ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

再録 2006/10/30

昨夜、石巻の民宿 FUTABA INN のことを書いた。
懐かしくて当時の日記を読み返したら、やっぱりいい宿だったことを思い出す。
この日の最後にも書いているが、
「居心地のいい居酒屋が一つあって、居心地がいい宿が一つあるだけで、街の印象が違ってくる」


『ふたたび宮城路、石巻の夜』 2006.10.30


   


       註:当時は身体障害者野球世界大会の取材中でした。
       宮城県から日本代表に選抜された佐々木さんの激励会を撮影に行きました。
  

(松島海岸「ガスト」にて)
伊丹空港を早朝便で仙台へ出発する。
機内でふと考えてしまう。
疲れているのに、また、どうしてデジ取材か?
編集や取材の準備もしなきゃいけない。
生活のペースも乱れ始めている。
この2日はそのために割くべきではないのか。


でも、こういう撮影取材って勢いと勘だと思う。
もしかしたらスパイスの効いたシーンになるかもしれない。
あとで後悔するかもしれないって思ってしまう。
まだ、スケジュールはぎりぎりOK?
ならダメもとでいいから、自腹覚悟でいいから、
身体が元気なら行っておこう。
という心境なのです。
佐々木さんが孫と遊ぶシーンが撮れるかもしれない。
孫のいる日本代表というのも素敵だ。


機内から北アルプスが真下に見える。
穂高はまだ雪が見えないが立山、白馬あたりは雪化粧。
青空の下、尾根歩きは愉しいだろうな。
今年、北アルプスには行かなかった。
12月に麓の温泉にでも行きたい。


仙台空港からレンタカー移動、
一般道で北上、仙台港、塩釜を経て松島海岸。
サボっている日記をゆっくり書ける場所を探す。
湾に小島が点在する「松島」的な風景が車窓に見えてくる。
海沿いに「ガスト」を見つける。



奥松島というところがある。
名前の通り、松島の奥にある半島で風光明媚なところ。
仙台市民の海水浴場になっている感じだろうか?
そこの大高森という小高い山に登る。


石巻 FUTABA INN にて)
町役場に横断幕は無かった。おそらく、激励会の会場に行ってるのだろう。
佐々木さん宅で「じいちゃんと孫」のシーンを撮影する。
1歳7ヶ月の「まい」ちゃんは何が起こっているか理解していない。
先日、切断した左手に装着するグローブが届いた。
腕をすっぽりと覆うグラブで挟むことは出来ない。
受けてすぐに右手でフォローして使うらしい。
本番には使えないようだが、こういった道具の進歩も障害者スポーツには欠かせない。


夕方より湧谷町主催の激励会。
結婚式の披露宴会場のような立席スタイルで始まる。
「おばんです」と町のお歴々が挨拶する。
出席者は60人ほどだろうか。
同級生も当然50歳を越えているし、若さのない会場の雰囲気。
まあ、自分たちを見ているのと同じわけなのだけど。
出征兵士を送る会のような…。


…今夜の宿は石巻涌谷町から車で30分ほど走る。
石巻は思ったより都会だった。ユニクロTSUTAYAもある。
中心部は路地が多い古い港町。
石の森章太郎の絵画館がある。石の森先生はこの街の生まれらしい。


宿はFUTABA INNというBed&Breakfast、洋風民宿です。
こぢんまりとしたコテージ風の建物、
エントランスにウッドデッキがあって感じがいい。
アメリカの小さな町にありそうな宿だ。


中も清潔で感じがいい。
ネットのFree Spot、無線LANが使える。
部屋は…これもいい。
天井が高く、開閉式の天窓がある。
液晶テレビ、レギュラー珈琲のセット、バスも大きい。
こんな宿が石巻にあるなんて、ちょっと驚きです。
当たりです。


熱い風呂で疲れをとって遅めの夕食。
残念ながら月曜は寿司屋が休みらしい。
宿の主人のお奨めの店に行くことにする。


居酒屋「とりよし」も当たりだった。
名前からして焼き鳥の店のようだが、そうではない。
三陸の魚を美味しく食べさせてくれる店、
カウンターの8席ほどの小さな店で30代か40代前半の夫婦がやっている。


先客は一人だけ、ほどなく帰り僕一人となる。
お通しは馬刺の味噌漬け、いいですね。
秋刀魚の刺身を注文して地酒の「日高見 純米」を飲む。
これが当たり、辛口で米の味が濃い。


店の主人夫婦と話が弾む。
40代かと思われる主人は日本酒に詳しい。
宮城県のここらあたりはそれぞれの町にいい蔵があるという。
石巻なら「日高見」「すみよし」、三本木町の「伯楽星」、
塩釜の「浦霞」、松山町の「一の蔵」等々。


カレイの唐揚げを注文、骨は骨煎餅。
自家製の「いくら」もサービスで出てくる。
嬉しいね。

   


居心地のいい居酒屋が一つあって、
居心地がいい宿が一つあるだけで、
街の印象が違ってくる。


東北や北関東、あるいは北陸の小都市を
居酒屋巡りの旅なんていいなあ。 
行ってみたいのは、八戸、盛岡、一関、気仙沼石巻
富山、高岡、信州の松本「山女や」にも行きたい。