梅雨も明けて本格的な夏、新潟では集中豪雨の被害が出ている。
東京への行き帰り、妙に眠いのは身体が夏に疲れてしまっているからでしょうか。
飛行機に乗っても、リムジンバスに乗っても(満員で補助席に座る)眠ってしまう。
人間の肉体として耐用期限が切れてしまったのか?(泣)
単なるバイオリズムの低下か?
画像はその山岳王ヴィランクのゴールと「茄子 アンダルシアの夏」の一場面。
…ツール・ド・フランスは第10ステージ、いよいよ山岳コースに突入。
「緑のマラソン」と呼ばれる一日に今ツール最長の240キロ近くを走り、
さらに山岳1級と呼ばれる強烈な峠を9つも越えなければならない。
最高地点は1500メートル以上だ。
そして、レースは勇者による感動的な展開となった。
最初の40キロは平坦、選手の誰もがここは体力を温存して様子を見ようと言う区間、
実際、平地のコースではそれほどタイム差はつかないのが常だ。
しかし、25キロでフランスのベテラン、リシャール・ヴィランクという選手がスパートをかけた。
「こんな自殺行為みたいなアタックを成功させるなんて…。」
かつてのライバル、ジャラベールもあきれるほどの、とんでもない快挙だった。
ヴィランクという選手は山岳コースが大の得意、
これまで山岳王に与えられるジャージ
マイヨ・ア・ポワ・ルージュ(赤い水玉模様のジャージ)を通算6回、
去年も獲得している名選手だが、すでに35歳、これが最後のツールと言われている。
とにかく、覚悟を決めてのおそるべきスパートだったらしい。
一時は集団に10分以上の差をつける。
平坦なコースから山岳地帯に入って、パートナーの選手(メルクス)が力尽きると
ヴィランクは勇気を持って独走を決める。(一人で走るのは不利なのだが)
華麗なダンシングで通人なら見ただけで怯むような急坂を30キロ近いスピードで登り、
ダウンヒルを駆け下りる連続、後続に何と6分以上の差をつけてゴールした。
一昨日、亡くなったかつてのチームメイトと6月に亡くなった大好きだったおばあちゃんに
捧げるレースと決めていたらしく、ゴール後は号泣し周囲を驚かせた。
ほとんどをいわゆる立ち漕ぎ(ダンシング)で登るヴィランクの山岳スタイル、
しかしゴール直前にサドルに座り直し、天に向け両手の人差し指を突き上げた。
ひとつは亡きチームメートに、一つはおばあちゃんに。
フランス人らしいなあ。
レース後のインタビューでは「うん。これで僕は、きっと静かに旅立てるよ」 と語ったらしい。
去年の夏だったか、ジブリの映画で「茄子 アンダルシアの夏」という短編があって、
集団から前に出た選手がどんなふうにレースを作っていくかが面白く描かれている。
そんなアニメを見ていたこともあってヴィランクの気分も想像できる。
でも、舞台は世界最高のツールだし、凄まじいアップダウンの山岳コースだし、
実際にはもっと感動的だったろう。
ランスは着実に上位をキープし6連覇ペース、いつ勝負に出るのか?
そんなレースを実際に見ることが出来ないのが悔しい。
インターネットのニュースだけが情報源なのだ。
見てきたように書いているが…とほほ。(泣)