ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

10/9/4 元パリーグ審判との語らい@高槻

夜は珍しく高槻で食事会。
パリーグ審判部長だった永見武司さんと女性プロ審判の高佐康予さんとお会いする。
現在お二人は4月に発足した女子プロ野球リーグで審判をされている。
今日は姫路で試合があり7回8回で13点も入ったらしい。
最高気温37度の炎天下、交替の無い審判は本当に重労働だと思う。


阪急高槻市駅の近く『築漸(ちくざん)』という和食のお店。
ここもA部氏に紹介してもらい予約までお願いした。
最近、僕はA部氏をコンシェルジェのように使っている。
気を悪くしていないだろうか心配だ。


  意外にデカイ高槻の街。
  


審判のお二人に番組のディレクターをしたA木、A部さん、僕の5人。
エビス生ビールで乾杯!


永見さんは下関出身の57歳、パリーグで1976年から2008年まで審判を務められた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/永見武司
審判部長を経て55歳でパリーグ審判部を退職、現在女子プロ野球の審判を指導している。
プロで通算2500試合以上のキャリアは凄い。
でも、実際にお話しすると威圧感はなく穏やかな語り口の感じのいい方です。


高佐さんは愛知県豊橋出身の33歳。
実際に会うとテレビで見るより若くてきれいな人でした。
単身渡米してアメリカの審判学校で学び、独立BCリーグでプロ審判を始めた。
交通費、宿泊費もすべて自前(今もそうらしい)で頑張っている。
誰も歩いたことのない道をたった一人で切り拓いていく。
本当に勇気ある人とはこういう人だと思う。
マジで尊敬します。


最高に楽しかった。
もともと好奇心から参加させてもらった。
聞きたいことが山のようにありお二人を質問攻めにする。
どの答えも新鮮でプロ野球もこんな見方があるのかと目からウロコの落ちる思い。
パリーグ時代の体験談、武勇伝は当然ここに書けないこともある。
これが面白い。
お金を払ってでももう一度聞きたいとさえ思う。
ネタが多過ぎて聞く方も覚えきれない。
食事中にメモをとるのも無粋なのだがメモをとっておけばよかったと後悔する。
もう記憶力には自信が無いのだ。


頭の中に残っているわずかな記憶の糸をたぐってメモ書きする。(順不同)


 ・ロッテの荘勝男は恐ろしく揺れるナックルを持っていたが、
        キャッチャーが全く捕れないので試合本番では封印していた。


 ・永見審判がもっとも凄い投手だと思ったのは西武の郭泰源
         速球の威力は凄まじく高速スライダーのキレも脅威だった。
              加えてコントロールが素晴らしく良かったらしい。


 ・70年代〜90年代、当時はセリーグ、なかでも巨人球団の力は絶大だった。
         巨人に睨まれたら日本シリーズの審判はさせてもらえなかった。


 ・あの阪急ヤクルトの日本シリーズ、上さんが何故あそこまで抗議したか…!?


 ・ライト線審、南海の門田はポールを巻くホームランが多かったので
                       立ち位置をポール真下にした。
  力のない打者の場合はかなり前に立つ。選手情報を知らないとポジショニング出来ない。


 ・1塁〜3塁ベースと違いホームベースのアウトセーフの判定は難しいらしい。
  唯一真っ平らなベースだから砂で隠れるし上から見ないとよくわからない。
  緊張を強いられる。


 ・西武のセカンド辻にはボールを持っていないグラブでタッチするなどよく騙された。


 ・審判のまま定年まで全うする人は意外に少ない。一握りの審判だけらしい。
  55歳までほとんどが誤審が多いなどの理由で辞めるか配置換え。


 ・メジャーは大きな誤審してもコミッショナー(機構)が強いので守ってくれる。
  球団や選手に、もうそれ以上言うな、とストップをかける。
  日本は球団の力が強く、おおきな誤審があると審判を処分するまで収まらない。


 ・かつて審判の給料はセリーグパリーグの倍ほどだった。
  パリーグ工藤会長の時に氏のひと声でセリーグと横並びになり、その時は嬉しかった。


 ・一方的展開の試合、勝っている監督から、広くとっていこう、と言われる。
  ストライクゾーンを広げて進行を早めようということ。
  でも、空気の読めない選手がいて判定にぶち切れる。
  どうにかしてくれ、と思わず監督の方を見るのだとか。


 ・ストライクゾーンをあえて広げる時は高低は無理なのでコースのみ。

  
 ・来年からパリーグの審判もセリーグの試合を裁く。逆もあり。(初耳!)
  若い審判はいいがベテランがセリーグの試合をやるのは嫌だろうな、とのこと。


 ・ゲッツーはタイミングで判定、多少ベースを離れるのが早くてもアウトにする。
       時々、若い審判が厳密にベースタッチを見てセーフにすることもある。
  まだ青いなあ、とゲーム後に言われるのだとか。


 ・川崎球場で観客40人だったか400人だったか(僕が失念)で試合をしたことがある。


 ・隠し球は審判は見破る。でも、投手のボークも同時に起きる可能性があるので
  両方を見なければいけない。見破った段階から異様に緊張するらしい。


 ・ロッテ時代の落合、キャンプのフリーバッティングでキャッチャーを座らせない。
  審判を背後に立たせる。恐かったけど、全球を真芯でとらえていくのに驚いた。

 
 ・同じく落合、今年はホームラン王狙うからね、今年は率、と審判に宣言する。


 ・球審カバーリングは結構大変、1塁2塁のカバーは当然。
  高校野球の審判の動きは疑問、ポジショニングが出来ていないので
                         遠いところから判定する。
  高野連の力が強いし、誰も抗議しないことが当然と考えている。


 ・高佐さんが一番好きなのはセカンド塁審。
     理由はダイアモンドの中で選手と一緒にいられるから、とのこと。


まだまだあるが書けないことも忘れてしまったこともある。


…8月の白頭園もそうだったが初めての人と会って、しかも話したいことが沢山ある、
という場合は飲み食いものはどーでもよくなってしまうものですね。
それでも、この日の『築漸(ちくざん)』という店は確かに美味しかった。
でも、美味しいものを味わうなら馴染みの人と、ですね。


帰途、深夜0時、また尼崎駅のホームが人で溢れている。
東西線内で人身事故がありダイヤが乱れているらしい。
今日も熱帯夜。


鳥取天皇杯代表決定戦の中継テープ(VHS)が届く。
米子北が鳥取SCに2-1で勝った試合。
タカ君の超ロングパスが決まった瞬間を見た。
実況アナが「庫谷(くらたに)、いい守備です」と言う。
ありがとうございます!という気持ちになる。
解説が「この選手の運動量は凄いですからね。後半になっても落ちません。」
バンザーイ!という気持ちになる。
身長170センチはちょっとゲタはかせてもらってます?