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カーリングの小林さんから大いに学ぶ 2006,4,7

(神保町サクラホテル)
西国分寺の駅前ロータリーで眼鏡堂店主と合流。
Number 編集部のK氏と挨拶して山中湖へ向かう。
K氏は東大のラグビー部でまだ20代半ばと若い。
店主の傷だらけのウイングロードは国立駅前の桜並木を行く。
見事な桜の古木が続くブールバードは圧巻だった。
並木の道沿いには雰囲気の良さそうな珈琲店や雑貨、食堂が点在する。
ここなら住んでもいいなあ、なんて思う。

中央フリーウェイを西へ。
このところ東奔西走である。
今日は山梨県は山中湖にあるカーリング場へ行く。
長野五輪の競技委員長であり、トリノ五輪のジャパンプールの名解説でおなじみ、
あの小林さんの所有するカーリング場「カールプレックス フジ」であります。
店主がWEBに書いた記事「カーリングの小林さんを知ってますか?」や
その後の取材を通じて親交が深まり、僕らも便乗することになった次第。
神宮のアイススケート場ではなく、公式のカーリングシートで出来る。

富士は頂を雲に隠していた。
天気は上々、山中湖まで1時間半の道のりだった。
湖畔のデニーズで昼食をとり、ちょっと迷って目的地に到着。
笑顔の小林さんの出迎えに感激する。
あの「トリノ五輪のカーリングの小林さん」だぁ。

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蒲鉾型のドームに入る。
小林宏さんはどこかNHKの古参アナウンサーのような風貌。
(狸か狐かと言われたらタヌ系の顔 歳は50代半ばかな?)
しかし、アナウンサーにありがちな尊大なところは無い。

挨拶もそこそこに小林さんの解説が始まる。
生コバヤシのカーリング話である。
トリノ五輪、スキップ小野寺の苦悩の48時間の話、
そして、カナダの英雄ラス・ハワードの高度な戦略の話。
生で冷静と情熱の間にある小林さんの名解説が聞けたぞ。
ベリー・インポータント・ショットならぬ
ベリー・インプレッシブ・モーメントでありました。

シートは2面。
小林コーチが直に指導してくれるのだ。
「2時間か3時間あればゲームが楽しるまでになりますよ」と嬉しい言葉。
基礎練習、なんと最初からスイーピングの練習だ。
(あのブラシでこする動作です)
デリバリーからハウスに届くまでが約20秒だという。
その20秒を全力でスイープする。
無酸素運動、息が上がる。
その後はゆっくりと氷上を滑ったり、ストーンを投げたりする。
神宮スケート場とは比べものにならないくらいに滑る。
軽く押し出しただけで30メートル先のハウスをオーバーしてしまう。
「これがオーガスタのグリーンですよ」と満足げな小林コーチ。
オリンピックの試合も可能なコンディションなのだという。
40分も立たないうちに
「じゃあゲームをしましょう」となる。
2対2、一人二役で各8投ずつ、4エンドまでやることになる。
相手は店主とナンバー編集部員の二人。
スイーピングも加えて本格的な試合は初めて、嬉しいね。

 

そして、これが白熱したゲームとなる。
僕のチームは第1、第2エンドと一点ずつ奪われ0-2、
最終エンドに向け第3エンドはスコアレスに持ち込み、
後攻のまま、第4エンドを迎えようと作戦を立てる。
しかし、スキップの僕のストーンがハウス内にとどまり1点獲ってしまう。
1-2で迎えた最終エンド、ガードストーンを置き大量点獲得を狙う。
かくして、狙い通りに展開する。
僕のラスト2の一投が相手のナンバーツーをテイクアウト!
ハウス内に赤いストーンが3つ残った。
4ー2で最終エンドで逆転勝利!
いやいや、嬉しいものです。
第3エンドからほぼ思い描いた展開で進み最後は好結果で終わる。
これって何だか、すごく楽しいぞ?

小林さんによると
僕らのような超ビギナーでも戦略(タクティクス)は最高のところで考えるべきだと言う。
技術は徐々にアップし、戦略に追いついてくるものらしい。
反対に技術に戦略を合わせてしまう(つまり低いところに目標設定する)と
それ以上、技術も戦略も伸びていかない。
7th Ining Cafeで長谷川滋利が言っていたことと通じるのではないか。
メジャーリーグで成功する人の条件は?と問われ、彼は言った。
「技術はそれほど問題じゃない。大事なのは頑張れる何かを持っていること」
理想をどこに置くか、が重要、
そして、その理想を抱くことが出来るかどうか、はその人の人間としての資質を問われる。
いやあ、カーリング、馬鹿に出来ませんね。(僕はしてないけど)

 

4エンドまでは4-2で勝ち。
まだ時間があるということで延長の最終第5エンドに突入。
僕らは2点差を守ろうという戦略で臨んだ。
相手に1点までなら、あるいはスコアレスなら勝ちだ。
しかし、ミスが重なり徐々に相手ストーンがハウスに溜まる。
あ痛!と思ったときには遅かった。
相手ストーンが3つハウスに残り大逆転を許す。

守りに入ったのが敗因、だから小林さんが言ったではないか。
理想は最高のところに置くべきだと。
その前のスコアレスは逆転をするための布石としての戦略だった。
いわば、攻めのタクティクス。
しかし、この第5エンドのスコアレス狙いは守り。
戦略的には正解だが、理想が低く、安易だった。
そこに油断が生じる。結果はかくのごとし。
いやあ、カーリング、勉強になりますね。

そんなこんなで4時間以上を過ごす。
小林さんはカーリングが好きで好きでたまらないのです。
この場所に来たことで。僕らがとても幸福な気分になれたのは
そんな小林さんのカーリングへの愛情が伝わってきたからだと思う。


…夕食は国立の老舗洋食喫茶「ロージナ」にて。
京都にありそうな歴史を感じさせるレガシー系の趣。
店主にもらった山口瞳「行きつけの店」に登場した店。
ザイ・カレーという激辛カレーを食べる。
ビールはベルギーのシメイビール。
充実した一日に乾杯!です。

4月 7戦全敗。