ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

09/12/23 映画『千年の祈り』

映画『千年の祈り』@梅田ガーデンシネマ
原題は a thousand years of good prayers です。
朝10時40分のモーニングショー、今日は水曜日で料金1000円、嬉しい。
祝日とあって客は7割の入り。
映画の公式ホームページはこちら。
http://sennen-inori.eiga.com/

     


先月の始めに『プール』を見た時にこの映画の予告編を見た。
中国人の父と娘の話。
北京に住む老いた父がアメリカで暮らす娘(おそらく30代から40代)を訪ねる。
画面がいい雰囲気で娘役の女優がきれいだなと思った。
じゃあ見てみよう、となった次第。

    予告編はこちら。(英語版
    http://www.youtube.com/watch?v=OV-9wdg9PDw
    


いい映画でした。
好きな作品です。
上質の静かで小さな感動。
決してハッピーエンディングではないけれど人生ってそういうものです。
やっかいな問題も、ちょっとした軋轢も、すっきりとは解決なんてしない。
いろんなものを未解決のまま背負い込んで、それでも前を向いて生きていくのです。
内田樹さんの言葉を思い出した。
『人生はミスマッチである。私たちは学校の選択を間違え、就職先を間違え、
     配偶者の選択を間違う。それでもけっこう幸福に生きることができる』



登場人物が極端に少ない。
父娘、イラン人マダム、ロシア人教師、集合住宅の管理人、同じアパートに住む若い女の子、
映画の大部分は中国人の父と娘の会話で進行する。
実際には会話さえも途切れがちだ。


北京から老いた父が空港に着く。
娘が迎えに立つ。
トヨタの最新の車に乗り、図書館に勤め、閑静な住宅街の集合住宅に住む。
治安のいい北西部の中都市、作家がひっそりと住んでそうな街のたたずまい。
映し出されるそんな風景が昔訪れたアメリカの小都市を思い出させる。
なつかしい、なんて思うほど馴染みのある風景であるはずはないのに。
生まれて初めて異国を訪れた老人の描写が自分に似ているのかもしれない。
昼間、手持ちぶさたで近所の公園を散歩したりスーパーで買い物したり、
イラン人の老婦人とベンチで片言の英語で話をしたり…。


久々に出会った父娘はかみ合わない。
「中国語は苦手なの。英語なら違う自分になれる。」
父は娘に一汁三菜の食事を作る。
食が進まない娘。
軋轢が生まれ、やがて合うことのなかった十数年を告白する。
不倫、離婚、文化大革命…。
老父が静かに告白するシーンが心にしみる。


娘役の女優が美しい。
スクリーンに見とれてしまうなんて何十年ぶりだろう。
中谷美紀みたいなタイプか、いや和久井映見にも似ている。
この角度だと風吹ジュンぽいな、とか。
日本語が普通に話せそうに見えるのだが…。
フェイ・ユーという女優さんです。
こんな美しい娘が異国で不幸せだったら父親はたまらないだろうなと思う。
(父親に感情移入する年齢になったか?)
もちろん父親役の俳優ヘンリー・オーも素晴らしい。


    


監督はウェイン・ワン
WEBで調べると小津安二郎の影響を受けた、とある。
なるほど。
代表作は有名な『スモーク』、ニューヨークの下町ブルックリンの話。
見ていない。
DVDでいつか見よう。
ヒロは退屈な映画だったよと言うが。


原作は新潮クレストブックにある。
短編集らしい。
図書館で借りてこの作品だけでも読んでみよう。

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)



…映画を見終えるとちょうど正午。
スカイビルの下ではドイツフェスティバルと巨大なツリー。
祝日だからだろう家族連れ、カップル、凄い人出だ。
福島の食堂で昼ご飯を食べて編集スタジオ入り。
20時過ぎまでダラダラと作業を見守る。


百田尚樹『聖夜の贈り物』を読み始める。
奇しくもクリスマス、たまたまですが。


…22時前に帰宅。
テニスのエナンが現役復帰を発表したとヒロが言う。
若いころから世界のトップで活躍する選手はモチベーション低下は避けられない。
こうして充電して復帰するパターンはこれから普通になってくるのかも。
エナンの若さなら再びグランドスラム制覇もあり得るかも。
体育会系の女子選手。


キース・ジャレットのソロCDをiTune Storeで購入。
冬枯れの景色を見ながらの散歩や静かな読書のBGMにいいかも。

The Melody At Night, With You

The Melody At Night, With You


休坂宿主ブログで紹介されていた「シェナンドー」のソロ。


…夜、iMacのハードディスクを減量する。
ふと気がつくと200以上あったYou-Tube動画のフォルダが消えている。
しまったあ!


でも、大丈夫でした。
タイムマシーンというバックアップシステムが作動。
すぐに2時間前の状態を復元してくれる。
You-Tube動画のフォルダを現在のディスクにコピー、事なきを得た。
動画は282項目あった。
凄いなあタイムマシーン。
人生にもこんなバックアップ機能があったら嬉しい。