ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2008 ぷよねこ五輪観戦記(#1-10)


  ロンドン五輪開幕まで一週間を切る。
  4年前、僕は北京大会をどう見ていたか?
  プレイバックしてみよう。


     



北京オリンピック観戦記 #1■
8/7 男子サッカー 日本vsアメリカ@天津 観戦場所は大阪中央区木下酒店。


観客平均年齢は推定60、ほぼ全員がアサヒスーパードライの大瓶を飲みながらの観戦。
現地の気温35度、選手の動きが鈍いのはそのせいか。
店の大モニターに五輪サッカー、小モニターに京セラドームの阪神広島戦。
隣の70代らしき大先輩が言う。
サッカー観るのは忙しくてかなんなあ、
ずーと観てんとアカンやろ、ビール飲む暇あらへん、
アメリカの黒人はサッカーしてないんやろか、黒人少けないでえ、
ああ、そんな強ないなアメリカも…日本もアカンけど、
と一人解説は続く。
桧山スタメンやて?
3連敗して血迷ったかオカダ!
関本でええねん、関本で。
阪神戦(小モニター)の解説。
もう一つのテレビでは高校野球、横浜vs浦和学院
忙しなあ、と大先輩がおでんのねぎまを食べながら愚痴る。
サッカーはなあ、ワシがトイレ行くと点入るんや、
そのご意見に店員も激しく同意。
そやでえ、よそ見すると点入るんや。
前半終了まで観戦、スコアは0-0。
二人で大瓶2本と赤ワイン一杯、1670円也。


それで帰ればいいものを「蔵朱」のカウンターで極上の燗酒を堪能、
さらに北上して天満「よしむら」で濃厚な冷や酒で喉を潤す。


サッカーは0-1で日本初戦を落とす。
次はナイジェリア、その次はオランダだって。
うーむ、小腹が空いたぞ。


今、読んでいる「夏から夏へ」の素敵なエピソード。
アジア新記録を出した4×100mリレーの朝原、末続ら4人の選手は、
その夜、ホテル近くの『なか卯』で牛丼を食べて新記録を祝った。
深夜12時過ぎ、店にはリレーメンバー4人しかいなかった。


帰路、JR西宮駅前の「松屋」に入る。
豚丼の並を注文。
ご飯少な目にね、と女性店員に言うと、
すくなみ?え?なんですか?
あ、日本語が苦手なのですね、
ライス、スモールでね、
了解していただいた様子。


大阪で3軒のハシゴして、西宮で豚丼
明らかに炎上だし、明日の朝は74キロ超過必至。


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北京オリンピック観戦記 #2■
8/8 開会式@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


すでに日本の入場は終っていた。
さっきからずーっと延々2時間以上入場行進してるわ、
最初に入ったギリシャの選手かわいそうやわ、とヒロが言う。
たまたま今読んでいる本が松本仁一カラシニコフ』(朝日文庫)、
内戦、略奪、虐殺、治安悪化、「失敗国家」としてアフリカの国々の惨状が描かれている。
その「失敗国家」であるシエラレオネソマリアモザンビークが行進する。
複雑な思いで選手、役員の顔を見る。
モザンビークには兵士の数の10倍以上の自動小銃カラシニコフAK47があると言う。
陸上のマリア・ムトラの顔もある。


アメリカの行進、カメラは何度もタイソン・ゲイの顔をアップで撮っているのに、
NHKのコメンタリーは誰もそのことに触れない。青山裕子はタイソン・ゲイを知らないのか?


