09/9/3 映画『南極料理人』を観る。

ペンギンはいますか?
ーペンギンはいません。


アザラシはいますか?
ーアザラシもいません。


じゃあ、何がいるの?
ー何もいません。


 おじさんたちがいるよ。



     



新しい季節、滑り出しがうまくいくかは重要なことだと思う。
駅伝で言えば一走。
ここで出遅れると二走、三走に焦りが出てレースがうまく運べない。
マラソンで言えば入りの5キロ。
野球で言えば先発投手の立ち上がり、打者3人をどう抑えるか。
1年で新しい季節の始まりは3月、6月、9月、12月。
僕にとってとりわけ9月は大事な季節のような気がする。
いつも夏の過ごし方に失敗するからだ。
9月はいつもリセット、リスタートの始まり。
今年はいい滑り出しが出来てる気がする。


3日間アルコールを抜いている。
(8月は11勝20敗でした)
3日間ジョギングを続けている。
ちなみに体重は72.65キロ。


つくつくぼうしが鳴いている。
久しぶりに聞いた気がする。


…今日はヒロと映画を見に行く。
恒例の自転車で映画&夫婦50割引で西宮ガーデンシネマ。
ネットで好きな席を予約して行きました。
(ついでにシネマイレージ会員になるが、これってどこが得なのか不明)


観たのは『南極料理人』(沖田修一監督 若い人デス)
何度も吹き出してしまう。
独特のおかしさが2時間弱ずーと持続する。
特にヤマ場というものはないのだけれど、好きな映画だな。
4.5ブラボーです。


観ようと思ったのはPodcastの『大竹ラジオ』
レギュラーゲストのきたろうが出演していて、面白いから観ろ、と言う。
正解だった。
真夏に見るには涼味満点でいいかもしれない。

    

南極料理人 (プレビュー)



映画の中で基地と日本を中継で結ぶシーンがある。
小学生が隊員に質問する。

 ペンギンはいますか?
 ーペンギンはいません。
 アザラシはいますか?
 ーアザラシもいません。
 じゃあ、何がいるの?
 ー何モいません。
 (おじさんたちがいるよ)


映画の舞台となるのは昭和基地ではない。
低温気象や雪氷研究の基地「南極ドームふじ基地」。
昭和基地から1000キロも奥地にあり標高3800メートルある。
生物はおろかウイルスさえも生存していないというとんでもない場所。
(ちなみに昭和基地から時速7キロの雪上車で約一ヶ月の道のりらしい)

南極基地と言えば『遊星からの物体X』である。
こわーい映画だった。
でも、ドームふじ基地にはそんなややこしい怪物も生存できない。
この世の果て、The end of the world である。

     


もちろん寒い。
年間平均気温マイナス40度。
とにかくとんでもない場所。
男ばかりの研究者が8人、1年半くらい生活する。
その顛末記。

原作があるのだ。
西村淳『面白南極料理人』(新潮文庫)
読んでないが基地に派遣された料理人の体験記なのだろう。
映画も面白いエピソードの集合体。
今年読んだ『まぐろ土佐船』とかも映画化するとこんな感じになるんだろな。

面白南極料理人 (新潮文庫)

面白南極料理人 (新潮文庫)


キャストもいい。
主人公の西村クンには堺雅人、隊長がきたろう、モトさんという雪氷研究員が生瀬勝久ら。
久しぶりに西田尚美を見た。でも、いつ見ても深津絵里と区別がつかない。

 西村クン、ボクはねえ、ラーメンがないと生きていけないんだよ(きたろう)

 西村クン、ボクたち、気持ちはもうエビフライだからね、(生瀬)


西村クンの作る料理が旨そうなこと。
豚汁とおにぎり、ローストビーフ、ファオグラ、フレンチのフルコース、中華のアラカルト。
南極基地とは思えない料理のオンパレード。
実際にそうだったんだろうな。
でも、隊員たちは食べさせ甲斐がない。
深夜にこそこそ即席ラーメンを盗み食べたりする。


でも、どこにも逃げ場のない「この世の果て」生活の精神的ストレスは尋常ではない。
隊員はほぼ半狂いの状態だ。
「誰も助けてくれない。自分が強くなるしかないんだよ。」と生瀬が言う。



映画を見終わると無性にラーメンが食べたくなる。
絶対に食べたくなる。
豚骨とか、味噌ラーメンとかでなく、全く普通の中華そば。
花より団子、オーロラよりラーメン! なのだ。


基地生活は学生寮と似ている。
基地に酒飲みの福田というドクターがいる。
そいつが『スナック福田』の看板を出してある一室を飲み場にしていた。
今はそうでもないだろうけど、僕が2年間暮らした金沢大学の寮はこんな感じだった。
僕が新入生の時に入った部屋がそうだった。
同室の先輩は8回生の人で夜な夜な寮の古株が集まって酒盛りする。
たまらんかったなあ。



かわいい動物はいますか?
ー僕たちがいるよ。(失礼!)

     


映画のあとはラーメン、という欲望を振り切って蕎麦にする。
夙川の『侘助』、でもすごーく混んでいて後悔する。
ここは欲望のままに、ラーメンだったか…。