ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

09/9/28 総合診断 「大腸炎」

今日のネタ(?)は下部内視鏡検査(大腸カメラ)。
およそ一ヶ月前の便潜血反応から端を発した案件であります。
血便、それも黒っぽい血でなく鮮血にぎょっとしてクリニックに相談。
痔かも知れへんけど、年齢も年齢やし、この機会に大腸カメラしときはったら、と言われる。
疑われるのは大腸ポリープ、悪ければ大腸ガン。
大腸のガンは胃がんを抜いて2番目に多い。(トップは肺がん)
発生のリスクは年齢とともに高まる。
大腸カメラは胃カメラの下半身版、肛門からカメラを挿入し直腸、大腸、盲腸周辺まで検査する。
“人生でしたくないこと”の一つ、出来るなら避けたかった。
でも、仕方ない。
血も出たし、50年も生きてきたし、覚悟しました。
眼鏡堂氏に、胃カメラも大腸も高校生の時にやりましたよ、とケロっとした顔で言われる。
他にもけっこうやってる人も多い。
ちょっと安心した。


でも、ここ数年の性癖か、僕は常に最悪のことを考えるようにしている。
ネットで調べる。
検査医師が下手だとかなり痛いらしい。
失敗して腸を傷つけてしまうこともあるらしい。
それが原因で死ぬ患者も年に数人いるらしい。
でも、確率は低い。
検査の痛みは覚悟しよう。


たぶん、ポリープだろう、と思いこむ。
しかし、多くの大腸癌はポリープから発生するらしい。
すでに手遅れかもしれない。
部位によっては大変なことになる。
直腸、肛門付近に大きなガンで出来ると人工肛門になるかもしれない。
人口肛門になった人の体験記を念入りに読む。
この人もジョギング愛好家で人工肛門になっても走り続けている。
勇気をもらう。
ポリープは覚悟、ガンになる危険性のあるポリープまでは覚悟しとこう。
進行性ガンの発見、人口肛門がこの場合の最悪のケースとする。
そう思うとこの一週間、仕事が手につかない。
で、今日を迎えたという次第。


6時起床、トイレへ行く。
昨日の夜に下剤を二種類2錠ずつ飲んでいた。
なのに便が固い。
大丈夫だろうか。


当日の朝に欠かせない作業は“全部出しておくこと”。
腸管洗浄剤(強力な下剤)を飲む。
粉末を2リットルの水に溶かして2時間以上かけてゆっくりと飲み干す。
「ムーベン」という。
便が無くなる、だからムーベン(無便)。


     


6時半からコップに注いで飲み始める。
レモン風味などと書いてあるが、そんな爽やかなものではない。
しょっぱい、かすかなレモンの匂い。


1時間半かけて1リットル飲む。
手持ちぶさたなのでネットで体験記を読む。
多くの人は1リットル飲んだあたりでトイレに急行している。
僕の下半身に何ら反応はない。


2時間経過、反応無し。
気分が悪くなってきた。
中にはムーベンが体に合わず吐く人もいるらしい。
注意書きは吐いたらしばらくしてまた飲み始めて下さいとある。
けっこうスパルタ式なのだ。


2時間半経過、9時近くになる。
残り500mlくらい。
吐けと言われればいつでも吐ける。
喉に指をいれたら胃の中のムーベンは全て出るだろう。
吐き気との戦い。
上から戻しては意味ないのだ。


ムーベンは一人で飲まないで下さい、と注意書きがある。
もしもの時に介護出来るように、とのこと。
気分が悪い。
たまたま強烈な便秘になっていてムーベンが効かないのではないか。
今日の大腸カメラは出来ないのではないか。
午後からの検査、出ませんでした、と言ったら浣腸されるのだろうか。
2リットル飲み干してしまうが、下半身の反応はない。


しかし10時前、来たああああああああああああ!



