09/9/20 石橋幸&鞴座ライブ@中崎町

      

石橋幸と鞴座のジョイントライブに行った。
案内から引用させてもらいます。



        石橋幸は金具をたたきながら聖地を廻る 
        神隠しとロシアの地・・・・・
        ロシアの唄をロシア語で歌い
        あまりに深くロシアの人と土地に共振れする
                    中上健次(作家)



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天高く抜けるような秋の青空が広がる。
久々の自宅で寝坊、ぐうたらした朝を過ごす。
絶好のジョギング日和、なのに走る力が無い。
ポンコツの肉体とひ弱な意志を嘆くも詮無い。


昨日の夜はこの数日で撮影した映像をiMacにとりこみiMovieで編集する。
米子北とレッズユースの試合を13分にダイジェスト編集、テロップも焼き込む。
あっという間に深夜3時になる。
こりゃ身体に良くないわな。



…JR西ノ宮駅で年齢不詳の女性がホームの端に足を投げ出して座り込んでいた。
自殺願望? 新快速電車がまもなく通過するホームだ。
若い駅員が僕に、すいません手伝って下さい、と助けを求める。
女をホーム中央へ引っ張り上げる。
ほどなく新快速が通過する。
何なんだ?


…夜は大阪中崎町ライブコンサート
セルジオと合流してライブ会場へ行く。
『石橋幸と鞴座〜ロシアの唄、ジプシーの夜〜』 @中崎町モンカフェ
鞴座のライブはこれで4回目、追っかけみたくなっている。

 
前半は鞴座の3人、後半は石橋幸(みゆき)さんとのジョイント
大阪のライブハウスがモスコーかオデッサの酒場のようになる。
(行った事はないけど)
声量が凄い。
でかい声に圧倒される。
石橋さんの歌声とギターに魂が震えた。
まさに“深く共振れする”。
おお、これかあ、これだよな、と理由も分からず感動する。


ロシアンアウトカースト(下層民)の歌だそうだ。
おそらく宗教的カースト制度という意味でなく大衆歌謡だろうか。
経済的に、社会的に虐げられた庶民、あるいは差別された女たちの歌。


囚人の歌が3曲ほど続き、恋の歌となる。
『マルーシャ』という曲。
ロシアではマリアの愛称がマルーシャとなるらしい。
ナターリアがナターシャ、ミハエルがミーシャ…。
ああ、露西亜語よ!
挫折した我が第2外国語よ。
金沢大学に受かったらロシア語を勉強しようと思っていた。
しかし、偽りの情熱はすぐに冷めた。
安易にドイツ語に逃げた。
愚かなる青春。


満州の丘』という日露戦争で死んだ兵士を家族が嘆く歌。
聞けば、これは…ベンチャーズの『さすらいのギター』ではないだろうか。
100年前にロシアで歌われていた曲でもちろんパクったのはベンチャーズだが。
(帰宅後、調べると『さすらい…』のレコードジャケットに原題が載っている。
 "Manchurian" とあるのは満州のことだろうな)
そう書いて、「さすらいのギター」の出自って以前にも聞いたことがある、と思い出す。


ロシア語で歌う。
歌う前にどんな歌なのかを説明してくれる。
石橋さんの語りに雰囲気があって素晴らしい。
後半はジプシーの曲。
シベリア鉄道の列車からジプシーの野営する灯を見たという話がいい。
ロシアの大地、広大な暗闇にともるジプシーの灯、映画のようだ。
有名な『黒い瞳』、そしてフィナーレは『悲しき天使』


石橋さんの歌、誰かに似ているなあと思って聞いていた。
最後に、そうだ、とその人に辿り着いた。


エディット・ピアフだ!


この夜の客は20人ほどか。
アイリッシュバンドのシャナヒーのフィドル奏者の女性がいた。
年齢層は概ね高め、僕らのすぐ前には70、80歳代の老夫婦がいた。
ご主人は長身痩躯、どこかが西洋人のようにも見える。
奥様はロシアの歌に身体を揺らして楽しんでおられる様子。
大学教授、あるいは商社…ロシアで暮らした経験があるのだろうか。


鞴座(ふいござ)の3人も石橋幸ワールドに引きこまれ楽しそうに演奏する。
アコーディオンの藤澤さんはお洒落してちょっと見違えた。


久々にウォトカを飲む。
ロックを1杯飲むともう飲めない。
ハードリカーにはめっきり弱くなった。
もう一杯飲んだら確実に酩酊してしまいそう。
石橋幸さんは60代半ばか。
普段はあの新宿ゴールデン街でロシアンバーをされているとのこと。
ホームページで過去のライブ記録を見る。
友川かずきとのジョイント
これは凄いだろう。


ロシアの歌、ジプシーの夜、満足のライブでした。
ダスビダーニャ!



You-Tubeで一つだけあった石橋幸のライブ映像。
バックの演奏も素晴らしい。
特に中盤からのヴァイオリン。
http://www.youtube.com/watch?v=9dmm7uP75Go


満州の丘』をパクったベンチャーズの『さすらいのギター』はこれ。
当時、ソ連著作権協会に入っていなかったのでパクり放題だったらしい。
日本では70年代に小山ルミが歌ってヒットした。
2匹目のどじょうを狙った『二人のギター』も原曲はロシア民謡だと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=J2U_Kvc2M6U


このライブでのラストナンバーとなった『悲しき天使』
セルジオが大好きなこの曲もロシアンジプシーの曲だったのか。
セルジオ推奨のメリー・ホプキン版ではなくイタリアでヒットさせた我が愛しの(?)ジリオラの映像。
http://www.youtube.com/watch?v=sMUDlhQPOUo