2012/7/7 ひとり浪曲寄席

雨模様、涼しい朝。
午後から晴れるらしい。
珍しく七夕に星が見えそうだ。


…2ヶ月ぶりに浪曲を聞きに行く。
一心寺前浪曲寄席7月公演@天王寺 一心寺南会所
前に浪曲を聞いたのは「錬声会」だった。
一心寺の定席へ行くのは4月以来、5月はヒロの体調不良、6月は食指が動かず。
ひとりで浪曲を聞きにいくことは珍しくないが一心寺寄席に一人は初めてだ。


阪神電車、西九条でJR環状線を乗り継ぐ。
大雨の影響で阪和線が運転見合わせ、その影響で環状線も遅れている。
天王寺に着く頃には雨は小降りとなっていた。
一心寺のホールの壁面にオレンジの花が咲く。
ノウゼンカヅラは平安時代に中国から渡来した植物だという。
 


料金2000円を払い入場。
開催される3日間の外題を書いたコピーをもらう。
たぶん受付に貼ってある手書きのものをデジカメで撮ってプリントアウトしたもの。
その手作り感が浪曲親友協会っぽくていい。
 


お、ご贔屓の三味線 沢村さくらさんが2席やる。
嬉しいことにダブルヘッダーじゃありませんか。
もともと3日目の月曜日に来るつもりだったが今日にして良かった。
月曜日はさくらさんは欠席、別の曲師になっている。
そして、今日のさくら様ははっとするほど綺麗だった。
夏らしい青の着物に銀の帯、珍しく前髪をつくって登場。
眼福です。


   天中軒涼月 曲師 沢村さくら
   『若き日の小村寿太郎


新人の女性浪曲師。
雲月さんの弟子だそうです。
東京の木馬座でデビューしたばかりで関西は初お目見え。
民謡の全国大会で優勝しているというプロフィール通り、節(歌の部分)は堂々として素晴らしい。
啖呵(会話)も悪くないがちょっと使い分けが出来てないなと思う箇所があった。
でも入門して2年弱、ここまで出来るものなのか。


  春野美恵子 曲師 虹 友美
  『藤十郎の恋』


美恵子さんを聞くのは4度目だろうか。
「中山安兵衛」「両国夫婦花火」が印象に残っている。
今回の『藤十郎の恋』は菊池原作、芸の鬼 坂田藤十郎を描いた物語。
時代は江戸元禄、舞台は京都烏丸四条、主役は歌舞伎役者 坂田藤十郎である。
当時の烏丸四条では地元のスター坂田藤十郎は落ち目だった。
江戸からやってきて向いに芝居小屋を構える歌舞伎の山下七三郎の人気に押されていたのだ。
そこで藤十郎は大坂に出向き、懇意の戯作者 近松門左衛門に新作 心中ものを依頼する。
そして、役作りのために芸の鬼が何を企んだか?
京都の南座と北座を想像しながら聞いた。



  真山一郎 オペーレーター 真山幸美
  『日本の母』


待ってました!
冒頭、弟子の高校生浪曲師 真山隼人くんが紹介され、地元鈴鹿での後援会発足と11月の鈴鹿公演の告知をする。
今回の公演前に雲月さんから「わたし忠臣蔵3つやるからね」と電話があったそうな。
ならば、と真山一郎は言う。
「母子ものを3つやりましょう」
で、今日は十八番『日本の母』だ。
戦争ものかな、と思っていたが全く違った。
怒りと憎しみ、ではなく聖母マリアのような慈悲と許しの物語であった。
田辺とか白浜とか具体的な地名が出てくる。
これはBased on True Story なのだろうか。
忠臣蔵ものではないので顔芸は控えめかなと思ったが後半に炸裂。
自ら感極まって涙を流しながらの大熱演でありました。
いやあ、真山流すごいわ。


