2014/12/29 また人生をむだづかい(NEW)

また寝坊する。
こんなご時世にのんびり生きてますねって厭み言われそう。
早起きしたいのですが…。
寝るのが3時前では仕方ない。
深夜に何をやっているのだ?
翌朝に思い出しても思い出せないくらい。
寝坊するとすぐに一日が終わる。
ほら、もう陽が沈む。

  


限りなく昼に近い午前中、プールで30分ほど歩く。
走ってると無になる。
泳ぐと何かを考える余裕はないし、無にもなれない。
水中ウォークが何かを考えるのに一番適していると思う。
来年はどうしようか、と考えながら歩いた。
動く、攻める、変える、と勇ましい動詞が出てくる。
反面、諦念をもって心静かに暮らそう、とも思う。
でも、それはもう少し先に必ずやってくるフェーズだろう。
身体はまだ動く。
ならばジタバタしてやるか。
還暦までは3年ある。
やっぱりジタバタしてみるか。
大先輩たちが漂っている老人の海から若輩者はザバっと上がるのだった。


  


日記を埋めたり、請求書を書いたり。
ヒロはせっせと大掃除をする。
手伝おか、と言っても、ええよ、と言う。
返って邪魔になるらしい。
部屋に閉じこもる。
たまに部屋に何かを持って来て、これ捨てていい? と聞く。
いいよ、みんな捨てちゃってください。


夕方散髪に行く。
ことしから月イチペースで通っている近所の「えびすカット」です。
たまにはフルサービスの理容店へ行こうかなと思うがここのカットはなぜかしっくりきてて、普段からセットもしないのでこれでいいかな、と。
中高年のオヤジなのでせめて月イチペースを続けたい。
でも、髪はいつまであるのかな?

  


夜は生春巻きと土鍋で炊いたおかゆ。
胃腸にやさしい。
椎名誠が「ぼくがいま、死ぬことについて思うこと」で高血圧対策で毎日さらしタマネギを食べて効果絶大と書いていた。
同じレシピでやってみよう。
スライスオニオンは嫌いではないし、安いし。
タマネギ1/4をスライスして水にさらさないで15分おいて食べるというもの。


…昨日書いた「読書マラソン2014」、僕は38冊で終わりそう。
最後に読んだのはベストセラーの「新・戦争論」となった。
(もう一冊くらい読めるかな?)


珍しく、人文科学というより社会科学の本。
学生時代、二十代の頃は岩波新書を始めとする社会科学の本を好んで読みブンガクは苦手だった。
今でも純文は苦手だが、いつのまにか社会科学系も読まなくなって久しい。
一応、僕も史学科の学究の徒だった時代があるのだ。
この本はエンタ的にわかりやすく、読み出したら止まらない面白さ。
以前、「街場の五輪論」を読んだ感想で眼鏡堂氏が、もやもやしていた霧がしばし晴れ、溜飲がさがる、と書いた。
賢者の話にはそういう効果があるのかもしれない。
ベストセラーである。
最強コンビは互いをこう評す。
池上→佐藤 「化け物」
佐藤→池上 「決して逃げない良心」
とにかく二人が共通認識している世界地図の広さと濃密さに驚嘆する。
たとえば、佐藤氏が
「シリア国内のムスリム同胞団は今のアサド大統領の父親に皆殺しにされた」と言う。
間髪を入れず池上氏は
「1982年、首都ダマスカスの北およそ200キロのハマ市で同胞団が武装蜂起したときのことですね」とくる。
詳細な年号や位置は編集部によるものだろうけど万事こんな感じなのだ。
対談形式だが池上氏が誘導して佐藤氏が語るという流れで進む。
それぞれの得意分野があるようだが、佐藤氏の知識(読書量)と
分析力(情報収集能力)は凄い。
専門のロシアに強い。
イスラムに強い。
世界中の宗教に強い。
マルキシズムを始めとしたイデオロギー(哲学)に強い。
そもそもインテリジェンスなる言葉、僕は(知性)だと認識していた。
(諜報活動)の意味があることを知ったのはここ十年くらいだ。
一部ですが付箋をつけた発言は以下の通り。



