ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2012/8/30 立体音響

連日の映画三昧、今日は三宮です。
『かぞくのくに』@シネリーブル神戸
会員割引で1300円、500ポイント貯まったのでドリンクとポップコーンつき。
 


監督はヤン・ヨンヒという女性。
これまでドキュメンタリー映画を撮ってきた人でこれが初の劇映画。
映画はヤン監督の家族の実体験をベースにしている。


1950年代から70年代にかけて「帰国事業」があった。
当時、僕は幼い子どもで、それが何だったのかは後に知識として知った。
監督は大阪の生野区に生まれた在日コリアン、父は朝鮮総連の幹部だった。
在日朝鮮人の帰国を呼びかけたキム・イルソン(金日成)に心酔していたという。
ヤン・ヨンヒ監督は4兄妹の末っ子、3人の兄は30数年前に“帰国”した。
当時、“この世の楽園”と呼ばれていた北朝鮮へ息子3人だけを先に送り出した。


しかし、ご存じの通り楽園は幻で二度と家族はいっしょに暮らすことはなかった。
映画のストーリーはこれを基にしている。


   日本に住むリエ(安藤サクラ)と帰国事業北朝鮮へ帰った兄ソンホ(井浦新)。
   離れて暮らして25年が経ち、ソンホが病気の治療のために日本に帰国することになった。
   期間は3か月。家族や仲間はソンホとの再会を喜ぶ一方、担当医には3か月では治療は不可能と告げられる。
   しかし、滞在延長を申請しようとした矢先、本国から「明日帰国するよう」と命令が下り……。




ラジオで久米宏が、この映画の何がいいって役者が最高!と強調していた。
ソンホ役の井浦新ARATAから改名)も、リエ役の安藤サクラも、
芝居がかってない抑制された演技は見終えたあとに胸に迫ってくる。
久米氏が特に絶賛していたのは韓国人俳優のヤン・イクチュン。
北からソンホを監視するために来た管理官の役。
自ら主演、監督をつとめた「息もできない」とは全く違うキャラクターを見事に演じていた。
http://www.youtube.com/watch?v=UwVmV6-N2mU


中学時代の同窓生がソンホの歓迎会を開く。
今は結婚して幸せに暮らすかつての相思相愛の彼女の姿もあった。
そのときにソンホが歌う『白いブランコ』に思わず落涙。
終始、無表情だったソンホがかすかに見せた淋しい感情。


   僕の心に今もゆれる
   あの白いブランコ
   幼い恋を見つめてくれた
   あの白いブランコ


   まだこわれずにあるのなら
   君のおもかげ抱きしめて
   ひとりでゆれてみようかしら
   遠いあの日の 白い白い 白いブランコ


北での不自由で過酷な暮らし。
加えて自らを理不尽に襲った脳腫瘍という病。
日本の医者には、近い将来に精神や身体に異常をきたす、と宣告される。
それだけでも悲劇なのに…。
日本での最後の夜、ソンホが妹リエに言う。
「もう何も考えないことにしたんだ。思考停止。楽だぞ、思考停止」
力なく笑う。
こういうことってよくあるんだ、自分らの国では。
もう慣れた。
そして、妹のリエに言う。
おまえは考えることが出来るんだ。
とことん考えろよ。
好きなことをして好きなところへ行け。
空港へ向かう車の中、車窓に目をやるソンホ。
見る者は、彼の表情から何かを読み取ろうとするが及ばない。


同じ社会主義を標榜している国、キューバ北朝鮮
昨日はキューバ、今日は北朝鮮の映画を見た。
二つの国はまるで違う。
笑っちゃうくらい真反対にある。
東西冷戦って何だったのだろう?



…けふも朝プール、老人の海に30分。
一昨日の夜に飲んだ話、昨日見た『7デイズ・イン・ハバナ』の感想などを書く。
4時過ぎから映画を見る予定なので阪神電車で三宮に出る。
まだ少し時間がある。
あの店へ行ってみようか。
まだやってるのかな?


やってた。
    


三宮の高架下にある昭和の喫茶店『ジャヴァ』です。
昔は『立体音響ジャヴァ』と看板にあったが立体音響の文字はどこにもない。
軽く15年以上は来たことがない。
三宮にあってこのあたりの高架下飲食街がよくも震災に耐えたものだと思う。
阪急の三宮駅は壊滅状態だったのに。


ジャズのLPが流れている。
ここは音楽喫茶、ジャズのお店なのだ。
ときどきライブもやっているようだ。
午後3時過ぎ、客は僕一人だった。
立体音響と言っても3Dサウンドというわけではない。
いわゆるステレオです。

    


広い空間に鳴り響くモダンジャズの立体音響。
高らかに鳴るトランペットは遠い昭和時代から聞こえてくるようだ。
典型的なハードバップのフレーズ。
ディジー・ガレスピーだろうか。
あるいはリー・モーガンか。
    


映画を見たあと煮びたし南京町へ行く。
「ぎょうざ苑」で一人の夕食。
青島ビール小瓶、焼き餃子一人前、ジャージャー菜。
小ライスに卵スープのセットが嬉しい300円。


元町の裏通りに古いドイツ料理店がある。
赤煉瓦のいい雰囲気の店構えが僕を誘う。
それにしてもドイツやベルギーのビールは高い。
梅田でオクトーバーフェストが開催中だがどこも高い。
一杯500mlで1000円とか1400円もしたりする。
そういえばバーでギネスを飲んでも1000円くらいする。
酒税の関係だろうか。
ドイツビールが500mlで500円くらいだったらなあ、と思う。
       


阪神電車の普通で帰る
阪神自慢のジェットカーです。