調べてみました。
和歌山県田辺市で起きた実在のストーリーをもとにした現代浪曲だそうです。
交通事故で愛息子を亡くした母とその事故の加害者青年、そして二人がその後たどった運命とは?
日本列島を涙で震わせた奇跡のストーリー。
考えさせられますが、僕が当事者になったらこの母の赦しが出来るだろうか。
今は想像すら出来ない。
この浪曲、深く考えさせられてしまいます。
    



  天中軒雲月 曲師 沢村さくら
  『男一匹 天野家利兵衛』


忠臣蔵三つやるからね」と真山先生に宣言された雲月師匠。
初日は『天野家利兵衛』でした。
去年12月の師走浪曲名人会で一度聞いたことのある外題です。
あいかわらず低音がよく響く。
名文句「天野家利兵衛は男でござる」は鳥肌でした。
CD収録の「涙の南部坂」を一度生で聴きたいけど残念ながら今回のラインナップにはない。
今回は弟子の涼月さんといっしょなので疲れるそうな。


ここが一心寺南会所。
受付で2000円払うと当日でも十分座れます。
公演が終わると浪曲師、三味線の曲師さんたちががお礼のご挨拶。
裏方仕事をした出番のない浪曲師も見送りしてくれます。
右手前のTシャツのおじさんは天光軒満月さん。
奥で握手してるのが雲月師匠、その向かいのアロハシャツが真山先生です。
おっと、左手にあこがれの沢村さくらさんが!
 


沢村さくらさんは東京の浪曲三味線の第一人者 沢村豊子のお弟子さん。
結婚されて関西へ来られたそうです。
「東京の浪曲界も痛手でしょう。あんなきれいな三味線を関西へとられてしまったんやから」
とは某落語家さんの言。
さくらさんは東女(あずまおんな)だから祇園というより新橋って感じがする。
よく知りませんけど、知ったようなことを書いてみる。


浪曲の三味線には「出弾き」と「影弾き」がある。
今日のさくらさんは2席とも「影弾き」だった。
衝立の陰に隠れて演奏することを影弾き、客前に出て演奏することを出弾きと言う。
曲師を衝立で隠した由来はなんだろう?
ネットで調べてみると
「明治時代活躍した桃中軒雲右衛門が曲師をしていた美しい妻を観客が狙わないように隠したことに由縁するという説があるが定かではない」
とのこと。


浪曲寄席が終わると空は晴れ渡っていた。
今日は飲まないでおこうと思ったが気分がよくなり明治屋へ向かう。
ちょっとだけビールを飲もう。
西日本一高い高層ビル「あべのハルカス」も夏空へ高く伸びている。
 


明治屋にて、瓶ビール一本、えんどう豆の卵とじ、名物しゅうまい。
マグロやカツオを勧められたが節約のため安いアテばかりで自分を満足させる。
“聖地”明治屋で飲めるだけで幸せ。


…夜はスポーツジムへ行く。
ビール飲んでから4時間、もうすっかり醒めている。
今日はアート・ペッパーの「ミーツ・ザ・リズムセクション」を聞きながら筋トレに励む。
殿山泰二が『JAMJAM日記』でこのアルバムのことを書いていて無性に聞きたくなったのだ。
いやあ、久々に聞く名演。
西海岸のスターである若きペッパーを東海岸の強者リズムセクションが向かう撃つ。
レッド・ガーランドポール・チェンバースフィリー・ジョー・ジョーンズ、たまりませんね。

アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション+1

アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション+1


…近所の「丸亀製麺所」と同じエリアの回転すしの「カッパ寿司」がオープンした。
大手らしいが去年山形の酒田で食べたらネタがぺらぺらで不味かった。
酒田のような日本海側でよくやっていけてるなとその時思った。
だから印象は良くない。
駐車場にまで順番を待つ家族連れがいて驚く。
回転寿司では我が家は「スシロー」ファンだ。
結局、今日も讃岐うどんにする。