佐藤「東アジアの秩序が、冷戦よりもはるか昔に戻っているのです。」
(「日本人が気づかない朝鮮問題」)


池上「中国には世論調査というものがないから国民の本音を外部から知るにはネットの言論を見るしかありません。
前首相の温家宝は、毎朝、執務室に行くと、まずネットでネット民がどんなことを言ってるかチェックしてたそうです。」
佐藤「日本でいえば安倍首相が2ちゃんねるを見ながら政治をしているようなもので、実は本当にそうしているのが怖いのですが。」
池上「ただ日本では、新聞、テレビの世論調査もあるから、ネットは世論の一部でしかないことがわかる。しかし中国では、ネットだけを参考にせざるを得ません。
そしてネットに「日本はけしからん」「尖閣は中国のものだ」といった過激な書きこみばかりあると、それが国民の意見ということになって、
日本により強い態度に出るという意思決定につながりかねません。」
佐藤「結果として、ネット上で人々が一段となって偏向した意見などに段階的に押し流されてしまう“サイバーカスケード現象”が中国で起きてしまうのも、やむをえない面があります。
しかし、ネットが偏っているというのは中国だけでなく、日本も同じ。今の選挙によって選ばれている政治家も明らかに偏っています。
本来、日本の国民感覚は、こんなに右ではありません。にもかかわらず、地方議会も含めて、日本の政治家は、国民の平均的な感覚よりも右にシフトしてますよ。」
(「中国から尖閣を守る方法」)



佐藤「冷戦の一番の特徴はイデオロギー対立でした。ところがグルジア情勢をめぐるグルジア、ロシア、アメリカの対立には、イデオロギーの対立はどこにもない。
典型的な領土争いであって、旧来型の帝国主義の対立です。」
池上「それを私流に言うと、“過去の栄光よ、もう一度”ということなのです。
たとえばソ連が崩壊してロシアになってしまいましたが、旧ソ連の切り身『半島の権益を守りたい、という気持ちがやはりプーチン大統領にはありでしょう。
中国が今、南シナ海からさらにインド洋まで進出しようとするのも明の鄭和の大航海であの辺りを開拓したからだ、というわけです。
南シナ海がなぜ中国のものなのか、何の理論的根拠も出せない。「イスラム国」は2020年までに、東はインド、西はスペインまで取り戻すと言っています。」
(「なぜ戦争論が必要か」)


佐藤「ウクライナ問題がなぜ解決しないかというと、誤解を恐れずに言えば、まだ殺し足りないからです。パレスチナ問題が解決しない理由も、流血の不足です。
「これ以上犠牲が出るのは嫌だ」とお互いが思うところまでいかないと、和解は成立しないのです。」
池上「ソマリアからアメリカが撤退するには、十数人の犠牲で足りたことになりますね。」
佐藤「そうです。この争いは無益だ と思うためには、一定の数の人間が死なないとダメだのですが、それは、ある国では何十人、ある国では何万になる。時期によっても変わります。」
池上「1990年代のルワンダでは100万人と言われる犠牲者が出ましたね。ヨーロッパではもっと少なくなるし、アメリカならさらにずっと少ない、
中国も、中越戦争(1975年)では数万人という犠牲者が出ています。にもかかわらず、当時の体制は揺るぎませんでしたが、今だとあれだけの犠牲者は出せないでしょう。体制維持が難しくなる。」
佐藤「そのあたりのことは、冷めた目で見る必要があるでしょうね要するに、「嫌な時代」になってきたのですよ。
これからの世界を生き抜くために、個人としては嫌な時代を嫌な時代だと認識出来る耐性を身につける必要がある。」
(「なぜ戦争論が必要か」)