2014/12/7 もうそんなに時間がない。

冬は好きな季節だ。
2月生まれで、雪国で学生時代を過ごし、その街で4年間新聞配達をした。
旅も北方指向があり、暑さには弱いが寒さには強いという自負があった。
いま、寒さが辛い。
骨身にしみる。
人は変わる。


いや、人は弱る。



王子スタジアムへアメフトの取材に行く。
いや、取材ディレクターは他にいるので物見遊山が正しい。
JR灘駅から王子公園まで意外に近いことを知る。
そういえば春にジョギングしたときに灘駅から王子動物園の入り口が見えたっけ。


関西大学アメリカンフットボール入れ替え戦京都大学 vs 追手門学院大学王子スタジアム
長くスポーツの仕事をしてて、アメフト特番を担当したこともある。
でも、実際の試合をフィールドレベルで観るのは初めての体験でした。
率直な感想、アメフトって一体何人でやってるんだ?
9人でもないし、11人でもないし、15人よりも確実に多い。
すごい数の選手とコーチとマネージャーとスタッフとチアガールとで戦っている。

  


総力戦、組織vs組織の闘い。
なのに、その瞬間小さなボールを持っているたった一人が狙われる。
何人もの男が飛びかかり運動能力を奪う。
いわば殺しにかかる。
倒れたところに何人もの大男が折り重なって息の根を止める。
恐ろしいスポーツ。
出来ればボールから離れていたい。
日本の大学生のレベルでも直に見るとそう思う。
ましてやNFLなんて…。

  


京都大学が53-0で圧勝、追手門監督の水野さんは試合後もさばさばしていた。
僕のような素人でも練習を見に行った感覚で結果は明白だった。
でも京大としては100点ゲームをしたかっただろうし、追手門としてはひとつでもタッチダウンを奪いたかっただろう。
師匠と弟子の対決にスタジアムは埋まった。

  


いっしょに取材したのはかつての関西学院ファイターズの花形ランニングバック。
京大の監督とは現役時代に覇権を争った好敵手だったらしい。
(詳しくなくてすみません)
僕より小柄な男で、よくもあんな大男のタックルをかいくぐって突進出来たものだと思う。
彼が言う。
「アメフトやってました、と言うと、恐!タックルされそう、とよく言われるんですけど…されてた方やって」
かわすのは得意だったんでしょう。


水野さんが、あと3年で一部昇格を狙ってます、と明言した。
きょうの追手門を見ているとそれでも早くないかと思えた。
若いディレクターたちもそう思ったらしい。
水野総監督はいま72歳だ。
おそらく10年計画だなんて悠長なことは言ってられないのだ。
75歳、ここをリミットとして自分で決めているのだと思った。
もう時間がない。
そう、自分の歳になると共感出来る。
前に知り合いが五十半ばを過ぎてピアノを習い始めた。
バッハのある曲が弾きたかったのだ。
先生にバイエルからやった方がいいでしょうか、と問うと先生が言った。
左手だけ練習しましょう。
バイエルをやってる時間がありません、と。



局に戻って大阪城を走るつもりだった。
灘駅ナポリタンを食べてたら寒気がして身体が重い。
鼻水もとまらない。
身体が警告する。
やめとけ、と。
なんだか熱っぽい。


局へ戻って編集チェック。
熱いうどんでも食べて熱い風呂へ入って風邪薬飲んですぐに寝よう。
治るか治らないかはあしたの心だ。