ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2011/8/9 ふたり

朝から蝉しぐれ、もちろん暑い。
ヒロが7時前に起きて出かけていく。
ばあばあ(義母)が今日から住友病院に入院することになったのだ。


不思議なことに山登りの疲労がほとんど無い。
穏やかなペースで登ったのがよかったのだろうか。
4日連続で一日5時間以上は歩いているのにノーダメージ。
ちょっと気持ち悪いくらい。
取り越し苦労かな?


ただ、多少の外傷はある。
鳥海山の下り、千蛇谷で写真を撮ろうとして岩の上から前のめりに倒れた。
倒れた勢いで低木の繁みに突っ込んで左ひざを岩にぶつけ打撲した。
前方ダイビング、低木が崖だったら滑落死。
もう一件、これも鳥海山、外輪山ルートの登りで両手を使って急斜面をよじ登った。
ふとバランスを崩して真後ろに倒れ込んだら低木に救われた。
後方ダイビング、低木が無かったら滑落死。
もう一件はドライブ中のアクシデント。
山形自動車道を走行中、ヒロが僕の左ひざをアイシングしてくれてた。
(オートマなので左足は使わない)
氷嚢を落としてしまった。
ブレーキの下に入ると困るので左足で掻き出す。
手応え(足応え)がないので左手で探った。
その瞬間、ハンドルを動かしてしまった。
左の路肩に後方タイアが接触、驚いてハンドルを戻す。
後方に車がいなかったのが幸い。
バカなことをしたものだと猛省。
サービスエリアでタイヤとホイールカバーを確認するが無傷でホッとする。


ハインリッヒの法則という労働災害事故の発生率に関する経験則がある。
1つの重大事故の背後には、29の軽微な事故があり、300の異常が存在するというもの。
異常とは、ひやりとさせられたり、ハッとさせられたりすることを指す。
    
    
鳥海山の2件、山形道の1件は軽微な事故、災害に該当するのだろうか。
それともヒヤリ、ハットなのだろうか。
もはや軽微とは言えないような気がする。
疲労、ダメージのないことを喜ぶ前に対策を講じなければと思う。


…今日は甲子園へは出勤せず。
自宅オフを決め込むが、猛暑日
じっとしていても暑い!
病院つきそいのヒロからメール着信、長引きそうだという。


昼食はひとりで近所のレストランへ行く。
海沿いの香櫨園テニスクラブに隣接する店。
バリ島(?)もどきのファミレス、といった風情で、
アメリカあたりにありそうなキッチュエスニック
一人なので窓際の個室に案内される。
ケチャップのオムライスとドリンクバーで980円。
よく冷えたこの部屋でずっと本を読んでいたい。
隣にあるセブンイレブンで明日の甲子園内野席のチケットを発券してもらう。
そのまま芦屋海浜公園のプールへ。
こんな猛暑日は水の中に棲むのがベストチョイスかも。
1時間ほどカバのように水中を行ったり来たりする。


ぐったりとして自宅へ戻りヒロを待つ。
NHKで『ふたり 〜コクリコ坂 父と子の300日戦争〜』を見る。
宮崎駿&吾郎の父子のドキュメント。
なんとなく見始めたのだが最後まで見てしまった。


面白かった。
「僕は長嶋茂雄野村克也みたいになりたくないんですよ」
「介入するつもりはないんだよ」と父。
息子の吾郎の方は真っ当で人当たりのいい常識人に映る。
父の駿は根っからの芸術家肌というか、言ってしまえば変人だ。
父子の間に色濃く漂う緊張感がたまらない。
親父がまた文句をつけるか、息子がいつキレるか、ドキドキして見る。
その一部始終をカメラに撮らせている二人それぞれの覚悟と思惑。
駿ってひねくれててるけど吾郎が気になって仕方がないんだよね。
そこが凄くかわいい。
(って失礼ですね)



吾郎を監督に推したのはジブリ鈴木敏夫プロデューサー。
駿と鈴木と吾郎、この関係が面白かった。
介入しないと言いながらあの手この手でコントロールしようとする駿。
吾郎が督、駿が脚本。
『コクリコ坂』、絵コンテを吾郎が苦戦しながら描いている。
主人公の女子高生 海(うみ)ちゃんのキャラクターを巡っての葛藤。
暗く翳りのあるキャラを指向する吾郎、明るく前向きにしたい駿。
(僕がおおざっぱに二分してますが実際にはもう少し複雑)
駿はコンテにどうしても入れたいシーンがある。
海ちゃんが朝起きて、すぐに蒲団をかたづける、というシーン。
「朝起きて、すぐに蒲団をたたんで押し入れに入れると、その日の気分が違うだろ」
(台詞は正確ではありません。でも、駿の言いたいことはすごくよくわかる)
ここで駿は吾郎に直接言わない。
鈴木プロデューサーに、あのシーン入ってる? と探りを入れる。
入ってないと知るとそれとなくプレッシャーをかける。
「プロディーサー命令でさ、どう?」
鈴木氏は吾郎にそれとなく言うのだ。
「あれ入れてよ」
こういうの僕らの制作現場でよくあるんだよなあ。
あるあるパターン。
天下のジブリでも同じなんだね。


才能あるアニメの監督っていうのは駿みたいに偏執的で人嫌いな変人なのだろうなと思う。
たぶん、今敏細田守もそうじゃないかと勝手に推測する。
残念ながら吾郎には変人の匂いが無い。
すごく常識人、すごく“いいひと”なのだ。


再放送があります。
総合テレビ8月20日(土曜日)午後3時5分。


…夜9時過ぎにヒロが帰宅。
意外に元気で少しほっとする。
明日、見舞いに行こう。