2004/9/22 入院24日目

(県立西宮病院1110)
入院24日目。
午前7:28 夢から目覚める。夢の中で僕は高校生で何年も落第しているオヤジだ。
クラスメイトは今風の荒れた高校生たち、修学旅行のシーンだ。
旅行先は関西、大阪城での集合時間に遅れ
バスに置いてきぼりを喰う、しかもバスの中のクラスメイトは大笑いして僕を見ていた。
とぼとぼと夕暮れの商店街を歩く。そこでふと気が付く。
「夕食の時間なのにインシュリンを打ってない!」
そのあたりで看護婦さんに起こされた。


…そろそろ退院してもいいでしょう。でも、昨日の夜の血糖値が196とショックな数字。
ここまで順調に正常範囲をキープしていたのにまた糖尿病患者の数字に戻る。
このあたりの一回きりの数字に意味があるのか?
あるいはこんな数字は決してあってはいけないのか?
昨日は一度も主治医が来なかった。ちょっと苛つく。


…昨夜、また借りてきたDVD「ER」最初のシリーズの2巻の2話を連続で観てしまう。
これだけ観れば「ER」のテーマ音楽を聴けば入院生活を思い出すだろう。


…朝の血糖値90と安定している。このところ1週間をとってみても三桁になったのは一日だけ。
しかも114だから正常範囲内だ。基本指標となるいわゆる空腹時血糖値はこのところ盤石だ。
問題は夜の血糖値が200あるいは200近くに上がること。


…午前9:31 スターバックスへ行く。今日からちょっと涼しくなった。でも、もう9月の終わりだ。これくらいでもちょっと暑いような気がする。湿気が多いのだ。ここはギリシャではないのはわかっているが。そう、ギリシャと言えば10月はベストシーズンと聞いた。村上春樹の「シドニー」にも「オリンピックの恒久開催ならアテネの10月だ。ギリシャの10月は素晴らしいから。気候は最高だし観光客は少なくなるし…」いうようなことが書いてある。ギリシャでも同様なことを聞いた。昨日、読み終わった「クレタ神々の山へ」で真保裕一クレタ島で山登りするのも10月だ。
天候も安定して暑くもなく寒くもない、しかも観光客も少なく宿泊代も割引だ。
10月にクレタ島へ遊びに行こう。


…退院後の食事、朝は家でちゃんとした食事を食べられる。ご飯に味噌汁、魚に野菜2品、加えて野菜ジュース。これは基本だ。問題は昼から。昼食と夕食の2食のうち、どちらかは定食的な食べ方をすることを決めておこう。昼が立ち食いうどんとかざる蕎麦、あるいは豚丼ミニとか
カレーライスご飯半分残しとか回転寿司4皿となったら、必ず野菜ジュースかトマトジュースを飲むこと。その場合、夜は野菜を意識したメニュー、和定食とか野菜炒めとライス小とかレバニラ炒めとライス小、出来ればYTVの近くに以前の「松井」の2階ような一膳飯屋があれば助かるのだが…。僕の知るところないのだよなあ。あっても良さそうなモノだけど。事実、「松井」の2階はよく流行っていたんだよな。ちょっと割高だったのにも関わらず。


…同室のサトウさんが眼科の検査に行って「緑内障の疑いがあるので詳しく調べましょう」と言われ怯えている。サトウさんも糖尿病とわかってから10年近く経つが薬を飲むだけで何のカロリーコントロールもしていなかったという。運動はしっかりしていたらしいが。それでも運動だけで血糖値のコントロールは効かないだろう。200〜300くらいの状態が長く続いていたのでは?
失明なんてことはないでしょうなあ」と僕に聞かれても返事のしようがないが…気持はわからないでもない。眼は一番、恐怖感がある。眼科の前で順番待ちをしているお年寄りに緊張感があるのはそのせいなのだ。ゆめゆめ、血糖値コントロールはおろそかにしてはいけない。必ずクレジットの請求書は送りつけられてくるのだから。サトウさん曰く「恐ろしい病気だって今やっと気づきました。タバコも退院するまでには絶対やめます。血糖値を測る機械も買います。」


セルジオからメールが来る。「退院してからいろいろすること」というタイトルだ。
そうだよなあ、「退院するまでにしたい5つのこと」くらいを書こうか。
「退院してからしたい10のこと」も書こう。