スロバキアとかスロベニアとかヨーロッパの小国には美人が多いな。


大トリは他を圧倒するような中国の大選手団。
ちょっと恐怖感を覚える。
旗手はヤオ・ミン。


続く五輪旗入場、実行委員会の会長の挨拶(長い!)、ロゲの挨拶…。
選手宣誓(どっちが先だったか忘れてしまった、とにかく長い)。
そして、問題(?)の聖火入場、“空飛ぶ李寧”の聖火台点火と続いた。


うーん、正直な感想。
“大中国の、大中国による、大中国のための”開会式を世界が見せられた、という気がする。
アトランタシドニーアテネにも自国の誇示はあったが、次元が違った。
わかってはいたが…。


シドニーは宿舎がわりのフェア・プリンセス号のラウンジで観た。
アテネではOTEパリーニというメディア村の一室で観た。
各国の国際映像チームといっしょに観ていた。
中継のミススイッチングがあると、拍手と歓声が上がったのを思い出す。


日本時間の1時を過ぎてようやく終わる。
最後まで観るつもりはなかったが、うたた寝しながら観てしまった。
疲れた。
オグシオや女子バレーの選手もさぞかし疲れただろう。
これからバスに乗り込み、選手村へ戻る。
セキュリティチェックの列に延々と並ぶのだ。
ベッドにたどり着くのは何時になるのだろうか。
眼鏡堂氏は大丈夫だろうか。


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北京オリンピック観戦記 #3■
8/9 女子ウエイトリフティング48キロ級@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


女子の重量挙げ。
日本の三宅と大城が出場する。
僕らの世代には三宅は重量挙げの代名詞だ。
でも、三宅宏美の父親は弟の義行だったのか。
あの偉大なるオリンピック2連覇の三宅義信ではなかったのだ。
今頃、気づいてんのかオマエは、と自分に突っ込む。


48キロと軽いクラスなので東アジア勢が中心。
他はフランス、カナダ、ポーランド、トルコの選手が出場している。
重量挙げとは思えない長身でスレンダーな選手も多い。
カナダの選手なんてフィギアスケートの選手と言われても不思議じゃない。
トルコの若い20歳の選手は美人だった。
バーベルを挙げた時の喜び様も可愛くていい。


スナッチ、クリーン&ジャークの2種目、
成功しても失敗してもそれぞれ3回しか挑戦出来ないのだ。
この3回の試技(アテンプト)をどう使うか、が難しい。
もう一人のトルコの選手はスナッチで失敗、記録無しで敗退した。
アテネ金メダリストだったらしいが。


中国のチンなんとかという選手が圧倒的に強かった。
解説の人が言うように他の選手とはモノが違った。
一見すると、盲目の選手では?と思われる風貌に凄みがある。
誰に似ているか、と言えば漫才の“海原お浜小浜”のお浜さん、奥目のお姉さんに似ている。


中国のチンが金、美人のトルコの選手は銀メダル。
三宅は6位、大城は8位に終わる。
中継を観ている限り、日本勢はメダルにはかなり遠かった。
テレビではメダル確実みたいに言ってたけど。


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8/9 柔道男子60キロ級@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


23歳の平岡が出場、なかなかの面構えに期待する。
初戦の相手はアメリカの黒人、手足のひょろ長い選手。
アテネにも出場している選手らしいが入賞実績は無い。
格から言えば、国際大会に優勝している平岡が上。
だが、中盤を過ぎた当たりで平岡が「SHIDO」をもらってしまう。
目が覚めたように攻める平岡、
得意の背負いを打つが、逆に相手の返し技をもらってしまう。
解説の篠原も、技ありをとられても不思議じゃない、と言う危ない場面。
結局、そのまま時間切れ、平岡は初戦敗退となった。


うーん、最初から変に悠然と構えてたるように見えたんだよなあ。
がむしゃらさが無かった。
たぶん、あれは緊張していたのだと思う。
アトランタの時、21歳だった野村はもっとガツガツしてたように思う。
平岡にその野村3連覇の重圧があったのは否めない。


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8/9 柔道女子48キロ級@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。

