ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2012/3/13 玉戸翁からの手紙

朝7時過ぎに起床、マウスドライなだけじゃなく口内に出来たヘルペスが痛い。
年寄りはそこら中が痛いから機嫌が悪いのだ。
でも僕が不機嫌だとヒロも不機嫌になってさらに僕の気分が落ちこむ。
だから、せいいっぱい朗らかに生きているのだ。


午前中は日記を書いて過ごす。
昨日見た『その街のこども』の感想を書いたのだが簡潔にまとまらない。
映画やドラマや本のレビューを簡潔に書くことは難しい。
日記は自分の記録だからメモでいいと思う。
でも、思うところを文章としてまとめとかないと後々読んでも意味がわからない。
公開する理由はそこにあると思う。
かといって文章化しても頭の中が整理されていなければ同じだ。
自分で書いた文章なのに意図するところ不明であることは多々ある。


カーネーション』を観る。
夏木糸子が娘から情け容赦ない引退勧告を受ける。
ブログ『東京ポチ袋』さんが書いていたことが当を得ている。


  直子はいいねえ。
  直子が出てくると、ドラマはかつての「カーネーション」の活気や味を
  一気に取り戻すのだが、いまだに夏木糸子と親子に見えなくて困る。
  親子が対面しているシーンなのに、直子と優子が住んでいた家を改装して
  店主と従業員ごと別の店が入っているみたいに見えて仕方ない。
                           (『東京ポチ袋』より)
  http://tokyo-fukubukuro.blogspot.com/2012/03/blog-post_13.html


「店主と従業員ごと別の店が入っているみたい」
そうだよなあ。
そうそう、そうなのだ、と同意する。
でも、今日の糸子をオノマチにはやらせられないと僕は思う。
交替も仕方なし…か。


糸子が娘たちを追い返す時に孫から渡された何かを投げつける。
「なに投げたん?」と僕が聞く。
「おじゃみやん」とヒロが言う。
「は?」
「おじゃみ! おはじきやんか」
関西人にしか判らへんのと違うかなあ?



…午後から自転車で『甲子園歴史館』へ行く。
冷たい空気が頬に気持ちいい。
ゴーグルのみでマスクを忘れたが発作は起きなかった。
キリン堂口内炎用の軟膏を買う。
甲子園へ行くとライトスタンドからコンバットマーチが聞こえて来た。
オープン戦やってる。
試合中なので歴史館は空いてた。


お目当ては二人とも同じ。
高校野球ゾーンだ。
入った最初の展示室に清原と松坂のユニフォームがどーんと出迎えてくれる。
寺院の山門にある二体の仁王像のようだ。
ヒロが「清原っておっきいねんなあ」と感心している。
正面のスクリーンに映し出される懐かしの名勝負。
板東村椿からマーくん佑ちゃんまでの映像の前に立ち尽くす。
この部屋ですでに10分以上経過。


僕がリアルタイムで観るようになったのは昭和41年(1966年)だ。
地元の中京商業が春夏連続優勝をテレビで見た。
僕は刈谷市立亀城小学校の4年生だった。
次のエポックはたぶん三沢と松山の引き分け再試合。
昭和44年(1969年)だから中1だったのか。
なーんて回想モードに入ったら止まらない。
忘れかけていたあの選手、あの監督、あの名勝負を記憶の底から呼び起こす楽しい作業。
しかも二人で貸し切り状態、観たいビデオを再生して過ごす。
深夜に誰もいない歴史館に忍び込んだような気分。


阪神コーナ、特設のセンバツコーナー含めて2時間ほど過ごす。
試合が終わったようだ。
阪神のハッピやユニフォームを来た団体がぞろぞろと入ってくる。
また空いてそうな時間にこっそり来よう。


コーナンでたこ焼きを食べると自転車(ママチャリ)の空気が抜けていた。
幸いにもアサヒが近いので持ち込む。
パンクではなく虫の劣化だった。
ヒロの買い物につきあい帰宅する。


