2004/7/31 東から台風が来た!


9時過ぎに起床、朝寝坊癖は鈍った体にこびりついてしまった。
何か外的要因がないと抜けないのだろうか。
アテネでは団体の予選以外は夕方から夜の仕事、朝型になりそうもないかな?
シドニーの時もどちらかというと夜型になってしまった。
午前中は本を読むなどして静かに過ごしたい。
ほんとに心落ち着く時間が持てたら「人生の100のリスト」について考えたいなあ。
今のところ、10くらいは思いついている。


…台風がゆっくりゆっくりと南の海上を移動している。
なんで東から西へ移動してるの?バカボンの歌じゃないんだから。
台風は西から来て東に移動するんじゃなかったのか?


…昨日は新開地の「パルシネマしんこうえん」で2本立てを観る。
西灘シネマが閉館して孤高の2本立て名画座だ。
新開地にはもう一つ2本立ての二番館「シネマしんげき」というのがあるが
ここはアクションやホラー中心でしかも客層も困った人達が多いので
(タバコすったり、泥酔して独り言など)
嫁はなかなか一人ではいけないので年に2度ほど一緒に行く程度だ。
「ションヤンの酒家」(中国)は楽しみにしていた映画。
重慶の屋台街で「鴨の首」料理の店を営む美しい女主人の物語、
予告編を観たときは「食べ物」にまつわる心温まるファンタジーというイメージだった。
例えばラッセ・ハルストレムの「ショコラ」みたいな、
それと中国の人情モノというイメージで北京の下町を描いた「こころの湯」みたいな映画と思ってた。
で、実際は不幸な美人のわりとリアルなドラマだった。
中国リアリズム?でちょっと重苦しい。
決して「鴨の首」料理であらゆるものが幸福になる料理ファンタジーなんかじゃなかった。
女の悲しい人生に演歌さえ流れてくるような感じ。
ノスタルジイをそそられる庶民のパラダイスのような屋台街「吉慶街」は悪くない。
雨に濡れた石畳、白熱灯の照明、入り組んだ路地は行ったこともないのに懐かしい。
香港映画や台湾映画を観るとよくあるデジャブ感覚。
今、反日で何かと話題になっている重慶の大河(多分、揚子江)にかかる
通勤ロープウエイや高層ビル街の映像はそれなりに興味深かった。
いつもながら主人公の女優だけが妙にあか抜けていて違和感があった。


「美しい夏キリシマ」は期待通りの映画。
戦争末期の昭和20年8月の九州は宮崎の小さな村を淡々と描いた作品。
監督はあの名作「祭りの準備」「竜馬暗殺」の黒木和雄だ。
確か去年のキネマ旬報の1位だったのではなかったか。
嫁は「何が言いたいのかよくわからんかった」と言っていたが、メッセージ色の強い映画ではない。
15歳の少年(黒木監督本人)を中心にあの昭和20年の夏の日々が
いろいろなエピソードの積み重ねで描かれていた。
正直な感想、映画の中の戦争末期の日本人はそれなりに幸福に見えた。
黒木監督はインタビューで
「私の少年時代と、今日の世の中が非常に似てきている−それが私の思い過ごしであることを祈ります」
と書いているが、映画を観て思うのは、人と人の直接的なふれあいがあったあの時代と比較しても、
少年犯罪やいじめ、子供への虐待、イラク人質への集団バッシング、弱いモノがもっと弱いモノへの苛め、
インターネットなどでの匿名の陰湿な書き込み、
貧富の差が激しくなっていながらさらに貧しいモノへの負担増、
現代の方がより酷くなっているのではないか、
監督本人ももしかしたらそれが言いたかったのではないだろうか。
作品の完成度から言うとしっかり作ってある。
しかしながら、ちょっと手法としては古いなあと感じてしまう。
まあ、黒木監督のテイストはたっぷり出ている。