“ママでも金”の谷亮子が出場。
谷のちょっと茶色に染めた髪はいかがなものか、と思う。
黒髪でいいじゃないか、ヤワラちゃん


初戦はちょっと堅かったがアメリカのマツモトを一蹴する。
二回戦は地元中国の選手と対戦、ともに組まず両者「SHIDO」を受けたまま延長に。
谷は延長戦で大外刈りで「WAZAARI」をとり準々決勝に進む。


…回転寿司「スシロー」にて昼食。
スーパー銭湯の「やまとの湯」で和む。
昼間っから仕事もせずに和んでていいのか、とも思うが。
土曜日なのかスーパー銭湯は混雑していた。
安上がりの娯楽だもんな。


梅田に出てブックファーストで半時間過ごす。
文庫3冊、コミック2冊を買う。
松本仁一カラシニコフ』の続編、岩崎元郎『ぼくの新日本百名山』、
司馬遼太郎街道をゆく 1(湖西のみち他)』とコミック『深夜食堂』。


買った本をパラパラと読もうとインド料理「アルナ」に入る。
カレー2種とナン&サフランライス、ディナータイムは生ビール無料。


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北京オリンピック観戦記 #4■
8/9 柔道女子48キロ級@北京  観戦場所は駅前第3ビル地下「ノルドカフェ」


本を買って地下をうろついているとオリンピック実況の音声が聞こえる。
北欧スタイルのカフェを覗くと大画面の液晶テレビ谷亮子の姿が映る。
あたふたと珈琲を買い、フィンランド製のチェアに陣どる。


ルーマニアの選手との準決勝。
両者とも組まず「SHIDO」、またかい?
決め手のないまま時間は流れる。
残り30秒ほどのところだったろうか、谷が「SHIDO」を取られる。
え、わたしだけ?という感じの谷、副審は何も言わず、時計だけが進む。
谷、敗れました、と道谷アナの声。
ええ〜、うそぉー、ノルドカフェの女性客から悲鳴が上がる。

谷だけが「SHIDO」に疑問は残る。
柔道の世界の対日本包囲網もあるのだろうか。
谷がマークされていたのは間違いない。
解説の山口香も、谷が負けるならこのパターンと指摘していた。
どっちに出されても不思議ではない展開だった。


つくづく柔道の判定というのは曖昧だなあと実感する。
いつものことだが、「SHIDO」で負けはないだろう、と思う。
どーなんですか眼鏡堂さん。


3連覇の野村も曖昧な判定に助けられたこともあった。
シドニーの二回戦、中国の選手に朽木倒しを決められた。
決まった、に見えた。
しまったあ、と僕も思ったし、野村本人も思っただろう。
でも、判定は「YUKO」でも「KOKA」でも無かった。
あの時、一本でも不思議ではなかった。
逆に同じシドニーで篠原の世紀の大誤審もあった。


うーむ、JUDOってつくづくわからないというのが本音。
闘っている選手はどう思っているのだろう。
せめて「SHIDO」で負け、は無しにしましょうよ。


…21時過ぎに帰宅。
NHK第一放送で女子サッカーの実況を聞く。
アメリカに0-1で敗れ、予選突破の可能性がほぼ消えた。


ラジオでオリンピックというのもいい。
今日のハイライトとして女子重量挙げを聞く。


「三宅、クリーンアンドジャーク105キロに挑みます。
 さあ、バーベルに手をかける、挙げた、胸でバーベルを支える。
 ここからだ、力が入る、目が潤んできた、両手を挙げる、
 ふらつく ふらつくが、何とか、何とか持ちこたえる三宅、白三つ、成功です。」


実況の「目が潤んできた」というのがセクシーで良かった。
そのまま女子バレーの予選もラジオで聞く。


体操男子団体、鹿島があん馬で落下?
野口みずきが検査入院?
日本に暗雲が漂う。


グルジアとロシアが戦争状態だって?
北京でアメリカ人ツアー客が刺殺されたって?
大丈夫か?北京、大丈夫か?世界!

