WEB日記は2003年の1月から始めた。
最初は写真が一枚しか貼れない日記サービスだった。
自然と一枚を厳選する。
数枚を合成する技も覚えた。
写真が一枚だから文章がメインになる。
最近は違う。
写真に語らせて文章を書くことをサボっている。
当然のことながら書く力は落ちているような気がする。
文章がシンプルになってきたと思うことにしている。
撮影テクニックを磨いていると思うことにしている。
キャプションの表現力を重視していると思うことにしている。
30分ジョギングする。
体幹トレーニングはサボってしまう。
男は先端まで行きたかった。
砂州の先でサギが羽を休めていた。
海上の道はその先で閉じていた。
男は諦めて陸へ戻ることにした。
その背中をサギが無言で見つめていた。
南芦屋浜の人工ビーチで野球部が汗を流していた。
部員数ざっと数えて60人の大所帯。
エナメルバッグに県立尼崎高校の文字が見える。
キャッチボールをしているのは大柄な選手たち、こちらがレギュラーか。
1年2年は砂浜で腕立てしたり腹筋したり肩車して歩いたり。
見ているだけでキツそうだ。
もう夏への戦いは始まっている。
…堂場舜一『チーム』読了。
二度おいしいのグリコのキャラメルじゃないけれど箱根駅伝をもういちど観戦した気分です。
学連選抜が主人公、いちど敗れし者たちが、敗れざる者になる物語。
選抜チームに一人図抜けた選手がいる。
傲慢で協調性がなく実力は申し分ないが問題児。
読み進めながら彼をどう描き切るのか興味津々だった。
きれいごとにしなかったことに好感を持って読み終えた。
キーとなった区間は。3区、5区、9区、そして10区。
新春第一弾の小説、楽しく読めました。
小説の中に何度もランナー同士の駆け引きのシーンが出てくる。
その心理描写がいい。
堂場舜一は選手に取材したわけではないと言う。
素人として走ったり泳いだりした感覚からイメージして書いてそうだ。
サイクルロードレースの近藤史恵も「全部想像です」とインタビューで答えていた。
僕も底辺の市民ランナーとして何度もレースに出た。
走っていると同じペースのランナーを見つけて勝手に駆け引きしたりする。
大抵は後ろ姿が素敵なポニーテールの女性ランナー。
残り1キロでスパートかけようか、それともトラック勝負にするか、とか、
自分も苦しいから相手も苦しいはず、給水所で突き放すか、とか。
そして、往々にして無残にも突き放される。
それはそれで楽しいし、トップアスリートの苦しみの一片を味わうことも出来るのだ。
堂場舜一や近藤史恵もそうだったのだ。