2012/8/29 誰も僕を知らない国

アメリカでもなく、ヨーロッパでもなく、東南アジアでもない異国が世界にはいくつもある。
もし、僕がまだ若くて、ひょんなことからハバナへ行き、友人の知り合いの友人に案内されて、初めて経験する異国の夜。
今日見た映画はそんなエピソードから始まる。
友人の友人の車の助手席乗り、片言の英語で会話をしながら、空港からの街へ走る。
海沿いの道、オフィス街、商店街を通り、やがて車は猥雑で魅力的な下町へ迷いこむ。
見る者は自分が主人公になった気分で知らない国キューバの旅を始める。
7ディレクターズ 7デイズ。

      



昨日のこと。
日本酒にして4合くらい飲んだだろうか。
ヒロは遺品整理の最終日で家にいない。
帰宅後、いつものように風呂につかる。
最近は30度くらいのほぼ水に近い温度で入っている。
眠ってしまったのだろう。
はっと気がつくと明け方4時過ぎだった。
身体が冷えている。
風邪ひいたんじゃないか。
いや、溺死の恐怖を感じた。
ヤバかった。
今風の意味ではない。
本来の意味で、ヤバかった。



映画『7デイズ・イン・ハバナ』@シネリーブル梅田
水曜日で1000円均一、この劇場は普段は自由席なのになぜか指定席制になっていた。
3割から4割の入り、平均年齢は60代だろうか。
  


    カリブ海の真珠”とも呼ばれるキューバの首都ハバナ
    文豪アーネスト・ヘミングウェイがこよなく愛したことでも知られるこの美しい街は、
    世界遺産に登録されている旧市街地など多様な様式の歴史的建築物が建ち並び、ノスタルジックな旅情を誘ってやまない。
    カリブ海を臨む白浜のビーチ、ナイトスポットを活気づける本場のキューバ音楽とダンス、陽気でバイタリティあふれるラテンの国民性……。
    こうしたハバナの街の多面的で奥深い魅力を、7人の監督が7本のエピソードに描いたアンソロジー。
                                                   (公式サイトより)


「名だたる7つの才能が紡ぎ上げた、月曜日から日曜日まで、魔法のような“ハバナの7日間” 」
http://7dayshavana.com/about/story.html


   


月曜日のエピソードの監督はあのベネチオ・デル・トロだ。
ニューヨーク・ヤンキースのキャップを被ったヤンキー青年テディが初めてハバナへやってきた。
彼の緊張と戸惑いと期待感こそ、誰も自分のことを知らない異国の魅力だ。
全く聞き取れない早口のスペイン語の洪水、なすすべない旅人は身を任せアバンチュールに走る。
抑制の効いたラストが洒落ていて僕の好きな一編。
火曜日のエピソードも悪くない。
運転手の吹くジャズトランペットは本物だ。
土曜日は『苺とチョコレート』の監督。
切ないラストシーンが胸を打つ。
やはり白眉は水曜日のエピソード、『セシリアの誘惑』だ。
女はクラブで歌うシンガー、男は野球のスラッガー
もの凄く才能に恵まれた若い男女は、美しく、貧しく、そして何故か千載一遇のチャンスも、不器用にすれ違う。
若く美しいゆえに、もの哀しさが、切なさが、エスカレートする。
この20分ほどの物語を見るだけでもこの映画を見る価値はある。


見るきっかけとなったブログ『特別な一日』も見事な構成を讃えている。
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20120827/1346068610


   海外からやってきた観光客のお話で始まり、次第に地元民のハバナの暮らしに入り込んでいく構成はお見事だった。
   見ている側も視線だけでなく心情も次第にハバナの人たちに入り込んでいく。


その通りうまく見る者の視点を誘導してくれる。


映画を通してキューバという国を知る。
いいところもあり、よくないところもある。
奇妙で孤高で素晴らしく魅力にあふれた異国。
今、僕はどこへも行けないけれど、映画がここではない何処かへ誘ってくれる。
『7デイズ・イン・ハバナ』見るべき映画です。


…夜は大阪城公園を走る。
京橋のアシックスのランステを初めて利用、700円とちと高い。
1週目は編成M氏のペースで走る。
なりゆきでキロ5分45秒を切るくらいのスピード。
何とかついて行く。
2週目は諦めた。
いつものジョギングペース、おそらくキロ7分。
大阪城公園では各所に警官の姿があった。
夏の闇に浮かぶ天守閣。
  


走り終えてシャワー、そしてビールタイム。
片町の「にしむら」という居酒屋へ行く。
阪神が横浜にようやく競り勝った。