2012/9/2 For the good time

亜熱帯の気怠い朝。
時計を見た瞬間、やろうと計画していたことを一瞬で放棄する。
ため息とともに二度寝、今年になってそんな朝をいくつ数えたことか。


寝坊した朝はクリス・クリストファーソンの歌が聴きたくなる。
アメリカのシンガー&ソングライター、長髪にひげ面、典型的なテキサス男の風貌。
もうすっかりジジイになっているはずだ。
名曲をいくつも書いて多くの歌手がカバーしている。
ジャニス・ジョップリン、リタ・クーリッジ、ウイリー・ネルソン、最近ではノラ・ジョーンズ
ホントに素敵な曲ばかりだからね。
「Me and Bobby Mcgee」「Sundaymoring Coming Down」「Help Me Make It Through The Night」
なかでも僕の涙腺を一番刺激するのは「For the Good Time」だ。
   


   Don't look so sad, I know it's over
   But life goes on and this old world will keep on turning
   Let's just be glad we had some time to spend together
   There's no need to watch the bridges that we're burning


   Lay your head upon my pillow
   Hold your warm and tender body close to mine
   Hear the whisper of the raindrops
   blowing soft against the window
   And make believe you love me one more time
   For the good times.


人生は後悔の積み重ね、あの素晴らしい時間よ戻ってきておくれ。
カントリーバラードってのは音は乾いてるクセにメロディーはウエットで詞は思いっきり未練がましい。
だから泣ける。


ノラ・ジョーンズのカバーはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=Bpoiec1VsEQ
http://www.youtube.com/watch?v=a0Fb0cuQyMg


…ニュースデスク2日目。
甲子園はナイトゲームの広島戦、ルーキー歳内とエース前健のマッチアップ。
5イニングス1失点、歳内の投げっぷりは気持ちよかった。
最初の三振は伝家の宝刀SFF、でもキャッチャーの小宮山が頼りなかった。
ストレートは明らかに高校時代より威力を増していた。
本人もサインに何度も首を振り、真っ直ぐを投げたがっていた。
マエケンは何だか余裕のマウンドだった。
脱力してゆったりとしたフォームから150キロ越えのストレートが放たれる。
惚れ惚れするようなピッチングだった。


去年の夏、聖光学院に入れ込んで夏の甲子園を見た。
WEBサイト『ほぼ日』の「福島の特別な夏」を読んで感動したからだ。
http://www.1101.com/fukushima/


このコンテンツを現地へ通い取材して書いた永田さんの文章がいい。
素直で、カッコつけてなくて、ときどきドキっとさせられたり、とにかく素敵だ。
長いので全文を読み返すことはないが気に入った南会津高校のリポートや開会式、
甲子園に来てからの聖光学院の試合のリポートなどは繰り返し読み今も影響を受けている。


ことし、その永田さんが南相馬を取材した。
そのリポートがアップされている。
「書きかけてやめた、福島のことを、もう一度。」
http://www.1101.com/fukushima/2012/index.html
     


不遜にも言わせてもらえば、知ってはいた、のだ。
テレビでも見たし、『相馬看花』というドキュメンタリー映画も見た。
だから、そこで何が起こったか、を知ってはいた。
現地を見ても同じかも知れない。
でも、あの「福島の特別な夏」の延長線上にある永田さんのリポートは格別だった。
胸を打つ。


…胸を打つ、と言えばパラリンピックの競泳男子100m平泳ぎだ。
生まれつき両手のない中村智太郎選手が銀メダルを獲得した。
いっしょに決勝のレースを泳ぐライバルたちは両手を使って泳いでいる。
にもかかわらず中村くんはカエル足だけで2位に入った。
しかもターンやタッチは捨て身の頭突きだ。
中継を見ていて、それだけで、胸が熱くなってしまった。
http://www1.nhk.or.jp/sports2/paralympic/movie_portal/index.html?d=view,mtype=3,id=NW605507,t=0.033


スタンドの歓声には足をあげて応えるのだ。
表彰台では握手でなく握足なのだ。
 


そういえばアテネの時に僕らを驚かせたのも彼だった。
8年ぶりの鳥肌。
中村智太郎くんの顔と名前を憶えておこう。