2014/4/1 人生を数える

数字は世界でもっとも通じる言語だと思う。
映画「おもいでの夏」のエンディング、主人公のハーミーのモノローグが印象的だった。


 あのころ僕たちは子供で  衝動的に生きていた
 日々は忙しく過ぎ  僕たちには重大なことも 起こっては消えた
 '42年の夏 私たちは 沿岸警備隊基地を4回襲い、映画を5本見た
 雨が9日 降った
 ベンジーは時計を壊し オスキーはハーモニカをやめた
 私は特別な体験の中で 子供の日と決別した 永遠に


数字にこだわるのは少年期のひとつの特徴である、と若き日の川本三郎が何かの評論集に書いていた。
確か村上春樹の「風の歌を聴け」の書評だったと思う。
こんなことを思出したのは Podcast ラジオ版「学問のススメ」で小山薫堂が絵本について話していたせいだ。

いのちのかぞえかた

いのちのかぞえかた

「いのちのかぞえかた」という絵本、世界の有り様を数でとらえようとする試み。


  
保険会社のサイトに動画もあります。 http://kazoekata.com/movie/


地球は奇跡の星と呼ばれる。
いまこの環境があるのは無数にある星の中で、二千億 × 二千億分の1の確率だとか。
(その確率が凄いのはわかるが、どうやって算出したのか気になるところだが知るのも面倒かも)
二千億 × 二千億分の1 京という単位は越えてるよね。
恐ろしい競争率を勝ち抜いた奇跡の星。
さらに小山薫堂は言う。
その奇跡の上に、僕らはこの時代に生まれて(悲惨な時代もあった)、現代においても、この地(日本)に生まれている。
天文学的な数字で恐ろしくラッキーな人間なのだ。


茨木のり子の詩にこんなのがあった。

  
  水の星


  宇宙の漆黒の闇のなかを
  ひっそりまわる水の星
  まわりには仲間もなく親戚もなく
  まるで孤独な星なんだ


  生れてこのかた
  なにに一番驚いたかと言えば
  水一滴もこぼさずに廻る地球を
  外からパチリと写した一枚の写真


  こういうところに棲んでいましたか
  これを見なかった昔のひとは
  線引きできるほどの意識の差が出る筈なのに
  みんなわりあいぼんやりとしている


  太陽からの距離がほどほどで
  それで水がたっぷりと渦まくのであるらしい
  中は火の玉だっていうのに
  ありえない不思議 蒼い星


  すさまじい洪水の記憶が残り
  ノアの箱船の伝説が生まれたのだろうけれど
  善良な者たちだけが選ばれて積まれた船であったのに
  子子孫孫のていたらくを見れば この言い伝えもいたって怪しい


  軌道を逸れることもなく いまだ死の星にもならず
  いのちの豊饒を抱えながら
  どこかさびしげな 水の星
  極小の一分子でもある人間が ゆえなくさびしいのもあたりまえで
  あたりまえすぎることは言わないほうがいいのでしょう
 

                    茨木のり子 詩集「倚りかからず」より
         

つくづく詩人と呼ばれる人の感性には驚かされる。
「子子孫孫のていたらくを見れば この言い伝えもいたって怪しい」
「極小の一分子でもある人間が ゆえなくさびしいのもあたりまえで
       あたりまえすぎることは言わないほうがいいのでしょう」
さりげないアイロニーやユーモアも好きだ。 


吉岡秀隆の朗読があります。

      


数で表現することによって悩み事や鬱陶しい雑事を矮小化できる。
でも、人間は悲しくも愚か。
一日たてば忘れてうだうだと愚痴りくよくよと悩む。
ノアの方舟は玉石混淆だったらしい。
10年ほど前だったか。
「もし世界が100人の村だったら」という絵本が流行った。
誰か一つでも憶えてますか?
この本にあった例えを。


検索した。
日本で広まったのが2001年、もう13年も前だった。
http://www.romi-nakano.jp/100people/index.html


   誰かが私に興味深いお話を伝えてくれました
   もし現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで
   全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう

   その村には…
   57人のアジア人
   21人のヨーロッパ人
   14人の南北アメリカ
   8人のアフリカ人がいます


   52人が女性で
   48人が男性です


   70人が有色人種で
   30人が白人

   70人がキリスト教以外の人たちで
   30人がキリスト教

   89人が異性愛者で
   11人が同性愛者

   6人が全世界の富の59%を所有し
   その6人ともがアメリカ国籍

   80人は標準以下の居住環境に住み
   70人は文字が読めません
   50人は栄養失調に苦しみ
   1人が瀕死の状態にあり
   1人は今生まれようとしています

