09/10/17 きしもとタローLive@陰陽

起きたときは天気が良かったのに空がみるみる暗くなって雨になる。
その雨も2時間ほどで上がるがジョギングをサボる。
ヒロは午後イチでバレーボールの練習に出かける。


一人で京都へ出る。
笛のライブコンサートへ行くのだ。
雨がまた降りそうな空、駅まで歩く。
昨日、夜のキンモクセイは妖怪みたいだと書いた。
今日はやたらと金木犀の香りが濃い。
香りの元を探すとすぐに見つかる。
庭木に金木犀を植えている家がこんなに多かったのかと驚く。
あの家にもこの家にも。
金木犀に囲まれているような気分になる。
妖怪だなんて書いたせいだろうか。


阪神で梅田へ、梅田から阪急で京都へ出る。
四条烏丸で下車、遅い昼ご飯、寿司を食べよう。
大丸の地下の食料品売り場にある鮨屋のカウンターに座る。
握り10貫と赤だしのセットを注文。
カウンターには若い職人、帽子から茶髪がはみ出している。
いやな予感。
人を見かけで判断してはいけない、と思うがこういうのは別だ。
後悔する。
でも、美味しければいいか。
この兄ちゃん、むちゃくちゃ無愛想。
全く口をきかない。
でも、美味しければいいか。
無理な楽観はすぐに裏切られた。
茶髪は手に透明な手袋をつけたまま握る。
その手で握りを差し出す。
無言。
ネタがでかい。
でかいと喜ぶ人もいるのだろう。
僕は興ざめ。
食べる。
ネタが濡れていて水っぽい。
美味しくない。
2800円払って暗い気分で店を出る。


以前はこれで満足していたのかもしれない。
『鮨ろく』や『広川』、高松『中川』、石川『めくみ』
なまじ旨い鮨を食べてしまったせいだ。
知恵の悲しみ。
でも、今日の店に行くくらいなら『スシロー』の方が10倍マシだと思う。
茶髪の職人は見たくない。
いっそのことロボットでもいい。

錦市場の『びーんず亭』で豆を買う。
この店でもエチオピア産のモカが品切れ。
残留農薬が検出されたせいで輸入がストップしているからだ。


三条のイノダへ行く。
大きな丸いカウンターで珈琲を飲もう。
店に入るとただいま5人待ちだという。
諦めて店を出る。
コーヒーを飲んでくつろぐのために行列をつくる、というのはどうなんだろ…?。
僕は素直に受け入れられない。
頑固なのだろうか。
マクドナルドで買って公園で飲む方を選ぶ。


どうも今日はうまく事が運ばない。
ウイークエンドや連休の京都は人が多過ぎるよね。
それでも、京都を歩くのは悪くない。
三条通にある赤煉瓦建築の写真を撮る。
新築みたい。
キレイ過ぎるのが残念。
文句が多いって?
すいません。


     


丸太町まで歩く。
細い小路に町屋を改造したいろんな店がある。
和食、イタリアン、カフェ、小物の店。
どこもいい雰囲気だ。
入らずに見ているだけでいい。
旅番組をテレビの前で見ているのと同じだ。
実際にその場所へ行くとそれなりに手間でしんどい。
テレビならあっという間に名所から名所、お食事処から宿へ瞬間移動する。
本当の楽しみを得るためには時間も労力もかかるし、失敗するというリスクもある。
それなりに骨なのだ。 


…丸太町のライブハウス『陰陽(ネガポジ)』へ開演1時間前に入る。
予約したときに満席だと聞いていたからだ。
かろうじて舞台下手のベンチ席を確保できた。
前に鞴座(ふいござ)のライブの時は全てイス席だったが今回は桟敷席になっている。
通常のライブハウスと客層が違う。
和服姿の妙齢な姐さんや年配の夫婦ら。
でも、最近、僕の行くライブはそんなんばっかりか。
続々と客が入る。
ドリンクの注文もままならず。
読書して待つ。


7時過ぎに開演。
きしもとタローという笛吹きのライブ。
この人は南米のケーナという縦笛を吹く。
すべて自作の笛らしい。
他にもパンフルートアイリッシュフルート、ティン・ウィッスル、和笛も演奏する。
まさに笛吹き男。
容貌はどちらかといえばクラシックの演奏家に多いタイプ。
顔が濃い。
志垣太郎を思わせる。
http://taro.co.jp/ (注意:いきなり音が出ます)


パーカッションは鞴座ともジョイントした田中良太、達者な人だ。
ギターは岡崎泰正、ヴァイオリンが熊澤洋子、チェロが角南麻理子。
ヴァイオリンとチェロの女性二人が美人です。
二人とも音大出身という感じ、30歳そこそこの年齢だろうか。
熊澤さんは、いつもは舞台の真ん中で激しいヴァイオリンを弾くのですが、と紹介される。
東欧系のジプシー音楽などをメインに演奏しているらしい。
一度、この人のライブを見てみたい。
http://www.geocities.jp/gypsykuma/


自作の笛ですべてオリジナル(自作)の曲。
南米風あり、ジプシー風あり、たまにケルトっぽい旋律あり。
ケーナが気持ちよくホールに響く。
実にいい音です。
短いケーナがあって、なんと言う楽器かわかなないが、これが実にいい音。
ティン・ウィッスルのように歌口(吹くところ)がついていないので鳴らすのに苦労しそう。


     


笛という楽器が奏でる音楽は…とタロー氏が言う。
「現実の世界とは違う世界が存在する」という前提の上に存在する音楽である、と。
宗教的であり、スピリチュアルであり、神秘的である。
日本の横笛や世界の笛を思い浮かべてもなるほどと思う。
笛が吹きたくなった。
吹く息に魂をこめよう。


南米の音楽を演奏するYou-Tube動画。
メンバーは今回とは少し違うようです。


     http://www.youtube.com/watch?v=GaZ9Nk_XuXo
     



烏丸通りを南へ、阪急の四条烏丸駅まで歩く。
阪急、JRと乗り継ぎ23時過ぎに帰宅。
amazonから2冊届く。
谷口ジロー『犬を飼う と12の短編』とクイックジャパン86号。
小島慶子 キラ☆キラ』の特集を読む。


加藤和彦の訃報を知る。
軽井沢のホテルで自殺。
のほほんと生きているように見えたのに…。


佐々木譲『暴雪圏』を読む。
季節外れの暴風雪が吹き荒れ孤立する町。
運の悪い人々が吸い寄せられるように吹きだまる。

暴雪圏

暴雪圏