…血圧は100-69、今日は上が三桁になった。昨日は上が96だった。僕は高血圧だったのに。
5年ほど前は下が130なんてこともあったのだ。最近は上が110から120の間、入院してからは上が100に満たないときも多いのだ。医者は体質改善されて血がサラサラになってきているので下がっているんじゃないかということだがちょっと低すぎる。でも、朝の目覚めが悪いということもないので低血圧でもない。心臓が意外と強いのかもしれない。でも、高血糖だったらダメになるのも早いから。


…退院するまでにしたい5つのこと
1、「退院してからしたい10のこと」をリストアップする
2、「人生の100のリスト」の少なくとも10をリストアップする
3、入院生活の記録写真を撮影、アップする
4、お見舞いのお返しのリストを作る
5、食事計画のメモを書いて提出する


…午後6:21 今日は昼食後すぐに自宅へ。ここまでにたまった雑誌などを持って帰る。
眼鏡堂さんから本が届く。「ジェフリー・アーチャー 獄中記 〜地獄編〜」の文庫、「獄中記〜煉獄編〜」と「パーフェクトマイル」の単行本の3冊、残念ながら「パーフェクトマイル」は持っていてアテネで読んでいるのだ。すいません。
帰りに小雨がぱらつく。午後はまたヒロがプールから戻ってきて小一時間ほど話をする。
眼科へ行ったようだ。
飛蚊症ということで特には問題がなかったようだ。
瞳孔が開く目薬を射したのを「瞳がこんなに大きくなってる」と嬉しがる。
ちょっと眠って藤原伊織「蚊トンボ白髭の冒険」を読む。
「テロリストのパラソル」の藤原伊織っぽくない変な小説だ。


…昼前の血糖値76、夕前は88と低値安定。今日はここまで全て二桁。


…夕食前に坂田医師が来る。久々のお出まし。
で、金曜日に日に3回、食事2時間後に採血をして血糖値の上がり具合を診るという。
そして、週末には退院してもいいとOKが出た。通院は金曜日の午前中にしてもらう。
婦長さんに話しておこう。


…隣のサトウさんの眼は結局、白内障だった。
来年の春頃に手術するという。まあ、軽くてよかったですね。
でも、血糖値をコントロールしないと白内障から悪化する可能性もある。
それと血管エコーや心臓エコーの結果も芳しくないようだ。
年齢が70、糖尿病と診断されてから10年間、
薬だけで血糖値コントロールせずに一見では健康的な生活を送っていたサトウさん、
糖尿病を軽く見ていたのは否めない。
でも、これまでの担当の開業医が「糖尿病ですね」と診断して薬を処方するだけで
済ませていたのもいけないよなあ。
もっとシリアスな病気だと知らせて脅かせば合併症も進まなかった。
そのためには絶対に入院させないと本人は自覚出来ないと思う。
たぶん、僕も通院だったら自覚出来ただろうか? そういう意味でこれは怖い病気だ。


…サトウさんの娘さんかな、50年配の女性、彼女が来てサトウさんにこんなことを言っていた。
「今はお薬だけよね、注射なんて必要になったらおしまいよ。インシュリンの注射って一度打つと一生打たないといけないんだから。そんなことになったら大変よ」とひそひそ声で話す。
僕にはよく聞こえた。
「僕は毎日打ってるんですけど…おしまいですか?」
といきなりカーテンを開けて出て行こうかなと思った。
エイズや肝炎に比べたら大したことじゃないが、病人はこんな偏見や無知にも晒される。


イチローが今日、5安打。残り11試合で14安打、スリリングな展開だ。


…午後9:46 NHK「ためしてガッテン」で糖尿病の新情報についてやっていた。要点は運動は欠かせないということ、普段使わない筋肉を使うとクルット君という細胞の中の酵素アミノ酸かなんかが眠りから覚めて血糖値を下げるということ、それと目覚めてから早めに食べると一日の血糖値が低めに抑えられるということ。この中では朝の時間が問題。今まで食べていたいわゆる「お目覚」を食べた方がいいのかもしれない。
それは膵臓クンを文字通り目覚めさせるらしい。

…夜の血糖値、なんと200! まあ、昨日も196なので同じと言うこと。
朝のインシュリンの効力が失くなっているのか? 明日はちょっと夕食を少な目にしてみよう。ご飯を1/3残すとか。