朝、夙川駅まで自転車で走る。
桜並木はすっかり深緑になって木漏れ日の夏だ。
頭上からゲリラ豪雨のような蝉時雨が降り注ぐ。
暴力的なまでのボリューム。
一匹でもうるさいのに数十匹、数百匹だと耳をつんざくかのようだ。
最近読んだ村上春樹『サラダ好きのライオン』にセミについて書かれた一編があった。
日本の夏の風物詩として欠かせないセミの声だがヨーロッパやアメリカの北の方にセミは住んでいない。
当然、生まれてから一度もセミの声を聞いたことがないという人がいる。
ゆえにいろいろと問題が起こると村上春樹は書いている。
・日本のドラマを海外に輸出するときにはセミの音は消してしまうらしい。
(テレビの音声トラブルだと勘違いしてしまうのだとか)
・イソップの「アリとキリギリス」はそもそも「セミとキリギリス」だったらしいが。
ヨーロッパの人には理解できないのでキリギリスに差し替えて翻訳されたらしい。
(イソップはアイソーポス、ギリシャの人だから蝉は当然知っている)
・村上春樹のアメリカの友人はセミの鳴き声を最初に聞いたときは送電線が故障しているのだと思った。
セミの鳴き声って変な表現だけどすごく雑音的だ。
ミンミン蝉やヒグラシはいいとしてもクマゼミのしゃーしゃーしゃーとか
アブラゼミのジージージーはノイズでしかない。
僕ら日本人は子供の頃から聞いて慣れているに過ぎない。
関係ないけどイソップは地上に出る前のセミの雌伏の7年のことは知らなかったのだろうな。
知ってたらあんなふうに悪く書けないもの。
…阪急電車で十三に出て七芸で台湾映画『台北カフェ・ストーリー』(原題「第35個故事」) を見る。
映画を見る直前、目の前でロードバイクが大型トラックに巻き込まれる事故を見た。
何か音がしてふと道路を見るとトラックの車輪に自転車に乗った人間が挟まっていた。
その人は自転車ごと挟まって10メートルくらい引きずられていった。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
ロードバイクのサドルは吹っ飛んでいたが奇跡的に乗っていた若い男は無傷だった。
九死に一生、ラッキーだったとしか言いようがない。
トラックが無謀な幅寄せをしてきたのか、ロードバイクが無茶して合流したのかはわからない。
しかし、恐ろしいものを見た。
交通量の多い大阪市内は走りたくない。
…『台北カフェ・ストーリー』(原題「第35個故事 Taipei Exchanges 」)@第七芸術劇場
ネットで予告編を見て足を運ぶ。
小林聡美の『かもめ食堂』や『マザーウォーター』の台湾版みたいな映画かなと思った。
モーニングショーは久しぶり、夏の朝にふさわしい映画だった。
冒頭、スクリーンにエスプレッソマシンのクローズアップが映し出される。
清潔感のあるメタリックな銀色と蒸気のオフホワイト。
流れてくるのはジャズ風にアレンジされた「いそしぎ(The Shadow Of Your Smile)」
ウォーキングビートを刻むウッドベースが心地よい。
※主演の女優をどっかで見たことあるなあと思ったら…。
感想を追ってアップします。
『藍色夏恋』という映画で女子高生役でした。
今日見た映画にブロンプトンの赤が登場。
昼イチの会議、そのままニュースデスク。
…日付変更線を越えての帰宅。
シャワーを浴びるとそのまま女子サッカーvsカナダを見てしまう。
前半、沢〜大野〜川澄で先制ゴール。
続いて宮間が珍しくヘディングで2点目。
鮫島のロングボールを競った集団で一番背の低い宮間に当たった!
2-1で勝ち点1をゲット。