁、久米宏、みのもんた、そして松平定知。
昭和19年ってとんでもない時代だよなあ。
1944年と書くと思い当たることがある。
椎名誠、宮内勝典、藤原新也、船戸与一、写真家の橋口穣二、川本三郎もそうだったか。
田中真紀子も1944年生まれ、戦前生まれだったか。


…雨が降り出しそうな午後、JRで竜野へ行く。
西宮から普通、芦屋で新快速の播州赤穂行きに乗り換える。
およそ1時間10分で行くことが出来る。
姫路の西、揖保川を越えると竜野駅だ。
山があり川が流れる民話的な播州の城下町。
でも山陽本線の竜野駅周辺は殺風景で城下町の風情は全くない。
国道を大型トラックが走り、コンビニがあり、サラ金の支店が並び、自動精米の小屋が並ぶ。
竜野の城下は姫新線の本竜野駅周辺なのだ。


シャワーのような雨が降り出す。
とぼとぼと会場のアクアホールに向かって歩き出す。
途中、スーパー「マックスバリュー」に寄る。
稲荷寿司とコロッケを買ってイートインコーナーで食べる。
缶ビールを1本飲む。
まだ開場の5時半には時間がある。




手嶌葵(てしまあおい)を知ったのは去年の9月だった。
山下達郎のラジオ番組に竹内まりやがゲスト出演していた。
その時に、自作の『元気を出して』をカバーしている手嶌葵を紹介したのだ。
竹内まりやが、彼女はホントにいい声してますね、と言った。
で、僕も手嶌葵の『元気を出して』を聞いて、いいなあ、と思った次第。


ヒロは『ゲド戦記』の主題歌「テルーの歌」ですでに知っていた。
その筋(ジブリファン)では有名でテレビに何度も出演していたらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=ZEMSj6Ad9Pc


CDを買ったり、iTuneでダウンロードしていろんな曲を聴いた。
『元気を出して』や『テルーの歌』の他にもいい歌がいっぱいあった。
映画「西の魔女が死んだ」の主題歌『虹』や『岸を離れる日』『奇跡の星』…。
ヒロと山登りへ行く車の中で彼女の曲をずっと流していた。
二人の音楽の趣味が合うことなんて珍しいのだ。
とにかく、葵ちゃんは凄いシンガーだ、ということで意見が一致した。
こういうのをヴォーカリストっていうのだ、と。
この子にユーミンの曲や日本の唱歌やスタンダードを歌って欲しい。


聞いていくうちに彼女のバイオグラフィを知る。
福岡出身、21歳、中学の時に不登校になる。
対人関係が苦手そうだ。
車の中で、葵ちゃん上手だね、なんて話しているうちに自分たちの娘のような気分になる。
3月頃、ヒロが竜野でコンサートがあると新聞で見つけた。
即チケット購入、最優先でスケジュールを空けよう。
でも、彼女はステージでうまく歌えるかな?
MCなんて出来るかな?
客は入るのかな?
まるで両親のように心配しながらこの日を迎えた。
バカですね。
でも、最近はその手のことが恥ずかしいと思わなくなった。
笛を習ったり、ぬいぐるみを溺愛したり、これは一種の老人力だろうか。
困ったもんですね。




開場前にアクアホールに到着。
すでにパラパラと人が集まっている。
駐車場には姫路ナンバーの車が並んでいる。
しばらくロビーで待って入場。
300人くらいのこじんまりしたホール。
地元の人が多いのだろう。
CD売り場があるが誰も買おうとしていない。
ファンが多いのか、それとも知らないのか。
単なる動員として来てみましたなのか。

   


席は2階の最前列ど真ん中。
予約時には一階の最前列も空いてたのだけど、近すぎて心配で見てられない。
僕らにとって娘だからね。
でも、小さいホールなので2階でも十分に近い。
1階席はほぼ8割埋まっている。
よかった。
ひと安心です。(つっこみ無用)


18時、開場が暗転してギター、ピアノが入場し定位置につく。
そして、手嶌葵が下手から歩み出る。
最初は『虹』
♪ 丘に咲く 野の花 足もとで ゆれた  
                    (映画「西の魔女が死んだ」より)


声で鳥肌が立った。
涙出そうになりました。
ヒロをちらっと見る。
目が潤んでる。


こんな調子で舞い上がって描写していくとちゃんと伝えられないな。
手嶌葵がキワものみたいな思われるな、自重しよう。


『虹』のPVバージョン。
ティン・ウィッスルが伸びやかな間奏を歌い上げる。
今回のコンサートではギターソロでした。


『虹』のライブバージョン。
ギタリストは今回のコンサートと同じ人です。


続けて『恋歌』を歌う。
「がんばっていきまっしょい」の主題歌『オギオディオラ』に雰囲気が似た曲。
続けて『家族の風景』。
あの「サリー・ガーデン」を日本語で歌う。



休憩なしで1時間半、歌とギターとピアノの静かないいコンサートでした。
僕なんぞが陳腐な表現でいかに形容しても逆効果だと思う。
彼女は凡人にはない優れた能力を持ち、なによりも聞く価値のある歌い手だと思った。
本気の拍手を送った。


コンサート終了後、ロビーのCD売り場に人が群がっていた。
売り切れです、という声も聞こえた。


9時前、薄暗い街灯がともった道を駅まで歩く。
ラストはベッド・ミドラー『Rose』だった。
http://www.youtube.com/watch?v=Y7vsIL3s6MY


アンコール、彼女は靴を履かずに一人で出てきた。
「最後は伴奏なし、アカペラで歌います」
曲は映画『ロミオとジュリエット』のWhat is the Youth?  ニーノ・ロータの名曲。
決して熱唱しない、シャウトしない。
ヒロが、葵ちゃんやっぱり凄かったね、と言う。


15曲くらいだろうか。
一度も休憩なし。
一曲歌うごとに水を飲んでいるのかと思ったら、ヒロがあれ酸素じゃない?と言う。
そう言われたらペットボトルの飲んでる仕草じゃなかった。
もしかしたらミストスプレーみたいなもので喉を湿らせていたのだろうか。


2曲か3曲歌うと少しだけ話をした。
ラジオの番組か、音楽番組のナレーションみたいな感じのしゃべり方だった。
「わたしの歌は静かな曲ばかりなのでみなさん固くなっちゃいますね。
 そう言ってる自分が一番カチカチなんですけど。ごめんなさい。
 どうかリラックスして、ゆったりと聞いてくださいね」


ちなみに彼女は身長が174センチある。
(公称だから、おそらく176くらいはあると思う)
実際ステージに立つと180くらいに見える。
コンサートの途中でこそっと靴を脱いだ。
あれ?
ヒロと目があった。


ふくらはぎもしっかりしている。
中学の頃はバレーボールをやっていたらしい。
22歳、Vリーグのコートに立っているのを想像した。
不思議じゃない。


うす暗い駅のホームで電車を待つ。
電灯にミストのような雨が浮かぶ。
21時18分野洲行き新快速で家に帰った。


今年はいいライブに行ってるな。
2月の友川カズキ、4月の梅津和時やドーナル・ラニー、5月の金子鉄心のブリキの笛。
6月の田中武久トリオ、そして手嶌葵。
ヒロが、葵ちゃんの追っかけになろうか、と言う。
九州でも東北でも行くで、山登りと温泉つけて、と。
でも、コンサートの予定はほとんどない。