2012/9/27 わざわざ近づいていく。

【本日の行動ログ】
伊丹空港〜沖縄空港(那覇)、那覇にてランチ@ジョージレストラン、
沖縄空港(那覇)〜石垣空港、ミネーロと合流、民宿『楽天屋』投宿、
ミネーロのアパートで缶発泡酒、美崎町『メンガテー』にて石垣風おでんとオリオン、
バー『Kハウス』にて島酒ロックとタコライス、23時過ぎに就寝。


この季節に沖縄に行くということ。
リスクがあることは頭ではわかっている。
台風に遭うかもね。
でも、それは想定内、
なんて僕は嫁さんや友人に言う。
達観しているつもりでいた。
それは一般論で、自分のことではないと思っているからだ。
人間って滑稽な存在ですね。
 


それは自分のことではない。
人が加齢する、老化するというのも同種の心情だ。
村上春樹の『走ることについて語るときに僕が語ること』にこんな記述がある。


  ミック・ジャガーは若いときに
  「四十五歳になって『サティスファクション』をまだ歌っているくらいなら、死んだ方がましだ」と豪語した。
  しかし実際には彼は六十歳を過ぎた今でも『サティスファクション』を歌い続けている。
  そのことを笑う人々もいる。しかし僕には笑えない。
  若き日のミック・ジャガーは四十五歳になった自分の姿を想像することができなかったのだ。
  若き日の僕にもそんなことは想像できなかった。誰がミック・ジャガーを笑うことができるだろうか?


とにかく台風17号は僕がきょう行く島のすぐ近くまで来ていて、僕はわざわざ近づいて行くのだ。


では順番に…。


朝、7時前に自宅マンションを出る。
駅まで急ぎ足で歩いているとヒロが自転車で追いかけてきた。
荷物を運んでもらう。
遊びに行くというのに。
心苦しくて。


伊丹空港へ行くのも1年ぶり。
待合所でヒロの弁当を食べる。
卵焼き、アスパラソテー、茄子の炒め物、魚フライのウスターソース漬けに俵おにぎり。
いつもの定番メニューが嬉しい。
飛行機に乗るのも去年の8月以来。
 



2年ぶりの沖縄。
いつものようにボーイング777は低空飛行で那覇にランディング。
那覇は快晴で暑い。
ここまでは順調です。


琉球赤瓦の古民家もいいけれど、こういうアパートを見ると僕は沖縄に来たと感じる。
戦後アメリカ統治時代に作られたコンクリートブロックの建物。
1979年に大阪から船で初めて沖縄に来た。
そのとき那覇の第一印象はこのブロックのアパート群の白い街だった。
琉球でもない、アメリカでもない、日本でもない不思議な肌触りの建物。
焼け野原になった戦後の沖縄には家を建てる木材がなかった。


かつてのAサイン食堂『ジョージ』でタコスとオリオン。
僕にとって那覇と言えばここだ。
日曜日の昼、ジャッキーは満席なのにこのはガランと寂しくていいなあ。
でもこの店のタコスは世界一。


オリオン中瓶1本でほろ酔い。
店を出るとモノクローム那覇の裏通り。
この風景は1979年から変わっていない。
辻スーパーでスパムの缶詰を買った。
150円だったと思う。
当時は破格に安かったのだ。


モノレールで空港に戻る。
沖縄タイムズを買う。
オスプレイ普天間へ今日にもやってくるという一面。
その片隅に台風17号の進路予想が載っている。
何度も書くが、わざわざ近づいていくのである。


白波が立つ。
那覇までの海とは違う。
ぺっちゃんこの竹富島を南から望む。


着陸寸前の飛行機から見た石垣市街。
ここも那覇と同じくごつごつしたコンクリートブロックの街だ。
嵐の前の静けさ。


空港でミネーロは黄色いTシャツを着て待っていた。
ときおり強風、蒸し暑い。
風に飛ばされてきた雨粒が時折頬をたたく。
空港ロビーは足止めを食らった観光客で騒然とした感じ。
明日の運行、特に午後からは飛べないだろうとのこと。


パジェロミニ(愛称パジェミ)は西東京から流れ着いた中古車、ミネーロは大阪から流れ着いた五十男。
アヤパニ(冠鷲)の羽根を帽子につけた島のファーマー(農場労働者)だ。
ご所望のスターバックスのコーヒー豆、それと奈良の純米酒にごりが手土産だ。
若い頃は岩城滉一、あるいは加藤鷹、今はマイク真木、あるいは所ジョージ


ミネーロの飲み友だちの民宿『楽天屋』に投宿する。


一泊素泊まりで3000円。
和室八畳の個室、wifi完備、風呂トイレ共同。
島でビジネスホテルに泊まるほど味気ないモノはない。
ここいいですね。
他にも台風避難のツーリストが身を寄せている。


颱風前夜、でも当然飲む。
風雨強くなるが街へ出る。
美崎町のおでん屋でビール、のちミネーロのなじみのバー『Kハウス』で島酒。


台風の前というのは胸騒ぎがする。
バーでもワクワクドキドキで盛り上がる。
数年前の13号台風のときは自転車が空を舞っていたとか、マンションの給水タンクが飛んだとか。
とにかく、何があっても暴風圏内に入ったら外へは出ないことだ。
尖閣問題、北朝鮮のミサイルのときの迎撃Pac3の話、与那国への自衛隊駐屯の話でも盛り上がる。
嵐の前夜、ニッポンの端っこで世界を語る、のだった。