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北京オリンピック観戦記 #5■
8/10 柔道男子66キロ級@北京科技大体育館  観戦場所は西宮市前浜町自宅。

内柴の決勝を見る。
ベテランの気持ちいい勝ちっぷりで金メダルを獲る。
連続技から押さえ込み、腕を決めて“降参”させた。
縦四方固め一本勝ち。
実況はフジの長坂アナ、ちゃんと決まり技をアナウンスして欲しい。
家族がどうのこうのと言う前に何で決まったかを伝えて欲しかったなあ。
ひょっとして知らなかったのか?


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8/10 バドミントン女子ダブルス1回戦@北京工大体育館 観戦場所は西宮市前浜町自宅。


オグシオ登場です。
思えば、バドミントンは1994年広島のアジア大会で国際映像の仕事をした。
その頃まではインドネシアが圧倒的な強さを誇った黄金時代だった。
今は中国の時代らしい。
このスポーツ、じっくりテレビ観戦するとかなりの運動量の競技だ。
身体の柔軟さ、反応の早さ、アクロバティックなまでの身のこなし。
欧米人選手が得意の瞬発力、パワーだけでは勝てない。
アジア人向けの競技と言えるだろう。


小椋・潮田組は何とかデンマークペアを破るものの連続ポイントを簡単に取られる。
ちょっと危なっかしい感じがする。

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北京オリンピック観戦記 #6■
8/11 競泳 男子100m平泳ぎ決勝@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。

北島康介世界新記録でオリンピック2連覇!
テレビを観て鳥肌が立つ、
もしかしたら2レーンのハンセンが来るのか、とも一瞬思ったが…北島の会心のレースだった。
ラスト25あたりからの解説者の絶叫、そのスパークぶりにぶっ飛んだ。
ある意味“沈む少年タカハシ”の面目躍如のレースでもあった。(誰も知らねえか?)
岩崎恭子の金メダル実況の『やったあああああああ!』以来、あの絶叫は五輪に欠かせない。
オリンピックだからいいじゃないですか、と思う。


キタジマ、天晴れでした。


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8/11 バドミントン女子ダブルス準々決勝@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


こちらも大興奮の実況だった。
オグシオではないもう一つのペアがアップセットを起こした。
末綱・前田組(ともにNECスカイ所属)の準々決勝の相手は中国ペア、
アテネ金メダルペアで世界ランキング現在1位、しかも地元の大声援。
よくて1ゲームとっても善戦でしたね、という戦前の予想。


第2ゲームから見始めた。
1ゲームを大差で落としたが、2ゲーム目をデュースの末に取る。
じわじわと相手に重圧がかかっている様子が見えた。
実況アナ(誰か忘れた)のボルテージもじわじわと上がってくる。
あれ?これは、もしかして?いや、でも相手は世界一だし、中国だし…。
第3ゲーム、20-14、マッチポイントだよ、
末綱、前田がなにか二人で言葉を交わす。
中国のミス!
勝った!
日本の二人がコートに倒れ込んで起きあがれない。
ああ、そうだったのか、それほど奇跡のような勝利だったのか、と初めて知る。


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8/11 競泳 男子400m自由形リレー決勝@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


シドニー五輪、ソープやマイケル・クリムやグラント・ハケットのいたチームは凄かった。
(泳ぎながらロックンロールしてる感じだったもんなぁ)
北京のアメリカチームはそのオージーロッカーにも優って凄かった。
予選で3分12秒23の世界新を出したメンバーを総替えに近い3人替えてきたそうだ。
解説者のタカハシ氏が言う。
「決勝で遅い選手には替えませんからね、もう一つ速いのが出てきたんですよ」
凄い選手層だ。
多分にフェルプス(予選は休み)に8冠を獲らせるという裏はあるにせよ、だ。


