昨夜は蕎麦で締められず落胆して早めにホテルに帰り寝る。
ところが1時過ぎに目が覚めて寝られなくなる。
ようやく寝たのが4時半、今日は体力仕事なのに…。
朝風呂に入り8時前にチェックアウトする。
松本市内でレンタカーを借り直す。
いつものプリウス、内装もゴージャスだし、100キロ走っても残量メーターは動かないし、
バッテリーアウトの心配を抱え燃費の悪いスズキより断然おトク感がある。
長野自動車道を走っていてふと口の中がスッキリしていることに気づく。
あれ?
入れ歯がない。
愕然となる。
寝る前にはずした。
部屋の洗面所にあったコップに水につけて入れた。
そのまま出た。。
やべえ。
取りに帰ったら取材の時間に間に合わない。
電話しとくか。
うわ、かなり恥ずかしい。
放っておいたらホテルから電話が入るかもしれない。
この歳になって恥ずかしいことは少なくなったけどこれは恥ずかしい。
車を停めて電話をする。
フロントが女性じゃなかったらいいな。
男性だった。
少しホッとする。
「忘れ物をしたんですが」
「どういったもので?」
(やっぱり聞くのか、そうだろうな)
「あのう、お恥ずかしい話なんですが部分入れ歯なんですがぁ…。
洗面所に置いてあるコップにいれたままだと思います。」
「わかりました。まだお部屋は清掃に入っておりませんので、
いま、係の者に確認させます。」
「あ、はい。」
「御座いましたらいかがさせて頂きましょう。」
(本当は松本へ戻る予定はないので自宅へ送って欲しいのだが、
モノがモノだけに梱包してもらうのも気の毒で…)
「明日の午後過ぎにそちらに行ってピックアップします。」
(それも恥ずかしいけど。)
連絡先の確認などがあって電話を切る。
取材後、留守電が入っていた。
「お忘れ物、お部屋に御座いましたので保管させていただきます。」とのこと。
…立命館の霧ヶ峰合宿。
今日の午前中は長距離全員で車山登山というメニュー。
コーチ曰く、気分転換です、とのこと。
こういうのも撮影しておくか。
標高は2000mほど。
高低差300〜400ほどだろうか。
カメラと三脚持って若者のペースで登るのは辛いだろうな。
しかも、奴らは駅伝ランナーで、しかも空身だし。
途中、主力選手に声をかけたりして何とか登り切る。
日本百名山にしては楽なコースなので中高年の登山客が多い。
若者の集団に、どこの高校生? と声がかかる。
コーチが、こう見えても大学生ですよ、と答える。
ラグビーや野球の選手はゴツいが長距離の選手は華奢なので運動選手に見えない。
山の斜面にはちらほらと夏の終わりの花が咲いている。
紫のマツムシソウ、黄色のアキノキリンソウ、赤紫のヤナギラン、
頂上に一輪だけあった鮮やかな紫色のトリカブト…。
でも、秋が始まっているというより夏の名残という趣。
グリーンシーズンの車山は1998年7月にヒロと登った時以来。
あの時は斜面いっぱいに黄色のニッコウキスゲが咲いていた。
僕は前々日に東京で痛風発作が出て足をひきずりながら登った。
あの頃の自分は…成人病のデパートみたいだった。
頂上からは白樺湖や蓼科山、八ヶ岳連峰が望める。
全員で記念写真を撮る。
今日はオフみたいなもの。
女子マネもいるし、どこかサークルの合同ハイキングみたいだ。
コーチが「学生たちはこういう景色みても何も感動してませんねえ」と言う。
「僕らだってそうだったじゃないですか、学生の頃は」と答える。
大学時代、金沢に住んでいた。
能登半島や白山など海山の美しい自然に囲まれていた。
でも、興味薄かったものなあ。
時間はたっぷりあったのにもったいないことをしたと今になって思う。
20代の頃には道ばたに転がる石ころにしか見えなかった。
歳を重ねると全く違うものに見えてくる。
不思議?
いやいや若い頃は価値を測るスケールを持っていないだけなのだ。
歳をとるといいこともある。
そうでないとね。
復路(!)の山下り。
選手たちを先に行かせてビューティーカットを撮りながら下山する。
午後からは個々にフリージョッグということで撮影はここまでとする。
…昼からビーナスラインを北上。
美ヶ原の山本小屋へ向かう。
標高2000mにある山小屋だが車で行ける。
早めにチェックイン、温泉につかり汗を流す。
小屋から近い牛伏山に登る。
一帯は牧場となっていて牛の群れが草をはむ。
夕食はカレーライスと缶ビール。
日が暮れるとガスが出る。
美ヶ原はミルクのような霧に包まれた。
美ヶ原は2007年の盛夏、2008年の厳冬期についで3回目。
2007年8月8日「世界ノ天井ガ抜ケタ楽園ニテ」
http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida+archive/20100809/1281307762
過去のアーカイブ「ぷよねこ減量日記Classic」はこういうふうに使える。
冬の美ヶ原はまだアーカイブに未収録。