恒例の男子ゴルフ中継が始まった。
梅雨時のトーナメント、週末に向け梅雨前線南下と台風5号の挟み撃ち。
去年の今頃はワールドカップ南アフリカ大会の真っ最中。
スカパーの執行役員氏の国際映像批評とオシムの言葉で僕の日記は埋められている。
はるか昔の話のように思える。
そして、こんなことを書いている。
Podcastでニーチェの訳書『超訳 ニーチェの言葉』が売れていると聞いた。
正確には覚えていないがそのニーチェの諫言に
「一日の終わりに反省をするな」というのがある。
仕事を終えて、じっくりと反省する。
一日が終わって、その一日を振り返って反省する。
すると、自分や他人のアラが目について、ついにはウツになる。
自分のだめさにも怒りを感じ、あいつは憎たらしいと思ったりする。
たいていは、不快で暗い結果にたどりつく。
なぜかというと、冷静に反省したりしたからなどではない。
単に疲れているからだ。
疲れきったときにする反省など、すべてウツへの落とし穴でしかない。
疲れている時に反省なんかしてもろくな結論が出てこない、ということだ。
僕が日記を書くのはたいてい午前中だ。
夜に書くことは少ない。
それでもそこそこ反省文で埋められることが多い。
2010/6/26 趣味は『反省』 より
http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida/20100627/1277588086
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西宮北口からワゴン車でアルバイトの学生たちとゴルフ場へ向かう。
時間に遅れそうになったのでヒロが夙川駅まで自転車で送ってくれる。
久々に二人乗りしてしまった。(漕いだのは僕ですが)
12時半に出発。
日差しと空気感は真夏のようだ。
梅雨前線が東北まで北上している。
空気は太平洋高気圧、つまり夏の空気だ。
このまま梅雨明け?
それはないですよね。
中国道、山陽道を西へ。
吉備サービスエリアで休憩し笠岡ICから南下する。
途中、スタッフからのメールで石川遼が前半4バーディーと知る。
トーナメントの会場となる瀬戸内ゴルフ倶楽部へ4時前に到着する。
埋め立て地につくられた日本屈指のリンクス。
スコットランドというよりも東南アジアのリゾートっぽいイメージだ。
パームツリーだもんね。
池越しにひょうたん島のような山が見えた。
香川県にもこんな山が点在している。
瀬戸内でよく見るランドスケープ。
地理用語でいうビュート(メサ)という浸食地形なのだろう。
中継スタッフ控え室に届いた各地からの差し入れ。
ヒロが僕に持たせた近所のスーパーのパンをさりげなく置いたらすぐに完売!
…夕方、福山駅前のホテルにチェックイン。
会場は岡山県の笠岡市にあるが宿泊は広島県福山市なのだ。
県は違えど福山も笠岡も歴史的には同じ備後地方。
明治の廃藩置県では福山県だった。
ホテルは福山の駅前にあり、福山城も目の前にある。
駅と城のある風景、ふーん、ちょっと珍しいな、と思う。
ウィキペディアで福山城を調べてみる。
関ヶ原の合戦後に出来た比較的新しい城らしい。
戦国時代の城郭都市ではない。
もともとは毛利氏の領地だった。
豊臣秀吉が天下統一していく時に臣下の福島正則に与えられた。
福島正則!
賤ヶ岳の七本槍の一人。(あの加藤清正もその一人だ)
タカラヅカの『美しき生涯』でその存在を知ったばかり。
その舞台にもあったが福島正則は秀吉の死後、徳川に寝返る。
石田三成率いる西軍を敵に回し、そして勝利する。
その後、徳川側はここ福山に城を建てた。
西軍に与し、敗れてもなお中国地方で勢力を持つ毛利家を監視するために、である。
そうだったのか。
最初の城主は水野勝成、家康の従兄弟であった。
外様への抑えのための城、福山は地政学上、そんな位置にあったのだ。
地元では歓迎されざる城であり城主だったんだろうな、勝手に想像してしまう。
中継スタッフのめし会をパスさせてもらい独酌の場を探す。
時間も遅かったので旅心をそそられる店も見つからない。
ファミマで缶ビールと弁当を購入。
福山城のウィキを見ながら侘びしく一人コンビニ飲み。
嫌いじゃないです。
…道中、ワゴン車の助手席で本を読む。
川上健一『透明約束』という短編(中編?)小説集。
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よどんだ心が清冽な空気で洗われたような気分。
主人公は女子高校生。
小説は卒業式、高校最後の一日を描く。
本人いわく、美人じゃなくスタイルもよくない、勉強も得意じゃないし運動音痴。
そんな彼女が入学と同時に決めたことがある。
片道1時間35分の通学路を3年間無遅刻無欠席で歩き通すこと、だ。
往復3時間10分、雨の日も風の日も暑い日も寒い日も、だ。
読んでいて、ジブリ映画に登場する少女みたいだな、と思った。
彼女が通学路にあるケーキ屋でチョコレートケーキを食べて泣く場面がある。
ジュリエット・ビノシュの映画『ショコラ』みたいだ。
40ページほどの小説、立ち読みでも読める。
気持ちのいい物語でした。