400m自由型リレー決勝、レースは凄いハイペースで始まった。
オーストラリアの第一泳者サリバンが47秒台の100m世界新記録をたたき出す。
これにはフェルプスも水を空けられるが、アメリカはここからがスプリンター、首位を奪う。
第3泳者、フランスがトップに立つ、3カ国か4カ国が世界新を上回るハイペース。
アンカー勝負、フランスは(さっきまで)世界記録保持者(?)だったベルナールが逃げる。
アメリカのアンカーはレザックという選手、記録ではベルナールに及ばないがリレーに強い。
陸上で言えば朝原みたいな選手だろうか。
勝負はラスト5メートル、レザックが鬼のように追い込み、そしてベルナールをかわした。
アメリカ大逆転の金メダル!
マイケル・フェルプスが咆哮がアリーナに轟く。


凄いレースの裏にはスピード社の水着があるのだろう。
だって5位のスエーデンまでが世界記録を更新している。
優勝したアメリカに至ってはいっきに4秒も縮めた。
水の猛獣、圧巻と言うに尽きる。


あ、柔道の金丸が一本負け!


コナミへ行く。
自由形リレーに影響されて全力クロールで泳ぐ。
25mで腕がパンパンになり胸の筋肉がつりそうになる。
おとなしくアクアジョギングに切り替える。


…YTVにてコンサルタント稼業。
テレビで柔道の敗者復活戦を観る。


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北京オリンピック観戦記 #7■
8/11 柔道 男子73キロ級、女子57キロ級敗者復活戦@北京 読売テレビ6F

敗者復活ラウンド、今日は男女ともに辛い道のりだ。
女子の佐藤愛子は相手の足を膝に受けて負傷、担架で運ばれる。
男子の金丸はもっと悲惨だった。
痛めた肩のテーピングで悲壮感が漂う。
ベルギーの選手に右腕を決められ苦悶の表情、でも“参った”はしない。
日本人選手にとって柔道はスポーツではないのだな、と実感する。
思わず、もういいからギブアップしろ、とテレビ画面に言う。
結局、縦四方を完璧に決められ一本負け。
金丸にとってこれがおそらく最初で最後のオリンピックでしょうからね、
解説の篠原信一の言葉が重い。


…駅前第2ビル地下の辛口カレー「ムーラン」という店で夕食。
野菜カレー(ご飯少な目にね)を食べる。実は3日連続のカレー。


北京の眼鏡堂氏より電話が入る。
バドミントン会場で取材中だと言う。
観客席の中国の応援が凄い音量。
まもなくオグシオの準々決勝が始まるところ。


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北京オリンピック観戦記 #8■
8/11 バドミントン女子ダブルス準々決勝@北京  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


小椋・潮田ペアが世界ランク3位の中国ペアと対戦。
中国ペアを見て、男じゃん、と驚く。
バドミントン選手とは思えない太めのどすこい型のペア、
髪も刈り上げにして女性を捨てているかのよう。
香港のカンフーコメディ映画に登場しそうなキャラクターなのだ。
我が国のアイドルペアの憎きヒールとしてのキャラは申し分ない。


強かったね、このどすこいペア。
こっちは女捨てんのに、日本の美人ペアに負けてられへんねん。
グーの音も出んように、こてんぱんに叩きのめしたるわい、の気合いである。
加えてオグシオも相手の気合いに押されたのか自滅、ミスを繰り返す。
相手シャトルのアウトかインのジャッジも狂い出す。
為すすべ無しという展開でストレート負けとなる。


こう一方的では逆転勝ちを望むべくもない。
解説の銭谷さんも言葉少なくなる。


屈辱にまみれた中国のバドミントンが午前中の報復を果たした。
キングストンの惨劇』
昔、ジョージ・ファオマンがフレイジャーを一方的に葬った試合をこう呼ぶ。
オグシオの敗戦は『北京の惨劇』だった。


厳しいかもしれないけど悲惨な負け方だった。
負けたけどよくやった! とは言えない戦いであったのは事実。
本人たちが一番悔しいと思う。
ヒロは、あんな負け方したらしばらくは立ち直れへんわ、と言う。


