ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2011/1/10 『海炭市叙景』@十三七芸

朝の時間をもっと大切にしよう。
自分自身思うのは朝7時くらいから9時あたりまでが一番集中出来る時間帯だ。
この時間にYou-Tubeやamazonを見たり趣味的な情報集めはやめておこう。
その手のことは寝る前にでも出来るからね。
さて、今日から食べたものの記録、支出記録を再開しよう。
今日は冷え込む。
雪が舞っている。


…iTune Storeで『龍馬伝』のサントラを購入した。
総集編のサウンドトラック、12曲で1500円也。
いいですねえ。
ああ、あのシーンで流れていたなあと思い出す。
(我が家ではまだ龍馬しゃんはご存命ですきに)
マイ・フェイバリートは弥太郎のテーマのような『雑草魂』、
武市と以蔵が死ぬ時、あるいは牢へ入るシーン「愛の蛍」で流れていた『想望』の2曲。
http://itunes.apple.com/jp/album/id410462379


朝食はガーリックバケットとコーンスープ。
昼食はハヤシライス、いずれも今日はデスクで食べました。
  


今日は十日戎
例年、ヒロとばあばあが西宮神社へ詣でてくれる。
去年の笹を持ってヒロが出ていく時に、
「商売繁盛するようにお参りしてきてね」と僕が言うと、
「去年は繁盛せーへんかったからね」とチクリ。


…映画『海炭市叙景』@十三 第七芸術座。
マクドナルドで珈琲を買ってマイタンブラーに詰め替えて出陣。
七芸は会員なので全作品を1000円で見られます。
祝日なので半分くらいの席が埋まる。
客の年齢層は高いです。
    


静かで暗くて寂しくて哀しく切ない5つの物語のつづれ織り。
2時間30分、灰色の冬景色を映すスクリーンに見入りました。
結論。
いい映画だと思います。
誰もが面白いとは思わないだろうな。
あえて言い直せば好きな映画です。
読んではいないけど夭折した作家の原作に忠実なのだろうなと感じた。
小説のように丁寧に描いている。
無言の空白がいい。
登場人物の心情を感じ取ることが出来る。


架空の街、海炭市。
明らかに函館。
冬、暮れから年越しにかけての出来事。
5つのエピソード(叙景)が語られていく。
それぞれに少しずつ登場人物が重なる。
造船所のドックの閉鎖を除けばとりたてて事件は起きない。 
もちろん何かは起こる。
が、それは僕らの住んでいる場所でも毎日起こっていること。
海炭市はどこにもある街だ。
http://www.kaitanshi.com/story.html


・造船所の人員整理で仕事を失った兄妹(竹原ピストル、谷村美月)は小銭をかきあつめ、
 臥牛山(函館山)へ初日の出を見に行く。
・立ち退きを迫られた老婆(中里あき)は拒否したまま猫や家畜と暮らしている。
 ある日、猫が姿を消してしまう。
・老朽化した小さなプラネタリウムで働く男(小林薫)は妻(南果歩)からも子供からも
 無視され続けている。妻は水商売で働き始めてから変わってしまった。時々、外泊もする。
 ラグビーをやっている息子は話しかけても口きかない。
・父親からガス屋を継いだ若社長(加瀬亮)は商売がうまくいかない。
 いつも苛立ち、従業員を叱り、妻を殴る。妻は先妻が残した子供を夫に隠れて虐待を続ける。
・東京から出張でふるさとである海炭市へ帰ってきた青年は路面電車の運転士として働く
 父親(西堀滋樹)と会おうともしない。心が晴れないまま場末のスナックで夜を過ごす。


もちろんドラマではあるけど登場人物がリアルに演じている。
大げさだけど演じているのか本物なのかわからなくなるほど現実感がある。
竹原ピストルと谷村美月の兄妹も、中里あきの老婆も、西堀滋樹の運転士も。


ちなみに竹原ピストルはフォークデュオ野狐禅(やこぜん)のヴォーカル。
彼らの『初恋』という唄が好きだった。
ドキュメント番組で使いたかったけど、果たせませんでした。
竹原ピストルは元ボクサー、この映画では地味だけどピカイチの演技だったと思う。
切ない笑顔がいい。
谷村美月という女優も初めて見た。
(『サマー・ウォーズ』でも声優をしていたらしい)
彼女も薄倖の妹をリアルに演じていた。
ロープウエイの駅で一人兄を待つ姿に胸が締めつけられる。
  


架空の街を舞台にした映画。
去年読んだ堀江敏幸の『雪沼とその周辺』を思い出す。
あの小説も複数のエピソードを重ね登場人物が少しずつ重なる同じ構造だった。
この映画のチラシの解説は堀江敏幸が書いている。


サスペンス系の小説だが打海文三の『ハルピンカフェ』の舞台となる海市もそうだろう。
小説では福井県西部の港湾都市とあるから敦賀なのかもしれない。
海市は福永武彦の影響だろうか。
架空の街ではないが神保町を舞台にした映画『森崎書店の日々』がある。
これは去年のマイベストかもしれない。
予告編はさすがに動きのあるシーンばかりを集めている。
実際はもっと静かな映画です。


海炭市叙景』は☆5つ。
キック・アス』とは対極にあるが2011年のマイベストムービーにノミネートです。
今年になって見た3本の映画はいずれも誰かに勧められた作品。
酒友のA部氏推薦の『シチリア!シチリア!』、
ラジオで伊集院光が激賛していた『キック・アス』。
この『海炭市叙景』は佐々木譲のツイートで知った。
次はご隠居 岩佐さんの推薦する『クレアモントホテル』『ハーブ&ドロシー』です。


…舞台が明らかに函館なので現実の地名が出てくる。
路面電車の行き先は「谷地頭(やちがしら)」だ。
ここには市営の温泉がある。
4年前の冬にこの温泉に行った。
港近くの小さなペンションに泊まり、銭湯セットを借りて市電で出かけた。
なんだか函館市民のような気分になった。
「僕らは函館の安アパートに住む共働きの若い夫婦」という設定。
(その頃すでに40代後半で若くはなかったけど)
コンビニで缶ビールを買って二人で分けて飲んだ。
貧乏プレイというやつですね。
そのあと函館山に登った。
映画に登場する竹原ピストルと谷村美月の兄妹のようでした。
http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida+archive/20110110/1294664701



…映画終了後、十三『得一』で軽く独酌。
相変わらず激安の立ち飲みです。
阪急で帰宅、西宮北口ジュンク堂で文庫2冊クオカードで購入。


西宮の夜景。
兵庫県立芸術文化センターのイルミネーションです。