2004/9/20 入院22日目

(県立西宮病院1110)
入院22日目。
午前8:43 朝食を終える。今日は何だか身体が重い。肩こりのような症状、いや眠いのか。
こういうバイオリズムは健康であってもあるものだ。ちょっとだけ30分ほど寝るか。
今日も外は蒸し暑そう。今日は敬老に日というこれまでずーと15日でやってきた頭では何となくピンと来ないぞ。9月20日じゃ秋分の日と区別がつかないよ。
朝の血糖値は87。


…午前11:51 昼食前の血糖値は117。昼食、どうしても酢の物は食べられない。血糖値を下げると言われるが替わりに青汁でも赤汁でも飲むから勘弁して欲しい。身体が受けつけない。(お寿司は食べられるし酢豚も食べられるが)
午後は西宮北口ジュンク堂まで遠征しよう。1時頃から出て3時までに帰る。ちょっとゆっくりして4時過ぎから「ロッキー」を観る。夕食後はTSUTAYAへ行き、返却と再発行の手続き、その足で双葉温泉に行く。合間を見て日記に今後のことを書こう。


…午後4:43 昼食後、抜け出して阪急西宮北口ジュンク堂へ行く。久しぶりの大書店に胸がワクワクする。新刊を中心に小一時間程過ごす。糖尿病関係の本を2冊、概論的な本と患者の体験記、それと東直己「ライダー定食」という北海道小説の短編集、村上春樹アフターダーク」。
東直己の長編「熾火(おきび)」も欲しかったがいずれ図書館で借りられる本は買わずにおく。
「ライダー定食」は人気本ではないので図書館にないという理由、「アフターダーク」は図書館では順番待ちでなかなか読めないと言う理由で購入。
病室に帰ってベッドでパラパラと読む。「糖尿病を治すコツ」(井狩春男 著)はなかなか面白そうだ。患者の体験談、この人なりの視点で徹底的に糖尿病を研究している。僕も勉強して本を出そうかなと思っていたが先を越された。自分の病気はちゃんと勉強したいものだ。人任せにはしたくない。本によると蕎麦はやっぱり血糖を下げるのにイイらしい。でも、モノの本には食品では玉葱がいいとかバナナがいいとか牡蠣がいいとかいろいろ書いてある。こういうのはどれを信じていいのかはっきり言って迷う。「思いっきりテレビ」や「あるある大辞典」もそうだ。
こういうのはバランスよくほどほどに考えないと振り回される危険がある。自分なりにこつこつとやるしかないだろう。もう一冊「700万人の糖尿病〜日本人は糖尿病になりやすい〜」は糖尿病の概論とコントロール法、糖尿病医療の最前線について書かれている。これによると10年後には糖尿病のDNAがほぼ解明されるらしい。遺伝子レベルの話だ。もちろん、僕のように生活習慣病としての糖尿病ではなく先天的な膵臓機能の問題だが、これによって不治の病とされている糖尿病の完治も可能になると言う。それまで頑張って血糖値をコントロールしておけば完治の可能性もあるわけで希望を抱かせる話だ。
ジュンク堂にいると退院してももっともっと本を読もうと思う。面白そうな本が山ほどあって
僕らは生きてるうちにわずか数百冊数しか読めないと思うと悲しくなったりする。


…夕食前の血糖値が74とこれまでの最低値を記録する。夕食は魚の照焼き ほうれん草お浸し 朝食の残りの魚肉ソーセージと自前の韓国海苔。血糖値74はちょっと空腹感が強くふらっとする感じ、低くなるとどうなるか自分に覚え込ませておこう。
「ロッキー」を観る。この映画は1977年か78年か日本公開された年にロードショーで観た。 僕は学生で金沢の映画街(当時は香林坊の一角にあったのだ)で東映パラスか金沢プラザ劇場のいずれかで観た。学生寮の先輩がラストシーンで泣いたというので観に行ったのだ。あのテーマ音楽が耳に残り映画館を出てきたときは思わずシャドウをしたり闇雲に走りたくなったりした。
あのフィラデルフィアの薄汚い下町やロッキーの住むアパートの部屋も雰囲気があっていいなあと思った。友人の中にはカセットテープにあのテーマ曲をダビングして目覚まし代わりに使っていた奴もいた。今、こうして見直しても明解な顛末の映画だ。最近、こんな映画はあまりない。映画としてのカタルシスがないのだ。スカっと突き抜けるモノが。今見るといろいろ気づく点がある。恋人のエイドリアンの兄貴はポーリーと言う名前、バート・ヤングという渋い役者がやっていて(アイルランド出身のロック歌手、ヴァン・モリソンにそっくりだ)彼がアルバイトする精肉会社がロッキーのガウンにスポンサー広告を出す。その店の名前が「シャムロック精肉店」でアイルランドのシンボルであるクローバーの印がある。これでさりげなくポーリーが(あるいはバート・ヤングが)アイリッシュであるとわからせているのだろう。ちなみにロッキーはイタリアン。試合が近づくに連れロッキーの顔が精悍になっていく。かなりの減量をしているのだろう。ああ、あの頃ロッキーの着ている薄汚れた霜降りのスエットパーカーが欲しかった。でも、金沢にはどこにも売ってなかった 。チャンピオンかラッセルのスエットパーカーだった。
「ロッキー2」も金沢にいる時に観た。エイドリアンとの間に子供が出来、アポロと再戦、チャンピオンになってしまう話、もうこの時点でストーリーは陳腐になり僕はすでに興ざめしてしまった。やっぱり、チャック・ウェップナーの実話からヒントを得た「ロッキー」とは別物の映画になっていた。エイドリアンが病院のベッドで「win(勝って)」と言うとあのテーマ曲が流れ始めるのだ。それにも関わらず「ロッキー3」を観たのは僕自身の人生が何か淀んでいたような時期だったからだろう。「そうだ、ロッキーを観て勇気をもらおう」なんて思いで、神戸の朝日会館で観た。かつてのロッキーを思わせる野性味溢れる挑戦者が現れてロッキーが「Eye of the Tiger」(虎の眼)を取り戻すというもの。新しいテーマ音楽も(確かサバイバー)ヒットした。「ロッキー4」はロシアのサイボーグのような最強の挑戦者が登場する話、ドラゴという名前だったか。これはさすがに映画館へは行かず公開されてしばらく経ってからレンタルビデオで観たと記憶する。この頃からレンタルビデオなるものが普及したのだろう。


…そう言えば糖尿病の本にアントニオ猪木の「もう一つの闘い〜血糖値596からの糖尿病克服記〜」が紹介されていた。けっこう、無茶なことをして体力で克服する猪木さんの話だ。
596で倒れたらしい。711の僕は猪木に勝ったのか? それにしても考えるだに恐ろしい。