…しかし、BS1は凄いぞ。
今日は女子フェンシングもクレー射撃の中継もやっていた。


民放のニュースで競泳の400mリレーでフェルプス2冠達成と報じる。
それはいい、間違いではない。
でも、怪物フェルプス率いる米チームがフェルプスの活躍で金メダル、は事実と違うだろ。
レースの展開を全く見ていない人間が書いているとしか思えない。
NHKニュースは、チームの頑張りで二つ目の金メダルを獲得、という原稿だった。
少なくともこう書くべきだ。


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北京オリンピック観戦記 #9 ■
8/12 体操男子団体決勝@国家体育館  観戦場所は西宮市前浜町自宅。


なんだか変な感覚でオリンピックを見る。
あん馬中継を見ながら8年前、4年前を思い出す。
思わず、“はい、ネームスーパーどうぞ”とか、
“まもなく6カメに引きます、はい6カメ”とかね。
“次の選手、鹿島、天井カメラで入る、8カメさんゆっくりズームでお願いします。
 3カメタイトに切ったらネームスーパーよろしく”
演技中も“スロー、今のパタパタもらうよ、ワンポメルのとこまでね”
“メリーゴーランドは天カメでいく、いける?”
“フィニッシュは2カメでもらいます”“ハンディはコーチのリアクションね”
演技終われば、“スローV2からV1、3、もういちどV2でコーチリアクション”
なーんてね。
テレビ見ながら中継すんなっての。
ああ、アテネも万全の体調でやりたかったなあ。


中国と日本の差は歴然だった。
美しい体操、と日本は強調するけど中国の選手だって十分に美しい。
もっと個性が欲しい。
黄金期のニッポン体操は美しくて、かつ個性があった。
塚原と監物と中山と加藤沢男の体操は明らかに違った。
監物なんて個性の塊だった。
鉄棒のフィニッシュは6人全て違った。
加藤沢男は“抱え込みダブル”、監物は“きりもみ降り”、塚原は“月面宙返り
いい時代だったのかな。
今の採点法では負担が大きいので個性を出す余裕はないのかも。


民放のどこかの女子アナが、予選で鹿島があん馬から落ちたことを、
“鹿島選手、得意のあん馬での落馬してしまいました”と言う。
何度も、「落馬」という言葉を使う。
間違いではないかもしれないが、体操の慣用では「あん馬から落下」と言う。
「鹿島が落馬」 聞き慣れないのでやめて欲しかった。


…ヒロは米子の甥と姪を連れて甲子園に行った。
炎天下、真昼に家を出る。
近所の讃岐うどんの店「伊吹」で遅い昼食。
今日もコナミのプール。
真剣に7500泳いで、すぐに疲れて、アクアジョギングを30分。
ダラダラと水中で時間を過ごす。


特番の準備でYTVへ。
NHKが「野口みずきの欠場」の速報を出した。
しばらく各方面へ連絡をとる。


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北京オリンピック観戦記 #10 ■
8/12 柔道女子63キロ級@北京科技大体育館  観戦場所はYTV 6F

谷本歩実は気持ちよかった。
ライブで見られたのは決勝だけだったが、張りつめる緊張感から歓びの爆発まで見応えあり。
アテネからずーっとオール一本勝ちだって?


柔道という競技もこれくらい明解なら欲求不満にならない。
内股が決まった瞬間に破顔一笑、ギャハハと投げて金メダルだ。
(実際はそんな単純ではないのだろうけど)
強い、そして愛嬌がある。
ぬいぐるみみたいな笑顔、愛嬌も神が与え給うた天賦である。


アテネは現地にいたので谷本の試合を見るのは初めてだと思う。
彼女は愛知県安城市の出身だと初めて知る。
同郷だったのかあ!
三河のイントネーションが聞き分けられなかった。
(九州訛りだと思った)


女子サッカー、ソフトボール、競泳予選と満載。
野口は辛いだろうなあ。