ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

10/6/23 世界標準と読売新聞

朝からアスファルトを叩く雨音がする。
ワールドカップはいつも日本の雨季の開催なんですね。
梅雨は花の季節、クチナシアガパンサス、もちろんアジサイ
クチナシの花といえば…渡哲也を思い出してしまうのはちょっと哀しい。
せめてビリー・ホリデー、彼女は髪飾りにこの純白の花をつけていた。


  



…読売新聞 朝刊のスポーツ欄。
スペイン ホンジェラス戦の記事が載る。
昨日、オシムがつぶやきでスペインに厳しいコメントをしていた。
自分勝手な個人プレーで本来のスペインサッカーが影を潜めていた。
オシムは失望し、何度も“残念だ”を繰り返していた。
ところが、読売スポーツ欄はこんな見出しだった。
『スペインやっと全開』『華麗パス回し自在』『“美しい攻め”戻った』
記事を読んでもオシムと全く違う見方。


僕は試合を通して見ていないので判断は出来ない。
世界標準と読売新聞は違う、とだけしか言えない。


  



ヒロはもともとサッカーには詳しくない。
以前はどこが面白いのかわからない、と言っていた。
でも、甥っ子の試合を見たり今回のW杯を見ているうちに目が肥えてきた。
本来のスペインサッカーについて僕が解説すると、
モーツァルトの音楽みたいな感じなんやね、と言う。
安定したリズムを刻みながら自由奔放にゴールを奪う、というイメージ。
ドイツや北欧は組織力とコンビネーション、と解説すると、
バッハみたいなんや、と言う。
ちょっと感心してしまう。
多くの試合を見るということはファンのリテラシーを育むのですね。


…筆者(執行委員氏)が泣いた。
今日付の『今日のオシムと世界標準』、これは必読です。
http://soccer.skyperfectv.co.jp/worldcup/column/vol13.html
敗者を美しく描いた韓国ナイジェリア戦の国際映像を絶賛。


  「美しき敗者」を観たい。
   敗者をより美しく表現するディレクティングに会いたい。
  
   敗者に対する価値観、この「世界標準」はむずかしい。
  
   ディレクターの民族性、その国の文化が色濃く反映する。
  
   敗者への共感は日本人の方が強いようだ。
  
   欧米から送られて来る映像の中に、かつて「美しき敗者」は殆ど見られなかった。
  
   ワールドカップでも、前回大会から、少しずつ見られるようになったに過ぎない。
  
   これから決勝まで、ディレクターの価値観の違いを楽しんでみたい。


終了のホイッスル直前の中継映像をコラムは生き生きと描写する。
いや、活写する、というのはこのことを言うのだ。
良き中継映像にコラムの文章も触発され、良きリズムを刻んでいる。
明暗がくっきりと別れた結末が予想される場合、
ハイビジョンならば出来るだけ一枚の画に収めたいと僕も思う。
広いピッチに両手を突き上げる選手と崩れ落ちる選手、
歓喜と絶望が一枚の絵となる、これは得難い瞬間だ。
オリンピックや世界陸上、あるいはMLBでもクローズアップよりワイドショットがキーだ。
作為的で平凡でマニュアル的なカットバックより数倍意味がある。
以下引用。


  両チームの対照的な選手たちがカットバックされる。
  泣いている韓国選手たち、ナイジェリア選手も嗚咽をこらえている。
  
  そしてディレクターはテイクした。
  ひざまずき肩を抱き合い神に祈る韓国選手の輪と、
  
  その横で両手をつき動くことができないナイジェリア選手が
  1枚のフレームにしっかり収まる。
  ベストショットが世界に配信された。


  美しき勝者と美しき敗者は共にあるのだ。



連載しながらヒートアップしていくコラム。
7月の決勝戦まで毎日読めると思うと幸せな気分になる。



…今日は夕方から編集スタジオ詰め。
17時〜20時で今日できることをやる。
福島の高架下『かく庄』で特焼きそばを食べる。
独特の太麺と濃いソース、麒麟麦酒の瓶を飲む。
炎上ではないがこのところ毎日ビール1本程度の飲酒が続いている。
年間勝敗数が82勝87敗、いつのまにか借金5となった。


帰り道、JR西ノ宮駅で自宅にメールした。
iPhoneをデイパックに仕舞う。
何やらごちゃごちゃうるさいぞ。
駅のアナウンス「危険ですから白線の内側までお下がり下さい」
デイパックからカワイイ声で「きけんですからはくせんの…」と聞こえてくる。
キッズアプリの『スマックトーク』が勝手に起動したらしい。
ロックし忘れてタッチパネルを触ってしまったらしい。


…帰宅してイングランドvsスロベニア観戦。
阿波踊りも見たいけど、イングランドサッカーも好きなので予選で消えて欲しくない。
98年のフランス大会でイングランドvsアルゼンチンを見て感動した。
ベッカムを欠き10人になったイングランドオーウェンという飛び道具一つで果敢に闘った。
延長、そしてPK戦で負けたが熱い名勝負だった。
スロベニア、小国が大国に同じ条件で戦えるのがワールドカップ。
無条件で応援したくなる。


結果はイングランドが1-0で勝利、決勝トーナメント進出を決めた。
もう一つの試合でアメリカがロスタイムにゴールしたため、スロベニアは予選敗退。
結果を知らされてたのだろう。
呆然とするスロベニアイレブンの表情がすべてを語っていた。
後半、スロベニアは何度も叫びたくなるような激しい連続攻撃を仕掛けていた。
守りきったイングランド守備陣もあっぱれでした。
センターバックのテリーが自らの身体を投げ出してブロックに飛ぶ。
不倫や監督批判やいろいろあってもテリー兄貴、やるときゃやりますね。
ヒロがスロー再生を見て純粋に感動していた。
  


アメリカの決勝ゴールはまたもドノヴァン。
(ドノヴァン! 懐かしい名前)
アメリカ代表のこの選手を見るとポール・サイモンを思い出す。
顔は似てるわけじゃないけど雰囲気が連想させるんです。