ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2010/10/28 ドラフト大作戦2010

朝から雨、朝イチで内科クリニックへ行く。
9月末に採血した血液検査の結果は概ね良好とのことで一安心。
尿酸値だけがわずかに基準値を超えている。
脂っこい食事やビールの摂取が確実に増えている。
10月に入ってその傾向はさらに増しているのでちょっと不安。
いまのところは大丈夫、いまのところは放っておいてもいい、だけど…。
放っておかずに、ストップ!おいしい○○でしょう。

  


…衣類パッキングして宅急便で送る。
いつも持ち込んでいたヤマトの営業所があるべき場所から消えていた。
雨が降り出す。
あわてて関西スーパーへ逃げ込む。
そこに宅急便の受け付けカウンターがあった。


関西スーパーに自転車を置いたままミドリ電化へ行く。
我が家もいよいよ地デジ化大作戦なのである。
二人で暮らしていると決断が早いという利点がある。
どちらかが提案する。
こうしようと思うがどう?
ノー。
じゃあ、これは?
それならイエス。
テニスや卓球のラリーみたいにすぐに反応が返ってくる。
一人では決め手に欠き、ぐずぐずと悩むことが多い。
池澤夏樹の小説『真昼のプリニウス』にそんな記述があったのを思い出す。


池澤夏樹の初期の小説群が好きだった。
『スティル・ライフ』『真昼のプリニウス』『タマリンドの木』
短編集『マリコ/マリキータ』『骨は珊瑚、眼は真珠』
特に『タマリンドの木』と『マリコ/マリキータ』の表題作がいい。
死ぬまでにもう一度読んでみたいと思う。

真昼のプリニウス (中公文庫)

真昼のプリニウス (中公文庫)

タマリンドの木 (文春文庫)

タマリンドの木 (文春文庫)

マリコ マリキータ (文春文庫)

マリコ マリキータ (文春文庫)



テレビを買う話でした。
場所はミドリ電化
前もって決めていた機種はSONYブラビア、フルハイビジョンLED液晶。
値札は99800円だが、価格は要相談、とある。
値切ったら、古いテレビの処分費用こみで86000円になる。
これにエコポイントの商品券が15000円つく。
ヒロにメールすると、でかしたネコ、と賞めてもらう。



…今日はドラフト取材のサブデスク。
本社スタッフはわんさかといるので淡々と書記役に徹する。
関西でカメラを出したのは5カ所。
仏教大、PL学園履正社、天理大、大阪ガス
大野以外は1位指名はないだろう、と予想していたのだが、
履正社のT山田が1位指名で2球団競合、抽選で東京ヤクルトとなる。
現場記者から、両手にヤクルトを持たせました、と報告が入る。
会見映像を見て思い出した。
夏の甲子園が三十路さんが撮影した写真にT山田の写真があったぞ。
ホームランを打って3塁を回るところ。
また打っちゃった、と照れたように舌をだす茶目っ気ある表情。
あいつだったのか。


甲子園組では中京磯村が広島、先輩堂林と同じチームとなる。
東海大相模の一二三は阪神南陽工業の岩本も阪神、うーむ、大丈夫かな。
岩本には広島へ行って欲しかった。
仏教大の左腕大野は中日が単独指名。
記者会見場には指名前にすでにドアラがあったとか。 
パリーグシンパとしては斉藤が札幌、大石が西武へ行くのは嬉しい限り。

今回のドラフト、MVPはナベキューのリアクションでした。
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
劇画を見ているようだった。
この人、現役時代にマウンドでガッツポーズしてたかな?
ちなみに助演男優賞はオリックス岡田監督。
3度目にT山田を外した時のあちゃー顔。
笑うしかないでぇ。 
  



…高田郁『想い雲』読了。
紀伊国屋で同じ澪つくし料理帖シリーズ第4弾『今朝の春』と『こんなに面白かった百人一首』を購入。
新書で『ぼく、牧水』なる本が出ている。
いま若山牧水ブーム(?)なのだと帯にある。
牧水! 我があこがれの歌人です。


2007年3月の日記、南房総に小旅行へ行った時に牧水のことを書いた。
全く予想もしなかったのだが南房総にも牧水の足跡があった。


  若山牧水 数いる歌人の中でも秀でた才能を感じる人です。
  明治18年に宮崎県日向に生まれる。
  本名 若山繁、牧水と号をつけたのは18歳の時だと言う。


  白鳥は 哀しからずや 空の青
  海のあをにも 染まずただよふ


  最初は「はくちょうは」だったらしい。
  後に歌集におさめたときに「しらとりは」にして鴎を指すようになった。
  この歌を詠んだのは牧水が22歳の年だった。


  幾山河 越え去りゆかば 寂しさの
  終てなん(はてなん)国ぞ 今日も旅ゆく


  有名なこの歌、早稲田大学に入った牧水は日本を歩いて旅ながら帰郷した。
  その途上にて山深い中国山地の峠で詠んだものだとある。
  このとき、牧水18歳。


  後に結婚した夫人の喜志子が旅に出てばかりで
  家庭を顧みないの牧水のことを嘆くでもなくこんな歌を詠んだ。


  汝が夫は(ながつまは)家にはおくな 旅にあらば
  命光ると 人の言えども


  そう、男にはエスケープが必要なのです。
  僕らのそれは多分に小市民的ではありますが。
  でも、詠んだ歌からこの女性の聡明さ、強さ、そして健気さが伝わる。
  僕なんかはあまりに不憫に思われるがどうだろう。


  山を見よ 山に日は照る 海を見よ
  海に日は照る いざ唇(くち)を君


  この歌こそは初恋の人と過ごした南房総で詠んだ歌。
  その人は結婚歴のある女性(人妻)、牧水は燃えるような恋に落ちた。
  数ヶ月、牧水はこの人と暮らし、恋の歌を詠みまくったと言う。
  牧水 24歳の夏。
  そして、僕ら酒飲みは必ず暗誦出来るという有名なこの歌。


  白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の
  酒はしづかに 飲むべかりけり


  枯れた老人にようなこの名歌、
  驚くべきことは、この歌を詠んだとき牧水は25歳の若者だった。
  南房総の恋は成就せずに終わった。
  あの情熱の歌から1年後、一変してこの侘び様はどうだろう。
  酒の歌はまだある。


  それほどに うまきかと人のとひたらば
  なんと答へむ この酒の味


  そして、晩年には哀切にあふれたこんな歌を詠む。


  酒ほしさ まぎらはすとて 庭に出でつ
  庭草を抜く この庭草を


  この歌を詠んだ数ヶ月後、牧水は43年の生涯を閉じた。 


写真は南房総野島崎燈台と3月の海。