…奈良の玉戸翁より便箋4枚の長文の手紙が届いていた。
先日、いかなごの釘煮と珈琲豆を送ったので、そのお礼の手紙だった。
手紙なんてもらうのは何年ぶりくらいだろうか。 
嬉しくて何度も読み返す。
「言葉は旅した分だけ磨かれた気がします」
フィンランド映画『ヤコブからの手紙』を解説した小山薫堂が書いた詩(ナレーション)だ。
http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida/20120224/1330046243


文面はけっこうユーモラスで何度か笑ってしまった。
釘煮の思い出、好物のコーヒーに関する考察、僕に対する考察などなど。
一部紹介させてもらう。


  私のコーヒー好きは、一ツはタバコ付きであり、もう一ツは議論付きにある。
  今は失われたものの一ツだが、現場の作業の合間、すべての作業が止まり、
  三々五々スタッフが集まってくる。これが快感になった。
  その中心にあるのがコーヒーだった。紅茶じゃいけない。
  ましてや清涼飲料水ではモノがつくれない。


いいでしょ?
私信なので詳細は書かないが玉戸さんは何か楽しいことを企んでいるようだ。
ことし68歳、自分より10歳以上も年長の人が何かを企んでいるのを知るだけで勇気が沸く。


…夕食は焼きそば。
具は春キャベツと海老、ソースではなくオイスターソースと醤油で中華風。
8時半からプールへ行く。
自転車で5分以内のところににスポーツクラブがあるというのはいいものだ。
この価値は想像以上に大きい。
心地よい肉体疲労でぐっすりと眠ることが出来る。




《BACK TO 2011》
2011/3/13「窓辺のヒヤシンス」 http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida/20110314/1300034522


今朝、起きたらiPhoneに携帯メールが届いていた。
サっちゃんからだ!安否が知れなかった仙台在住の叔母さんからのメールだ。
「そちらからのメールが届きました。ありがとう。2日間 夜は避難所でした。
 今は自宅に戻りましたが余震がきついですね。まずは大丈夫です。幸」
よかった。無事だった。
電話はつながらないので少しメールでやりとりした。
電気、ガス、水道は通っているようで安心。
とりあえず。
仙台は地震が多いのでそのたびに安否確認するが今回は特別だった。
よかった。
みなさん、心配かけました。
ありがとうございました。


こういう事態において当事者でない人でもそれぞれの発言で人間性が露わになる。
不謹慎とか自粛とかの言葉を乱発する人を僕は信じない。
○○すべきだ、○○するのが当然だ、と感性や価値観を強要する人を僕は信じない。
他の意見に寛容でない人を僕は信じない。
感情的になる人を僕は信じない。
感情的な人や寛容でない人はすぐに心変わりするのを何度も見てきた。
内田樹先生はブログでこう呼びかけている。


  「安全なところにいる人間」と「現地で苦しんでいる人間」を差別化して、
  「苦しんでいる人間」を代表するような言葉づかいで「安全なところにいる人間」をなじる人間がいる。
  
  そういうしかたで自分自身の個人的な不満や攻撃性をリリースすることは、
  被災者の苦しみを自己利益のために利用していることに他ならない。
  
  自制して欲しい。



米軍の日本救援作戦は「Operation Tomodachi 」と呼ばれる。
トモダチなんて聞くと『20世紀少年』を思い出して日本を支配されるのではと思ってしまう。
オバマ大統領がその「トモダチ 」作戦を実行する米兵に向かって演説をした。
とても感動的な演説がネットをとびかっている。
http://konotom.tumblr.com/post/3831919723


言葉の力って凄い。
映画のワンシーンみたいだと感動していたら…これフィクションなんですね。
英文が見たかったのでCNNとかUSA TODAYのニュースサイトを探してもそんな演説は存在しない。
原文は映画『インデペンデンス・デイ』の大統領の演説らしい。
http://hara19.jp/archives/4966


それでも、感動してしまったのは事実。
だから言葉の力ってあなどれないんだと思う。