2012/6/4 そこにあったもの

オンデマンドでNHKスペシャル「イナサがまた吹く日」を見ました。
ドキュメンタリーの舞台となっている仙台市若林区荒浜へは去年5月半ばにセルジオと行きました。
荒浜には友人の佐々木さんが尊敬するニヘイさんという人がいました。
宮城県の米作りで指導的立場にあった人でしたが津波で亡くなりました。
佐々木さんは忙しくて行けないので荒浜の田んぼがどうなってるか替わりに見てきてくれとのことで行ったのです


番組からキャプチャーした2枚の写真。
(撮影の方向は真逆になってます)
僕らが目にした荒浜は右の写真でした。
番組冒頭、左の写真にあるような映像を見て不意をつかれたような思いでした。
緑豊かな風景、海とともに人々が暮らす荒浜は想像も出来ませんでした。
でも、それは、1年ほど前には、確実にそこにあったものだったのです。
  


    風が、けやきの記念樹を渡ります。
    あまりに多くのものが断ち切られ、失われ、それでも続いていく命
    田畑に、海に働き、子を育て、家族を守り、老いてゆく
    荒浜の人たちが生き抜いた 津波のあとの一年です。
                      (エンディングのナレーションより)


  


そこにあったものを語り、失ったものの大切さを伝える、
気仙沼に消えた姉を追って」と同じ手法だ。
NHKが7年前の荒浜の暮らしを撮影していた。
失われる前にそこにあった日々を記録していた。
そのビデオテープに写っていた人には津波で亡くなった人もいただろう。
「イナサがまた吹く日」は津波の前と後をカットバックしながら、津波からの1年を丁寧に描いている。
淡々と過ぎていく春夏秋冬、そしてふたたび巡り来るイナサの吹く春。
見ていると荒浜は数多の物語が埋まった土地であることがわかる。
砂を掘り起こすと7年前の命輝く日々がよみがえってくる。
残された者の悲しみとともに。


荒浜には貞山堀という運河が流れている。
津波の前まで灌漑用水として使われていた命の水路。
7年前の灯籠流しの映像が悲しくも美しい。
荒浜ってこんなにいいとこだったんだ。
仙台市はここを運動公園にして住民の集団移転を計画しているという。


方言がいい。
これを聞くだけでも心が動く。
方言の力を改めて感じる。
三宅アナの安定したナレーションも番組をしっかりと支えていた。


最近はオンデマンドばかり見ている。
見てばかりいないで自分でも作らなきゃなと思う。


あの場所に行って良かった。
そう思う。
行かないより少しだけ理解が深まるような気がする。
偶然も手伝い津波から一ヶ月後の気仙沼を見た。
生島淳の本を読んだとき、少し“わかる”気がしたのは実際に見たおかげだと思う。


好奇心でもいい。
可能ならば被災地を見た方がいいと思う。
明確で、正当な理由はないけれど。
                                                          撮影:2011/5/13
   




…ガチせんべろの店『銀座屋』、その総本山である天満駅前店で飲みました。
天満駅前の『銀座屋』は昔から知っていた。
昼間から営業している古い立ち吞み。
ドブネズミ色のディープな客層でちょっと気軽に立ち寄ろうという雰囲気ではなかった。
大阪の立ち吞み、天満の立ち吞みならたいていのことは知っている、というのは僕らの思い上がりでした。
狭いようで世界は広い。まさにここは10坪の異空間、せんべろの魔界、いや桃源郷
酒友A部老師とめくるめく感動体験を味わうことが出来ました。
思い切って入ってよかったです。
人生には勇気が大切だ。僕は長く忘れていた。ガハハ。
写真は締めの“カレーのルー”150円です。
  


混んでいる。
コの字のカウンターは酔客でびっしり。
支店である駅前ビル地下の店はサラリーマン中心だが総本山は京橋に近い客層。
瓶ビール大330円!
3本飲んでも1000円以下。
ここではビールを飲むしかない。
常連らしき二人連れはいきなり一人1本から飲み始めている。
(ビール飲みの人はこれが常套なのかもしれない)
僕らは例によって二人で1本から、スーパードライはNo Thanks、もちろんキリンラガー。


つまみの値段はほとんどが120円から200円、わかっていたのに感動する。
通貨が違うのではないかと錯覚する。
安い、だからといってショボくない。
けっこう美味しいのだ。


二人で飲んで食べたもの。
瓶ビール大2本 330×3
マグロ刺身   280
ブロッコリー  150
スモークチキン 180
小海老の天ぷら 150
カレーのルー  150
驚異のコスパ、恐るべし「銀座屋」総本山。
ちょっとしたバーでそこそこのウイスキー1ショット分です。
笑えるほど安い。


にもかかわらず二人の感想は、独酌には向かない、でした。
というのも一品の量がけっこう多いのです。
周りの人が注文する品をそのたびに横目でチェックしてたのですが冷奴なんてしっかり半丁。
炒め物も揚げ物も皿にどっさりという感じで、いくら安くても一人では食べるには負担だ。
二人でガチせんべろがベストチョイスでしょう。


それともう一つ見るべきものがあった。
カウンターの中で働く女性、たぶん30代後半くらいか。
いい居酒屋には出来るおばちゃん、あるいはねえちゃんがいる。
この彼女が惚れ惚れするほど超人的なのだ。
注文を聞きながら刺身を盛りつける。
常連に愛想しながら背後の追加注文に応える。
合間にさげた食器を洗い、大量のネギを切る。
彼女の無駄のないパフォーマンスを見ながら美味しい酒が飲める。
それはまるでラグビーの優れたスタンドオフのようであり、バレーのベテランセッターを思わせる。
瓶ビール大1本を飲み、つまみを5種食べ、カウンターの中のパフォーマンスに満足して店を出る。
なんで安くて旨いとこんなに気分が高揚するのだろう。


続いて中崎町の『稲田酒店』へ行く。
久々に各地の地酒を堪能、「土佐のしらぎく」微発砲うすにごり、「琵琶のさざ波」他。
ここから酒豪Nさんも合流、ここも一人あたり800円ほどでした。
梅田まで歩き少しだけカロリー消費。
JR神戸線が人身事故で運転見合わせ。
阪神電車で帰る。


身柄拘束された菊池直子。
老人介護の仕事してたんだ。


…3日ほど前にオンデマンドで見た街角ぶらり番組を見ました。
ろーかる直送便 えぇトコ「角淳一の関西おもてなしデート」
角淳一さんがNHKで看板番組を持つようになるとは!
往年の「夜くね」を思い出す。
ゲストは川崎亜沙美でした。
      
ざっくばらんな飾らない泉州娘、でも素直な感じが画面からも伝わってくる。
昔、番組の打合せで話したときと変わってないなあ。
シンガーソングライターでもある彼女が自作の歌を披露してくれた。
けっこうええ歌で、ちゃんと聞いてみたくなったぞ。