それから5回か6回、トイレにかけこむ。
全部出ました。
ムーベン、凄いです。


心配も消え気分も回復。
折しも、amazonに注文した『iLife'09 ファミリーパック』が到着。
さっそくインストールして『iMovie '09』で編集を試す。
あっというまに昼になる。


自転車は避けてください、とのことなのでタクシーを呼んで西宮病院へ行く。
内視鏡センターの待合でしばらく待って名前を呼ばれる。


看護婦さんの指示で着替える。
上半身は合わせの検査着、下半身は紙製(?)のデカパン。
お尻の部分が空いているパンツです。


呼ばれてベッドに横になる。
医師は男性、おそらく40代。
腸の動きを抑える注射を上腕部に打たれる。
筋肉注射なのだろう、かなり痛い。


じゃあ、入れますよ、とあっという間に肛門挿入。
あれ? と言う感じでするっと入ってしまう。
目の前にモニターがあってアニメーションでカメラの進路と現在位置が示される。
僕の大腸のアニメだ。
S字結腸のカーブでチクリと痛む。
その先はするするする、と入って行く。
数十秒で盲腸周辺まで達する。
大腸は80センチでした、と医師。
ここからゆっくりと抜きながら見ていきます。
モニターを見せてくれる。
腸内はピンク色できれい。
盲腸周辺に赤く腫れたところがある。
これですね、炎症起こしてますね。
最近、どこか外国へ行きました?
あ、2年前に行ったっきりです。
どこへ?
フィンランドとイギリスです。
無反応。
検査するので組織とりますよ。
モニターを見ていると銀色のくちばしのようなものが腸の腫れた部分に向かって進む。
SF映画を見ているようだ。
突き刺して組織を採取する。
痛み?
体感は、あるのか、ないのか、よくわからない。
赤くなった部分は盲腸周辺に散見されたので何度か採取を繰り返す。
かなり出血して腸内が凄いことになっている。
大丈夫なんですか?
すぐに止まります。
そうですか。
カメラは後退していく。
大腸は概ね良好。
研修医だろうか、若い女性医師に説明つきで検査していく。
ここんとこ形状が複雑だから難しいんだよ、なんて。
直腸はどうだろう?
一箇所、同じような赤斑がある。
肛門の裏側も見てみましょう。
凄いところを見られてしまう。
ここは問題なし。
じゃあ、抜きますよ。
検査終了。


診断結果は大腸炎
原因は組織を調べないと分からないとのこと。
ウイルス性か、寄生虫みたいなものか、ストレス性(免疫低下)か…。
潰瘍性大腸炎は難病指定だったはず。
クローン病というのもある。
2週間ほど結果を待たないとわからない。
出血の原因はこの炎症だろうというが見落としはないだろうか?


大変失礼なことをお聞きしますが…と医師に小声で問われる。
ホモセクシャルのご経験はございませんか?
いいえ、その経験はありません、と正直に答える。
その行為でウイルスや病原体が入り込むケースが多いらしい。


海外で大腸炎のアメーバみたいなものが水や食べ物で入り込むこともあるらしい。
主に南、東南アジア方面らしい。
最近は行ってないけど十年以上前、ボルネオでラフティングをした際に川の水をイヤと言うほど飲んだ。
即座に下痢になったが、あの時に病原体が入りこんだか?
それにしても潜伏期間が長すぎるか。


腸炎
最悪の事態は逃れ安堵する。


     



実はここからが大変だった。
検査のために腸内にガスを入れる。
どうしても残るので腹が張って苦しい。
医師は、オナラが出たら戻りますよ、と言う。
2時間もすれば直るらしいが歩くのも不自然になるほど突っ張る感じ。


タクシーで帰宅。
車内でオナラが出そうになるが…我慢してしまう。
自宅のソファで寝転んでいたら出た。
5発ほど。
楽になった。


夕方から紹介状を書いてくれた近所のクリニックへ経過報告。


生検で組織をとって出血。
まだ水便だが赤い血が混じる。
今日は刺激物とアルコールは禁止。
ヒロににゅうめんを作ってもらう。


amazonの中古で買った『大草原の少女みゆきちゃん』が届く。
DVDは高いのでVHSのレンタル落ちの品。
1986年の北海道放送制作、数々のドキュメンタリーの賞に輝く。
主人公のみゆきちゃんのお父さんが『羆撃ち』の著者なのだ。
最初だけ見る。
標津町の原野にある一軒家。
小学校に入ったばかりのみゆきちゃんは歩いて通学する。
往復8キロ、しかも道なき道、北海道の原野が通学路なのだ。
熊よけの鈴をつけて歩く。


大草原の少女みゆきちゃん [DVD]

大草原の少女みゆきちゃん [DVD]



eMusicでジャズのアルバムをダウンロードする。
フランスのピアノトリオ Dominic Alldis Trio。
タイトルは『Songs we heard 』、いつか聴いた歌。
素敵なジャケットに思わずジャケ買い
リリカルなヨーロッパのジャズ、悪くない。

     


Songs We Heard

Songs We Heard


…検査日なのに夜遅くまでiMovieで編集作業。
いや、仕事じゃないんですが…。