2012/7/24 Hit the road Ichiro !(旅立てイチロー)

イチローの出直し刺激を受けた。
38歳のスーパースターも、55歳の無名の小市民も同じだ。 
「エバースマイル・ニュージャージー」という映画がある。
パタゴニアの大地をオートバイで旅する歯医者のロードムービーで僕のベストムービーの一つだ。
主演はダニエル・デル・ルイス。
ストイックで変わり者のアイルランド人歯科医オコーネルの台詞が今も記憶に残る。


 「早寝して夜明けに出発だ。人間は根を生やしちゃいけない。
                 常に動き続けるんだ。人生は旅だ」


僕が眼鏡堂氏のようなことを書いても意味ないので思い切り自分に重ねて考えてしまった。

 


2003年5月、イチローをセーフコフィールドで見た。
Zombie NationのKemkraft 400がスタジアムに鳴り響く。
http://www.youtube.com/watch?v=_dwb95PKR-c
1塁ベンチからマリナーズナインが颯爽と芝のボールパークに散っていく。
ぞわぞわっと鳥肌が立った。
イチローの勇姿は今も瞼に焼きついている。


2004年の9月、入院していた僕はベーブルースのホームランを待つ病気の子供のように
イチローが安打を重ねていくニュースを楽しみにしていた。
病室に貼ったカレンダーに「新記録まであと○○本」と書いた。
世界記録へ、イチローがヒットを打つたびに僕の血糖値も下がって行った。



マリナーズが優勝争いに絡んでいれば去ることはなかっただろう。
「若いチームにとって僕がいない方がいいと思った」
潮時だ。
記者会見でのコメントも新鮮だった。
個人的にも心にずしんと響く。
言えるなら僕だって言ってみたい。
フリーエージェントで巨人や阪神に行くスター選手はこんなコメントは残さない。
ビジネスともちょっと違う。
スーパースターに親近感を感じる。
着慣れたシャツを脱いで新しいシャツに着替えてプレイしたかった。
僕のような年齢になっても古い上着にサヨナラして新しい旅に出たい気持ちはある。
旅の準備を怠っていたから、もう若くないから、というのは言い訳かもしれない。
旅はいつも別の理由で突然始まったりするものだから。


    


ユニフォームが違和感ないって当たり前だろって思った。
ヤンキースのビジターユニフォームはマリナーズのそれと似ている。
テレビのワイドショーは相変わらずいいかげんなコメントに終止する。
いまだに、イチローが頑張ってるのにチームは低迷、みたいなトーン。
僕だって熱心なウォッチャーではないがそうじゃないことくらいわかる。
贔屓の引き倒しは興味の無い証拠でイチロー自身を見誤ることにもなる。
ワイドショーにとってそんなことはどーでもいいか。
だからキライなんだ。


朝起きたらベッドにイチローはいなかった。
グレン・キャンベルの By the Time I get to Phoenix(邦題「恋はフェニックス」)の歌詞を思い出す。
http://www.youtube.com/watch?v=mUg5p3BncuQ

   ぼくがフェニックス(アリゾナ州)に着くころ
   君は目覚め
   さよならの手紙を
   読むのだろう
   きっと君は笑うんだろうね
   それは前にもあったことだから


   ぼくがアルバカーキ(ニューメキシコ州)に着くころ、
   君は会社にいて
   ランチタイムにぼくに電話する
   でもぼくはいない
   電話のベルが鳴り続けるだけ

                  (訳 村上春樹)

ムネリンも僕もこんな気持ちなのかもしれない。
もういちど映画の台詞が耳元でリフレインする。


    「人間は根を生やしちゃいけない。常に動き続けるんだ。人生は旅だ」


Hit the road Ichiro !(旅立てイチロー)、ニューヨークにココイチのカレーはあるのだろうか。



…昼前にヒロとばあばあの市営住宅へ出かける。
遺品の桐のたんすを修理に出す。
今日、運送業者が引き取りに来るのでいっしょにいて欲しいとのこと。
業者を待ちながら笹本稜平『春を背負って』を読む。


帰りは夕立に遭う。
甲子園のららぽーとへ寄って食器棚を見るがいいものがない。
夜はポートウェーブ西宮のプールで歩く。
体脂肪率は19%台。
ちゃんと減っているようだ。