2011/8/12 風立ちぬ いざ 生きめやも

このところサボってばかりのロードバイク。
今朝は走ろうと汗まみれになって起きた。
が、勇気が起こらず、断念する。
今思うと聖光学院が負けたのは僕が走らなかったせいじゃないか、と後悔する。
お盆前なのに、なんだか、早くも、夏が、収束していく。


ロードバイクはやめて朝イチのプールへ行く。
例によって高齢者のダシの出た水の中で1時間ほど過ごす。
帰宅するとヒロが畳の上に横たわっていた。
めまいがして吐いた、と言う。
ばあばあの世話で疲れたせいだろう。


僕の周りでいろんなことが起こる。
近いとこでも、遠いとこでも。
ばあばあの入院、人工透析京都五山送り火の愚行、ロンドン暴動、そして甲子園。
それらが暑さと湿気でごちゃごちゃに混ざり合って今年の夏が流れる。


寝込んでしまったヒロを置き去りにして出勤する。
今月4日目のニュースデスク。
局入りする頃、ヒロから、回復した、とのメール着信。
今から見舞いに行くという。
ようそろ!
ゆっくり動くように、とメールを返す。


第3試合の横浜と健大高崎が延長となる。
高崎、頑張るなあ、と新興校の健闘ぶりを応援していたがサヨナラ負けした。
さて第4試合、聖光学院(福島)vs 金沢(石川)が始まる。
甲子園は4万の大観衆。
デスク権限(?)でモニターを切り替えてパブリックビューイング仕様にする。
集中するためにスコアを書いて観戦する。
ん? なんで聖光学院にそこまで肩入れしてるのかな、って思いながら。


歳内と釜田、見応えある好投手対決は予想以上の緊迫感。
冴える伝家の宝刀スプリット、6者連続三振! 
日南学園戦で打球が直撃した右手は大丈夫なのだろうか。
速球投手 釜田はイメージを逆手にとるような変化球で翻弄する。


先制は聖光学院、しかし、同点に追いつかれ、さらに勝ち越しを許す。
どこか冷静さを欠く聖光学院の守りに不安がよぎる。
勝ち越し打となった内野安打、2塁塁審が打球の直前を横切った。
セカンドがファンブル、おい塁審しっかりしてよ!
永見元パリーグ審判部長が言ってたポジショニングの悪さが聖光学院の仇となった。
その後も細かい守りのミスが失点につながる。
9回裏、聖光学院が満塁のチャンス。
頼む!
電話応対も上の空で試合に集中する。
最後の打者は日南学園戦でサヨナラのホームを踏んだ中村。
金属音!
セカンド正面…。
ゲームセット。
歳内14奪三振で敗戦、最後のセカンドゴロを記入しないままスコアに得点だけを記した。


号泣する18番、泣き崩れるエース歳内、甲子園に雨が降り始めていた。
福島の特別な夏、いろんなきっかけで勝手に応援した聖光学院は甲子園を去る。

勝った金沢ナインに、好投手 釜田に、おめでとうと言いたい。
ああ、でも、もう少し、歳内のピッチング、聖光学院の熱闘ぶりを見ていたかったなあ。
あえて書かなかったけど、フクシマの奇跡 を期待してた。
2011年、特別な夏に、真紅の優勝旗が初めて白河の関を越える、というシナリオ。
誰かの冷ややかな声が聞こえる。
そんなドラマのようにはいきませんよ、と。
ここで一句。


  そんなにうまくはいかんやろ というが たまにいく


たまに、は、たまに、だからこそ皆さんの鳥肌が立つのでしょうね。


ニュースデスク業務に戻る。
オリックスが猛牛ユニに身を包んで何やらややこしい試合をしている。
いてまえ打線復活、と書きたいが岡田監督はスクイズで点をとる。
抑えの岸田も1イニングなのに呼吸が荒い。
キー局の高校野球ニュース担当が何を思ったか、
大会No.1速球投手釜田に被災地福島の代表が挑む、というストーリーで、と注文してきた。
こいつ何もわかってない。
歳内を知らないのか? 聖光学院が優勝候補だってこと知らないのか?
デスクとして、つとめて冷静に、語気を抑えて、あなた方の見解は的外れである、と説得。
わかってもらえた、と思う。


…なぜか夏の終わりから秋の仕事が続々と舞い込む。
長崎の女子バスケット五輪アジア予選、大学駅伝、大阪マラソンに続いて、
10月の世界体操東京大会、アテネ以来の体操中継の登板となりそう。
すでに気分は、風立ちぬ 今は秋 です。
いやいや、


  風立ちぬ いざ 生きめやも


             (ポール・ヴァレリー「海辺の墓地」より)


おやすみなさい。


追伸: 「ほぼ日」コンテンツ『福島の特別な夏』の試合レポートがアップされました。
    http://www.1101.com/fukushima/index.html
     今から噛みしめるように読みます。