2010/6/17 スカパーの連載コラムが面白い!

スイスがスペイン無敵艦隊を完封、1-0で撃破する。
無敵艦隊なんて表現、最近はあまりしないのかな?
山川の世界史で習ったんだよね、これ。
ゴールへの執着心の固まりのようなスイスの1点。
見てくれなんてどうでもいい、チャンスと見たら怒濤の速攻!
くんずほぐれつ、こけつまろびつ、もんどり打ってスペインゴールを陥れた。
ああいう執念もワールドカップならではです。


他の試合を見て日本戦を振り返る。
やっぱりあれは見た中では一番退屈な試合、2ブラヴォーでした。
狂信的なフリークやナショナリストでもないし、協会関係者でもないからあえて言う。
僕は負けても、日本のサッカーが面白い、と思われた方が誇らしい。
選手や岡ちゃんはそんなわけにはいかないだろうけど。
終了間際の逆襲も、ヒロははらはらして見てたけど、カメルーンらしい迫力がなかった。


…スカパーのHPの連載コラムが面白い。
タイトルは『今日のオシムと世界標準』
執行役員専務がスポーツ中継制作の視点から綴る連載コラムとある。
先ず中継のあった試合に対するオシムの含蓄あるコメントがあり、
その後、試合の国際映像中継について思い入れたっぷりに解説している。
この人、スポーツが、スポーツ中継が好きなんだなあ、と感動するほど熱いのです。
今日の試合のディレクターはこんなクセがあるとか、素晴らしいスローだったとか、
あの時、あの選手のリアクションを取り逃して悔しいだろうとか…。
中継を見てから読むと、これが面白いのだ。

http://soccer.skyperfectv.co.jp/worldcup/column/


たとえば、セルビアvsガーナの中継のあった日のコラム。


 今大会7人目のディレクター。かなり自己主張の強いディレクターのようだ。
 選手のクローズアップとリアクションスローの多用は、これまでの6人の中で一番だ。
 ワールドカップの人間ドラマを、選手の表情で表現したいというコンセプトなのだろう。


 ともにシュートチャンスを外して後半25分 
 この時間帯での両チーム選手の表情のリアクションをスローで4カット重ねて見せる。
 「思うようにならない」という表情の連鎖
 ディレクターはしてやったりと思っているはずだ。
 (悪くない)
 

 しかし、LIVEで表情をテイクするのと、スロー再生で見せるのとでは意味が違うし、
 視聴者に到達する力も違う。
 LIVEは視聴者との歴史的瞬間の共有だが、スローリプレーは思い出のシーンだ。
 スポーツ中継は、基本的にLIVEにこだわると言うのが私の考え方だ。


セルビアが痛恨のハンドを犯しPKの場面。
執行役員は中継映像をこう描写する。 


 後半38分 
 セルビアのクズマノビッチが自陣ペナルティエリア内にてハンドでPKを与えてしまった。 
 クズマノビッチ痛恨のミス
 (さあディレクターの見せ場だ。ここで見せろよ人間ドラマを)
 

 ガーナはギャンが決めてついに先制点歓喜のあまり吠えながら走るギャン、
 取り囲むガーナ選手、興奮する観客、対照的な両チームの監督、
 GKの悔しい表情へとカットは進み、画面はPKのスロー再生に切り替わる。
 スローが終わって試合再開。
 (おい、ハンドのクズマノビッチは?・・・それはないだろう)


 中継車のディレクターはきっと叫んでいたに違いない
 「どうしてクズマノビッチを見逃しちまったんだ」
 (痛いほどわかるよ)


そして、こう締めくくる。


 ディレクターの痛恨
 スローで見せることに中継車スタッフ全員が慣れ過ぎていなかったか?
 LIVEで見せることへの意思が足りなかったのではないか?


 試合終了の笛喜び抱き合うガーナ選手たちを見せた後で、
 ディレクターが最初にテイクしたセルビア選手は、ピッチに崩れるクズマノビッチだった。


 ワールドカップは長い。
 チームは試合を重ねる度に成長していく
 ディレクターも痛恨を重ねながら成長していくのだ。
 オシムが言うように、きょうの授業は終わったが課題は残っている。
 このディレクターの次の出番が楽しみだ。


反省会をしているようでもある。
でも、好きなんだなあスポーツとスポーツ中継が、とちょっと微笑ましくなるくらい。
今の民放地上波のスポーツのとらえ方を考える。
スター1点集中主義、ビジュアル最優先、内容のないコメント、
スポーツにある人間ドラマを見ようともしない。
この執行委員専務の視点には何よりもスポーツに対する尊敬がある。
そして、行間にほとばしる愛情。
嫉妬してしまうくらいに。
これは『世界一受けたいスポーツ中継の授業』なのかも。



シドニー、アテネと体操競技の中継ディレクターをさせてもらった。
僕にはこういう視点があっただろうか、と反省する。


最新のコラムでは経験あるディレクターを賞賛している。


 スペインvsスイス戦のディレクティングを見ていて、
 「あるがままに見せよう」という強い意志を感じた。
 キャリアのあるディレクターだ。経験に裏打ちされたフィロソフィがなければできない。


 わかりやすいメインカメラサイズ。非常に落ち着いたスイッチング。
 インプレイはカット数をセーブしてシンプルに。
 アウトオブプレイは無用なインサートショットと恣意的なカットを排除。 
 シュートやファウルシーンのスローも1カットに抑え、
 ボールプレイを極力LIVEで見せようとする明確な意図。
 これまでの15試合のほぼすべてに見られた、表情だけの情緒的なスローなどは採用しない。 
 このディレクターは、ゼネラルプロデューサーの意図を無視して、
 最初から30台ものカメラを使うつもりがない。
 若いディレクターはこれができない。


これを読むともういちど中継が見たくなる。
この『今日のオシムと世界標準』、毎日読むのが楽しみです。


ワールドカップの国際映像は欧州の制作会社が請け負っていると聞いたことがある。
ドイツかフランスかオランダあたりのディレクターなのだろうな。


…減量バトル、折り返しを過ぎて足踏み状態。
なんとか今日もワークアウト、自転車で15キロ走る。
これをやめないこと。


…ニュースデスク、今日から4日連続。
オランダ戦のある土曜日はけっこうバタバタしそうだ。
兼務でゴルフの編集を入れていたが無理そうなので解除する。


20時過ぎ、セルジオと久々に飲もうと『山長梅田』で立つ。
ところが30分待ってもセルジオは来ない。
瓶ビール小、帰山にごりを飲む。
セルジオを待ちながら…。
韓国とアルゼンチンの試合が始まる。
45分が経つ。
アルゼンチンが先制ゴール。
待ち人来たらず。
おかげで炎上は免れた。


今年初の『帰山 純米吟醸にごり』でした。