09/12/19 スナック『紅とんぼ』

晴れ、冬将軍は日本列島滞在中。
ラジオのFM放送からどこかで聞いた唄が流れてきた。
♪みどおーすじー、みどおーすじー 切ないリフレイン。
そう、いつかセルジオにサンプル盤を聴かせてもらった『御堂筋』という曲。
AZUMIというブルースシンガーが歌っている。
ラジオで流れてくると同じ曲でもどこか違って聞こえる。
どうしてかは分からない。
音楽にとってラジオは神器なのだと思う。
マジックアワー。
太陽が斜めから当たるとたいていの風景が見違えて美しく見える瞬間がある。
ラジオには同種のマジックがあると思う。


ラジオの話は続く。
月曜のつのだひろの番組でちあきなおみの(ひらがなばっかりでスイマセン)
ちあきなおみの『紅とんぼ』という曲が流れた。
聞き終わるとつのだひろが「いやあ、日本酒が飲みたくなりますねえ」と言った。
あれ? つのだひろは飲まない人じゃなかった?


飲まない人に呑みたいと思わせる唄。
店の名前は「紅とんぼ」、ママはちあきなおみ
こんな曲です。
  http://www.youtube.com/watch?v=G5qd7WE6KVc
  

和服の夜もあります。
  http://www.youtube.com/watch?v=2RU5nInJ5GE
  


美人ママが一人でやっている場末の居酒屋あるいはスナック。
あこがれるなあ。
そこはカウンターだけの小さな店。
低い音量で有線の演歌が流れている。
飲むのは角瓶か髭のウイスキーの水割りだ。
一人でふらりと行ってみたい、と思うが正直言えば苦手です。
いいなあ、と思うのですが僕は行けない。
いいかげんオッサンなのでそれも似つかわしいはずなのにね。
50にもなるのにオッサンになりきれない。
ゆえに『紅とんぼ』の世界にちょっぴり憧れる。
釧路休坂の宿主が紹介してくれた美人ママのいる店にもなぜか一人では入れなかった。
忸怩たる思いもないではない。


藤圭子や八代亜記のお店もあります。
どうですか?
(ちょっとノイズがのってますが…)
  http://www.youtube.com/watch?v=p38r1Qk51Hk
  
  



浪花にはこんなママもおりまっせ。
  http://www.youtube.com/watch?v=5arjb7wDreY
  


和歌山出身の鉄火肌のママのいる『紅とんぼ』。
  http://www.youtube.com/watch?v=eurlVSaZc-I
  
  

あなたはどのママの店に行きますか?
坂本冬美のママは敬遠したい。
意外と天童よしみママが落ち着けたりする。
憧れるのは藤圭子の店かな。
翳りがあって店に入りにくいかも。
実はファンキーな娘がいたりする。


でも、こうして聞き比べると真の表現力とは何かがわかる気がします。
小手先の巧さは通用しない。
ちあきなおみは圧倒的です。
特に和服の歌唱は涙もの。
味わいがあるのは藤圭子かな。
天童よしみ坂本冬美にも心が感じられない。
上手いのは上手いけど。


…午後、今日もジャズを聴きに行く。
昨日と同じ兵庫県芸術文化センター小ホールで『与世山澄子辛島文雄デュオ』
前から2列目の席、スタインウェイのピアノが目の前にある。
客は7分の入りだろうか、年配の方が多い。


ヴォーカルは与世山澄子(よせやますみこ)、ピアノは辛島文雄
どちらもレコードやCDのジャケットを見たことがある、という程度にしか知らない。
チラシに曲目が記してあり、馴染みのスタンダードばかりなので聞いてみようと思った。
『明るい表通りで』『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』『ミスティー』
『オール・オブ・ミー』『夜も昼も』『ムーンリバー』…。


与世山澄子、69歳。
八重山諸島小浜島出身。
沖縄のビリー・ホリデイ
16歳でデビュー、米軍基地でならした伝説のシンガー。
ステージに登場する。
那覇の市場にいるオキナワのおばあ。
今日は白いドレスでおめかししてますという感じ。
あるいは大阪の下町にあるお好み焼き屋のおばちゃん。
歌は黒っぽい本物のジャズ。


辛島文雄、61歳。
大分出身、九州大学卒業。
渋い実力派のピアニスト。


ソロを何曲か弾く。
客席からけっこうな音量のイビキや寝息が聞こえる。
一人ではない、数人いる。
いつも思うのだがこの小ホールでのコンサートは年配の人が多くて、
おっちゃんやおばちゃんは多分ジャズファンではない。
(もちろんコアなファンもいるでしょう)
かなり無理して聞いているような…。
決して安くはないチケットなのにね。


…コンサート終わり、JR西ノ宮駅前の『ココイチ』で夕食。
すぽるたすの編集チェックに局へ向かう。
JR京都線で人身事故、新快速は運転を見合わせている模様。
普通に乗るが大阪駅手前で動かなくなる。
いつものことだと読書。
船戸与一金門島流離譚』を読みふける。
表題作を読み終えてこの本が2本立てだったことに気づく。
330頁の表題作に150頁くらいの中編が続いている。
そうでしたか。