ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

09/8/24 ベルリンも、甲子園も終わる。

なんと10時まで寝ていた。
恐い本読んで止まらなくなって4時前まで起きていたんでしょうがねえや。
執拗に襲ってくるヒグマが恐ろしくて恐ろしくて、3時過ぎには睡魔と戦いながら、
つまり、こっくりこっくりしながら、なおも読み進める。
眠ってしまい、ヒグマが出たあ、とびっくりして目が覚めたり。
残り20頁くらいを残して寝たのだった。


気がつけば秋の気配が濃い。
北海道か信州の高原で目覚めたかのように爽やか。
湿度が45%くらいと低いらしい。
気がつけばコーヒー豆がなくなっている。
コーヒー豆の残量でも季節のうつろいがわかるというものだ。


世界陸上の男子やり投げ決勝を見た。
僕が、おばちゃんっぽいルックスが残念、といった村上が銅メダルの快挙だ。
(巨人の谷を体格をよくした感じの選手です)
テレビの解説の小山さんが良かったですね。
僕はハイライトで見ただけだけど熱かったですよ。
北京の宇津木さん以上のスパークぶりでした。
村上が好記録を出した時には、ベスト8間違いない!ベスト8間違いない!
と心拍数が上がるほど興奮。
大丈夫かなこの人、と思っていたら最後は泣き出した。
ラトビアの選手のきわどい投擲に不安気に、あぁぁぁ、これは苦しい、と消え入りそうな声。
ところが村上の記録に届かなかった。
瞬間、勝ったあ、いったあ、うわあああああ…!
そして、涙声で突然、ハマモトセンセー! と意味不明の絶叫。
ハマモト先生は村上を育てた人らしいです。
やり投げは日本ではマイナー競技。
マイナー競技を地道に続けてきた人に奇跡が起こった。
僕らも嬉しい。

     http://www.youtube.com/watch?v=ILnQUDMXShk
     


…いっき読みした本は増田俊也『シャトゥーン ヒグマの森』です。
宝島社の「このミステリーがすごい!」の優秀賞受賞作の文庫。
帯に夢枕獏が書いているコメントに嘘や誇張はない。
「ギンコが、何度も何度も、執拗に襲ってくるシーン、おれは震えたね。」
静かに恐怖が忍び寄る冒頭50頁、厳冬の森、ヒグマの気配、ひたひたと恐い。
95頁、読者はいきなり恐怖のどん底にたたきおとされる。
そこから先はジェットコースター、やめられない。
こんなのは久しぶりだ。

     


ヒグマものと言えば名作がある。
吉村昭の『羆嵐(くまあらし)』だ。
天塩の寒村で実際に起こった三毛別羆事件をモデルに書かれた実録小説。
大正時代の開拓村で7人が食われ3人が重傷を負った世界最悪の熊害事件だ。
羆嵐』は凄い小説だった。
史実であることと、吉村昭の冷徹な名文で、読者は大正時代の冬の寒村に引きこまれる。
これを読んだときは一人暮らしだった。
夜中に読み終えてトイレに行くのが恐くなったほどだ。
ヒグマが街場のマンションに出るはずはないのだけど。
それくらい小説が上手いということ。

羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)

『シャトゥーン ヒグマの森』の主人公はシマフクロウの研究者。
シマフクロウ絶滅危惧種であることは知っていた。
でも、世界最大のフクロウであることは知らなかった。
両翼を広げると2メートル以上になるのだという。
そういえば、と釧路空港にあったシマフクロウの巨大な造りものを思い出した。
かなり迫力のあるシマフクロウでとにかくデカかった。
こんなにデカくはねえだろう、とヒロと笑っていたのだが実際にデカかったのだ。
(でも、写真で見ると3メートル近くあるような気がするが…)

     



…ニュースデスク3日目。
高校野球、愛知と新潟の決勝でも甲子園のスタンドはほぼ満員。
中京は名門でOBも熱心、日帰りでも十分にいける。
新潟勢には千載一遇のチャンスだものな。
この夏の甲子園は盛況だ。


見応えのある決勝戦。
球場で見たかったなあ。
一時はやっぱり中京の実力が一枚上か、と思わせた。
実際にそうだったんだろう、けど舞台は甲子園だった。
9回裏ツーアウトからだ。
どえりゃことが起こってまうでいかんわ。
僕の実家、愛知県のみんなはどんな思いで見ていたのだろう。
中京は県内でも人気がある。
第3者の野球ファン、あるいは新潟側から見るのと中京側に立って見るのとは大違いだろうな。
9回の攻防、あれは数々の好守やエラーの積み重ねで出来上がっていた。


4回、日本文理の大飛球を中京のセンターがスーパーキャッチしなければ…。
6回2アウトで日本文理一塁手が判断ミスをしなければ…。
9回2アウト(だったか?)で中京のサードが簡単そうなファウルフライをとっていれば…。
1点は単なる1点ではない。
だから、9点目をスクイズで獲っても、5打席敬遠しても、
一戦必勝のサドンデスの高校野球では許されるのではないか。
(異論はあるでしょうが)

     


中京大中京(変な名称)が43年ぶり史上最多の7回目の全国制覇。
今でも地元では中京商業と呼ぶ人も多い。略して中商(ちゅうしょう)と言う。
43年前の優勝、僕は小学生だった。
よーく憶えてます。
僕が高校野球を真剣に見た初めての大会。
春夏連続優勝。
夏はテレビ中継を毎日見た。
ソフトボールの試合で数試合は見逃したかも…。
憶えてます。
加藤英夫と矢沢のバッテリー。
ショートは守備の上手い平林。
右翼手スラッガー井熊(いぐま)は刈谷出身だったような。
春は高知の土佐高校との決勝、夏は松山商業との決勝。
京商業と松山商業の決勝戦なんてオールドファンにはたまらないだろう。
加藤と西本、エースの投げ合い。
松商の西本はあの巨人の西本の兄だった。
一球一球ドキドキして見た。
ピンチには目をつぶって音だけを聞いた。
ソフトボール大会、中京商業、冷や麦とコロッケ。
1966年の夏休みの記憶。


春の選抜だった。
準決勝か準々決勝で中京は山口の宇部商業と対戦した。
1点を争う大接戦で中京が勝った。
僕が30過ぎに高校野球の取材で宇部商業の一日を取材した。
準々決勝当日の朝に宇部商業の監督にインタビューした。
玉国(たまくに)監督だ。
その名前に聞き覚えがあった。
そう、あの1966年に中京と激戦を演じた宇部商業の主将が玉国だった。


でもね。
僕が高校生のころ、中京商業ってコワい学校だったんだよ。
今はどうなのか知らないけど、当時は制服を見るだけで避けてた。


世界陸上が終わり、高校野球も終わり、バレーのワールドグランプリが終わる。
僕の今月のニュースデスクも今日で終わる。