   1人は(そうたった1人)は大学の教育を受け
   そして1人だけがコンピューターを所有しています


忘れてるでしょ。 



残り何食? 
1年に約1000食たべられるとして僕が80歳まで生きたら…23000食。
80まで生きる自信はないので残り15000食くらいか。
でも…1万食も食べられると思うか、1万食しか残ってないと思うか。
  


芦屋浜のアップダウンのあるコースでペース走をした。
4分40 5分02 5分03 4分57 4キロを19分42秒でした。
5キロをキロ5分で余裕を持って走れるようにしたい。


アディゼロのデビューです。
ファンラン用ではなくサブ4を狙う人のチャレンジラン用だとか。
来年くらいにはシリアスランナー用のアシックスターサーでレースに出たい。
  



…『あなたを抱きしめる日まで(原題 Philomena) 』@TOHOシネマズ西宮
きょうは1日、映画の日で観賞代が1000円になる。
ネットで予約すると1100円になっていた。
いつのまに?
増税に便乗?
こんなふうに生活をじわじわと締めつけるのがアベノミクスの本質なのです。
この種の低所得者層の些細なサービスにも、というかそこを集中的に、容赦なく、奪っていくシステム。


        


客は8割の入りだった。
相変わらず品のない擦りまくって垢のついた邦題だが原題は「フィノメラ」
主人公の女性の名前です。
この話もまた事実ベースなのです。
邦題を見てスルーしようと思ったけどこの人のレビューを読んで思い直す。
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20140324/1395662364


こんな物語です。


    政府の広報担当だったジャーナリスト、マーティン(スティーブ・クーガン)は政局がらみでクビになり、
    手持ち無沙汰な日々を送っていた。
    ある日 パーティで知り合った女性から、自分の母、フェロミナが50年前に生き別れた息子を探すのを手伝って欲しい、と頼まれる。
    若き日に未婚のまま妊娠したフェロミナは修道院へ送られ、そこで子供と引き離されて無理やり養子に出されてしまったというのだ。
    政治部の華やかな記事ばかり担当していたマーティンは社会部ネタに躊躇するが、生活のために引き受ける。
    彼はフェロミナと一緒に彼女の息子の手がかりを探してアイルランドへ、そしてアメリカへ向かう。
    こには驚くべき事実が隠されていた。


確かにテーマは重いが二人の名優の道行きとユーモアのある会話で印象が全く変わる。
それでも心にズシンと迫り、2時間近くスクリーンを見つめ続けた。
映画の見どころはある事実を求めて旅をする二人の心の動きだろう。
そこんとこを二人の役者は目とかしぐさとかで実に自然に演じていて見る者に伝わる。
エリートの男と自分の心残りを持ったまま人生を締めくくろうとしている女性。
ラスト、それぞれの心のおさまり方が対照的で面白い。


クビになり週刊誌から仕事をもらうマーティン。
彼を雇う週刊誌の女編集長は悲劇を愛憎劇を、あるいはお涙ちょうだいの感動劇を求める。
それは今の日本のメディアも同じで、滑稽なほど、下品なほどあからさまだ。
書く側のマーティンはBBCの元特派員という設定(実話でそうなんでしょう)。
だが、最後に彼が見せる本心からの憤りに心が洗われた。
旅が無ければその憤りは職業的なものだっただろう。
でも、人生はそんなふうにエリートが思う正義感で裁けないんだよ、マーティン。
カトリック教会の冒した罪、あなたは許せますか?


冬のアイルランドの墓地、あの映像は美しかった。


  


この表情に吸い寄せられて僕は石になってしまいました。
       



「ダラス・バイヤーズ・クラブ」「ネブラスカ」に続き当たり映画です。



…映画帰りに立ち寄った近所の公園、季節の花と斜めの光線は自然の魔法です。

  


  


  



…自宅で夕餉。
朝に放送されたNHKあさイチ」のレシピでつくったハンバーグ。
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/04/01/03.html


牛はミンチ、豚はミンチでなくてバラ肉を包丁で刻む。
ほぼレシピに忠実、スパイスは多目に。
ボリュームがあってマジで旨かった。
2個食べたかったけど我慢する。


  


ちょっとした食堂のハンバーグ定食。
1000円はとれるのでは?
皿は昨日増税前のかけこみで買ったばかりのNarumi の洋皿。
アルコールは抜く。
  


食後は夙川公園で恒例の夜桜ウォーク。