2010/11/18 記憶倉庫の老朽化

快晴、今日は朝から番組収録です。
ロードバイクで神戸方面へ35分、灘浜の神戸製鋼灘浜グラウンドへ行く。
このくらいの通勤時間で行ける場所に勤め先があればいいな。


今シーズン限りで現役を引退する大畑大介。
僕がかかわった番組に出てもらうのは2回目になる。
積んでいるエンジンはF1クラス、車体がそれに耐えられず後半は怪我に泣いた。
排気量に見合う頑丈なボディがあったら、と悔やまれる。


収録に参加してくれたベテラン伊藤剛臣は浜ちゃんと同期でいまだ現役。
世が戦国時代でも生きていけそうな生命力を感じる。
ラグビーマンらしい親分肌の豪快なキャラでした。

  



…自分は若年性認知症なのではないか、と不安になることがある
でも、まあ昔のことは忘れるのは自然なのかも知れないね。
反対にかなり昔のことなのに強烈に思えていることもある。


ヒロと映画の話をしていて思い出せなかったアイテム。
リック・ベッソン、ダニエル・デル・ルイス、ゲイリー・オールドマン。
80年代から90年代に見た映画の記憶の損傷度合いが大きい。 
つい先日はA部さんと飲んでいて「JSA」が出てこなかった。
携帯で調べて正解を聞いたあとでも、そうだったかなあ、とスッキリしない。
これはヤバイ。
記憶が飛んでいる。 


書評家の目黒考二が『中年授業』(たぶん)という本に書いていた。
ランズデール『ダークライン』というこれまた海外の小説。
テキサス州東部の小さな町に生まれ、そこで暮らした男のささやかな回想記らしい。
その初老の主人公スタンリーは物語のラストでこう呟く。
スタンリーは今も昔も犬を飼っている。
(『ダークライン』本文より引用する)


  『歳をとるにつれて…いや、正直に言えばまだ50代後半なのでたいした歳でもないのだが、
   それでも過去の方が、現在よりも大切に感じられるようになった。
   決していいことではないのかもしれないが、それは事実だった。  
   あのころ、物事にはずっと張りつめた空気があった。
   日射しはずっと暖かかった。風は冷たく、犬はずっと賢かった。』


以下は目黒考二の感想。


  「私もまた『過去の方が現在よりも大切に感じられる』ようになっているのだ。
  それはスタンリーがそうであるように、けっして後悔ではない。
  どういうわけか、過去の方が現在よりも大切なものになっているだけだ。
  最初にそう思うようになったのは四十代の後半で、
  当初はひたすら戸惑っていたが、今ではすっかりなれてしまい、
  事あるごとに過ぎ去った日々をただ思い返しているのである。」


ぷよねこ同感であります。
たぶん、50近くなった人は同じ感覚を持った経験があることだろう。
『あのころ、物事にはずっと張りつめた空気があった。
 日射しはずっと暖かかった。風は冷たく、犬はずっと賢かった』
失われた感受性、センサーが鈍くなった、と簡単に言い切れない何かがある。
過去が大事、そう思える過去を持ったことに喜びを見いだそう。
それほどの過去がおまえにあるのか?とは問わないでください。


…神戸製鋼から再びロードバイクで戻る。
香櫨園浜に寄って写真を撮る。
遅い午後の西日を浴びてユリカモメが羽を休めていた。