ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

09/8/22 無意識の沼に浮かぶ瀬もなし

9時前まで寝ていた。
身体が運動モードにならない。
暑くてたまらんというピークは過ぎたように思う。
日記を書くことより、運動や英語を優先すべきじゃないのか。
自堕落な自分に心の中で説教する。


…昨日書き忘れたこと。
PodcastでTBS『アクセス』のインターネット対談を聴く。
眼鏡堂氏vsえのきどいちろうvs渡辺真理(彼女はもっぱら聞き役)。
テーマは『男の子』と『スポーツ』の深い関係、というもの。
眼鏡堂氏の長男がスイミングスクールをさぼって肉まんを食べていた、
というエピソードが、えのきどいちろうのツボにはまり、得意のレトリックを誘発した。
男子童貞時の妄想力とか、無意識の沼とか、話が次々と化学反応を起こす。
特に、無意識の沼、の話は示唆に富んで面白かった。
人生に役に立つ、という類の話ではないけれど、確実に示唆に富んでいる。
「俺も経験あるけどな いまやめないと一生やめられなくなるぞ」がいい。


ここで聴けます。
http://podcast.tbsradio.jp/ac/files/20090817.mp3


イチ抜けすることの快感。
サボって肉まん、じゃないけれど、同様の経験は僕にもある。
何かを一生懸命にやってて、あるいはやらされていて、
イヤだけどもこれは自分のためにもやらなきゃいけないんだ、と健気にも思っている。
その何かを諦める瞬間がいつかはやって来る。
恋愛にも似ている。
ある時、やさしく肩をたたかれて、もう、いいんだよ、と言われる。
突然、肩の荷が下りたような爽快さ。
年をとることの快感はこれなんだよなとも思う。
もういろんな野望に執着しないでいい。
極端に言えば、プロ野球選手になるとか、世界的な音楽家になるとかいう類の。
残り時間と体力と経験値で、無理! が明確につきつけられる。
そうして選択肢が加速度的に消滅していく瞬間がある。
実はこれが快感でもある。
もういいじゃないか、これで。
池澤夏樹が何かに書いていた。
「本を処分すると言うことは、実現しなかった企画を捨てることだ。
 人生は実現しなかった企画の束である。それらを処分することは
 淡い哀感を伴う作業で、情緒をゆさぶる作業だ。」
(たぶん、詳細は違ってる)


本を処分するとすっきりするのにも似て澄んだ気持ちになる。
焦らなくなる。
怒らなくなる。
穏やかな初老が出来上がる。


でも、別の理由で怒りっぽくはなるんだよね。
これは、たぶん生物学的なもの、制球力の衰えみたいなものか。
我慢がきかなくなるんだよね。


何かをやめないで続けて欲しい、と眼鏡堂氏は息子に願う。
人の親にはならなかったけど、親の気持ちはよくわかる。
何かひとつ一生かけて打ち込めるものを見つけろ、と教師や先輩に言われた。
僕自身もそうするべきだと思っていた。
その気持ちは人一倍強かったと思う。
(打ち込める人はそんなことを意識せずに自然にそうなるんだろうなと思う)
でも、僕はひとつに打ち込むことがない人生を送ってきた。
見つからなかったわけではないと思う。
打ち込む能力がなかったからだ。
やってみたいことを無意識の沼に放り込んだ。
でも、決して浮かび上がってこなかった。
上澄みだけをすくい取ってささやかなコレクション(思い出)にした。
中途半端な人生、その痛みはいまだに消えない。 



…今日からニュースデスク3連投。
高校野球準々決勝、ゴルフ関西オープン、ビーチバレー、阪神広島戦。


世界陸上の男子マラソンを見る。
五輪や世界選手権でにおいて日本選手はここ数年同じレース運びだ。
先頭集団の最後尾についていくのでいっぱいいっぱいなのだ。
実況アナが、日本人選手は全員先頭集団にいます、とか、
日本人同士いっしょに走るのは心強いですね、とか言う。
そうじゃないと思う。
集団の先頭に出られないのではないのか?
強かった頃はあんな位置にはいなかった。
瀬古も中山もまともに風を受けて走っていた。
前に出る気概がない、というわけではない。
答えは単純。
あんなペースにはついていけないのだと思う。
男子の優勝タイムは夏のマラソンであろうが秋であろうが、5分台から6分台になってしまった。
一度もそんなタイムで走った経験がない日本人ランナーに前に出ろとは言えない。
突っ走る高速バスに振り落とされそうな図が目に浮かぶ。


トラックの10000や5000での成績がマラソンに影響している。
日本人のトップ、たとえば竹澤が周回遅れになる現実。
その高速のトラックランナーがそのままマラソンに出てくる。


そんな悲観的な話とは別に佐藤敦之の6位は嬉しかった。
北京で最下位となった雪辱を果たした。
今年正月のニューイヤー駅伝で解説の瀬古に、『一時は自殺も考えたそうですよ』
となぜか嬉しそうに言われた佐藤が歓喜のゴール。


男子やり投げの村上が好記録で決勝進出。
でもひとつ残念なことは、彼のルックス。
おばさん(?)かと思ったよ。
南アの選手が性別問題で疑問視されているが…。


東京の音楽番組担当のプロデューサーからCDのサンプル盤が送られてくる。
その中にウクレレジェイク・シマブクロのライブ盤があった。
これ、なかなか気持ちいいです。

ライヴ~ジェイク・シマブクロの世界~(初回生産限定盤)(DVD付)

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23時過ぎ、電車で帰宅。
iPod大西順子トリオを聴きながら読書。
増田俊也『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社文庫
夏の終わりに極寒の北海道の小説を読む。
巨大な人食いヒグマが徘徊する天塩の森。
山小屋に男女6人が孤立した。
雪に埋もれた森を歩いても近くの街まで2日かかる。
携帯電話も無線もつながらない。
車もヒグマに壊された。
食料も武器もない。
大西順子の無慈悲なまでに硬質のピアノタッチが危機感を煽る。

シャトゥーン―ヒグマの森

シャトゥーン―ヒグマの森


帰宅後、iTune Storeで山中千尋をダウンロードする。