2011/8/5 竜の棲む処

東北4泊5日の山登りから帰宅、意外に涼しい西宮に安堵する。
エアコン、扇風機なしで眠られるとは思わなかった。
明け方、ベランダに一匹だけクマゼミがやってきて悲鳴のような凄いボリュームで鳴く。
あんな小さな身体で鼓膜を奮わせるほどの音量を出す生命の不思議。
一週間の短い命、一生分のエネルギーをいっきに放出するのだろう。
おかげで目が覚めた。


ゴミ捨てに出ると大粒の雨がぽつぽつと降り始める。
昨日、山形からの空路、夏の雲を上空から見た。
東北南部から関東、東海にかけて積乱雲が発生していた。
写真の奥、太平洋上か関東南部かに他を圧する巨大なやつが見える。
ヒロが“竜の城”みたい、と言う。
あの雲の中には雷竜(サンダードラゴン)が棲んでいる。


伊丹行きの飛行機は中部国際空港セントレア)上空で機首を西へ向ける。
しばらくするとヒロが言う。
「ねえ、凄いのが出てきたよ。原爆のキノコ雲みたい。」
見ると、南の方角に凄いのがいた。
巨大な金床雲!

夕陽を浴びて黄金色に染まって不気味だ。
この下では猛烈な雷雨が発生しているはず。
紀伊半島南部だろうか、それとも潮岬南方の海上だろうか。
山登りしててこいつを見るとビビる。
森林限界を超えたエリアで雷に遭うのは恐怖の経験だ。
一刻も早く安全な場所へ逃げこむことだ。
それにしても巨大な“竜の棲む城”だ。


…今日は高校野球開会式のリハーサル。
昨日、伊丹からリムジンバスで甲子園に戻りタクシーで自宅へ向かう途中、
あれ、「網引旅館がない!」と思わず口にした。
阪神タクシーの運転手が「ああ、まるっきり更地になりましたわ」と言う。
「網引旅館」は池田高校を始め徳島県勢の定宿だった。
取り壊された更地を見てちょっとショックだった。
昔は甲子園周辺の旅館に泊まるのが当たり前だった。
各県ごとにどの高校が出てこようと宿が確保されていた。
西東京の「夕立荘」、東東京の「水明荘」、鹿児島は「やっこ旅館」、高知の「志ぐれ旅館」
今や大坂や神戸のホテルに泊まるようになり甲子園の旅館は風前の灯らしい。


…ニュースデスク勤務。
阪神ヤクルト@京セラドーム、急死したサッカー松田のガンバ勢反応などの取材がある。
マートンは球場に現れず、原因不明の体調不良で自宅療養とのこと。
このところ続々と訃報が続く。
原田芳雄小松左京伊良部秀輝松田直樹、そして今日、マエタケこと前田武彦
小学生の頃、巨泉マエタケの『ゲバゲバ90分』に夢中だった。

思えば正体不明のおっさん二人が小中学生に大人気だったということが信じられない。
でも、事実はそうだったのだ。
考えてみれば、クレージーキャッツだって、コント55号だって子供に大人気だったのだ。
今、そんなことあり得る?
日本テレビのバラエティ黄金時代!



山登りの日々は早朝型生活だったのにいきなり深夜型となる。
ゲリラ豪雨が一日に二度あっていつまでもムシムシと暑い。
駅からの帰り道、あまりの不快さに気分が悪くなる。
やっぱり関西は湿気地獄だった。
冒頭に書いた「意外に涼しい」説は朝令暮改