冬至にクラリネット 2007/12/22

今日は冬至、朝から雨が降っている。

夏至は英語で summer solstice、冬至は winter solsticeと言うらしい。

だから? というような訳だ。

7時半に起きてデスクに向かう。

ジョギングは出来ないからのんびりしてしまう。

 

佐世保の乱射、続報は犯人の狙いとその動機ばかり。

インストラクターの倉本さんを狙い撃ちしていた、という証拠を並べる。

警察の発表はこの手の話を小出しに発表しているだけなのだろうな。

新聞は明らかに情報操作されていると思う。

危険人物に銃を与えてしまった責任は?

あるいは許可した理由は?

簡単な手続きで許可される、と新聞もテレビも強調する。

でも、たとえば僕が西宮署に突然銃の許可申請をしたら、そんな簡単に下りるのか?

所轄の警察官にその理由をねちねちと聞かれるだろう。

猟をどこで誰とするのか?なんで猟をしたいと思ったのか?他に趣味はないのか?

制度上は簡単でも、警察の責任問題だ、よほどの意志がないと許可されないと思う。

長崎では簡単なのか、それとも犯人の家庭が警察に強烈なコネを持っていたのか。

新聞、テレビでなく週刊誌の取材を待つしかない。

 

…年末のマッカラン友の会。

恒例になっていた南光町のコテージを予約した。

ずっと満室だったが予想通りキャンセルが出たのだ。

西宮から片道2時間、ちょっと遠いのが

 

…佐々木譲「警官の血」上を読み始める。

昭和23年、焼け跡の上野で職を探す主人公が「警察官募集」の記事を目にする。

常宿であるドーミーイン秋葉原の周辺の広小路、アメ横、上野公園あたりが舞台だ。

ぐいぐいと読み進む。

 

…連日の芸術文化センター通い。

強まる雨足、川沿いを30分ほど歩き阪急夙川駅、一駅だけ乗って西宮北口駅。

 

今夜も小ホールでのジャズ。

クラリネットの北村英治+竹下清ピアノトリオ。

数ヶ月前に大野雄二のチケットを予約する際に、

ヒロが、同じ週の土曜日に北村英治もあるけどどーする? と言う。

行っとこう 見納めかもしれん、と僕。

正直、その時点では、あ、北村英治ってまだ生きてるんだ、と失礼なことを思ってた。

雨の中、歩いてホールへ来る途中でも、

ばあばあと同い年だもんな、ステージは休みながら吹くんだろうな、

ピアノトリオだけの演奏もはさむんじゃないのかな、

枯れた感じのライブなのだろうな、正直ちょっと心配だね、と話す。

 

午後5時、コンサートが始まり北村英治が登場する。

いきなり十八番の「素敵なあなた」だ。

クラリネットも大きな音で良く響く。

ピアノやベースと掛け合い、ドラムスとチェイス、

78歳とはまったく思えない。

 

そして、開口一番、今日はこんなに音のいいホールなので

PAは使わず出来るだけ生の音で聴いてもらいます、と挨拶する。

トークも滑らかで全く老人っぽくない。この人すごいなと思う。

 

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クラリネット、いいですね。

よく歌います、その音色は人間の声のようだ。

本人の言葉を借りれば“バリバリ”のスイングナンバーもいい。

楽しいジャズ、明解なジャズだ。

そして、本人の言葉を借りれば“うらぶれた”音で吹くバラードもいい。

アマポーラ、ひまわり、メモリーズ・オブ・ユー…。

涙がこぼれる。

この“切なさ”がたまらない。

 

80年代の始めだったか、東芝のオーレックスジャズフェスティバルがテレビで放送された。

ペニーグッドマンとテディ・ウィルソンが奏でる名曲「身も心も」を思い出す。

80近い爺さん二人の演奏はそれはそれは切なく素晴らしかった。

聴いただけで条件反射的に目がうるんだ。

言葉で泣くのでなく、音で泣いた。

 

たぶん休みながらやるんだろうな、なんて失礼なことを言ったものだ。

ヒロと顔を見合わせて、めちゃ元気やん、と声に出さずに言う。

78歳の演奏家が現役でバリバリ吹いている。

そのことに強く感動、嬉しくなった。

 

先日、知り合いのさこ大介さんのライブを見た。

60歳になったばかりの大介さんは一曲歌うとぐったりして休んでた。

だから78ならなおのこと、と思ってしまったのだが。

ま、大介さんはアマチュアだし、飲みながらだしな。

 

北村さん枯れてない。

きっとまだ助平なんだろな。

 

コンサートが終わってふと思う。

最近、どっかで北村英治に似た人に会ったぞ、としばし考える。

あ、そうだウイリアムスだ。

松屋町の立ち飲み、木下酒店の大将ウイリアムスが北村英治そっくりなのだ。

(その立ち飲みは外国人にウイリアムス酒バーと言われている)

そういえば北村さん、商店街にある洋品店の店主にいそうなタイプだ。

 

…夜になっても雨は止まない。

帰って柚子湯につかる。