2012/9/14 戦争が足りない。

朝、今日も蒸し暑い。
空模様も終日不安定であると告げている。
体重は70.30キロ。
瞬間的に突破した敵のディフェンスにまた押し戻された。


JRの快速、新快速を乗り継いで京都へ行く。
このところ上洛には阪急電車を使っていた。
阪急なら510円のところ株主乗車券で最安360円で行ける。
JRだと西宮〜京都は890円もかかる。
昼間割引をチケットショップで買うと580円、これが最安だろう。


JRを使ったのは理由がある。
京都駅から南へ歩いて15分くらいの東寺にある みなみ会館 へ映画を見に行った。
阪急で烏丸まで行っても地下鉄を乗り継がなくてはいけない。
地下鉄は210円、360+210で570円になる。
10円安いが時間がかかるし乗り換えが面倒だ。


存在を知ってはいたが「みなみ会館」は初めてだった。
『誰も知らない基地のこと』@京都 みなみ会館
上映時間に少し遅れて入場する。
七芸の会員証を見せたら1500円だった。
 


ぼくらは米軍の基地というものが日本にあることを不思議に思わない世代だと思う。
いわゆる、あの15年間の長きに渡った“戦争を知らない”こどもであり、生まれたときから米軍基地はあった。
日本国内のどこか遠い場所に。
1972年に沖縄が日本に戻った。
米軍基地が当たり前のようについてきた。
沖縄だけで38も基地があるという。
日本が負けてから60年以上も経つのに駐留米軍は本国へ帰らない。
基地は当たり前のように存在する。
膨大なアメリカ軍基地の維持費は日本人の税金でまかなわれている。
アメリカ軍には自分の国以外の外国に700もの基地がある。
歴史上、かつてこんな国は存在しなかった。
これはそんなアメリカの基地についての映画。
イタリアの若い監督二人が撮った。
米軍基地が問題になっているのは日本だけじゃなかったのだ。
原題は“Standing Army”
これは駐留軍という意味。
公式ページにはこんな紹介文がある。


   連日、国内のメディアを騒がせている普天間基地移設問題。
   だが世界に目をやれば、基地問題は日本だけの問題ではない。
   現在、世界の約40カ国に700箇所以上の米軍基地が存在する。
   なぜ、戦後60年以上過ぎても基地をなくすことができないのか?


   本作は2007年にイタリアで起こった基地拡大への反対運動をきっかけに、
   イタリアの若手監督2人がその謎を探る旅に出て制作したドキュメンタリー。
   主な取材地はビチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、普天間辺野古、高江(沖縄)。
   基地の騒音や兵士が起こす事故に苦しむ住民と専門家への取材を通じ、
   あまりに横暴な米軍と膨らみ続ける軍産複合体の真実を暴いていく。


   折しも5月に沖縄返還から40年を迎える日本。
   一国の存在意義を揺るがす重要課題でありながら、
   国民全員がその実態を把握しているとは言い難い沖縄基地問題
   本作はその入門編としても最適でありすべての日本人が必見の内容だ。


   


700以上の米軍基地が世界にある。
戦争が起こるたびに増えていく。
ほとんど減らない。
第二次大戦以降、アメリカには軍産複合体という得体の知れないモンスターが生まれた。
兵器産業、石油産業、化学産業、電気産業、建築産業、運輸産業、広告産業などの複合体。
このモンスターを維持させるために平和は要らない。
じゃあ何が要る?
戦争、戦争、戦争。
戦争をしかけて派手にバンバンやってもらわないと困る。
戦争が足りない。
700もの基地は戦争のための海外支店なのだ。
映画はそれをわかりやすく説いてくれる。


インド洋に浮かぶ島に住んでいた住民2000人を全員追い出して米軍基地が出来た。
戦争に勝ってオキナワの人が持っていた土地をとりあげて巨大な基地を作った。
駐留軍の論理から言うと全く違う。
「あれ? なんでここに人が住んでるの?」
重機を大量に持ち込んで沖縄本島の地形が変わるほど埋め立てし整地し基地のインフラを整備した。
空爆したあとのコソボボスニアアフガニスタンイラクにも次々に基地が出来た。
他国の戦争に加担して基地を作る。
戦後、アメリカの常套手段となった。
アメリカという国は他の国に基地をやたらと作りたがる国だ。
米軍基地がないところはいわゆる“ならずもの国家” か安全保障上の仮想敵国。
そういう現実がある。


基地がその国を守るために存在するのではない。
新しい戦争を遂行するために存在している。
オキナワ(朝鮮戦争ベトナム戦争)でも、ディエゴ・ガルシア島イラク戦争)でもそうだった。
戦後、アメリカ駐留軍の基地は敵に攻められたことはない。


世界中に増加するアメリカ軍基地
映画にこんなナレーションがあった。(正確ではないけど)
「かつて同じように駐留軍を置くことで周辺諸国を治めていったのがローマ帝国だ。
 そして、ローマが滅びたのも駐留軍の維持費用が財政を圧迫したからでした。」
アメリカの基地は世界中にあり、その中には日本や韓国のようにお金を貢ぐことなんて出来ない国も多い。
もう一つ、面白い歴史上の事実。
「アメリカの独立戦争が始まった理由は、英国のジョージ三世が平時にも関わらず駐留軍を撤退させなかったことです」
因果応報となるのだろうか。


最近の東アジアの、戦争も辞さないぞ、みたいな好戦的な態度、ふるまい(特に若い世代)を見て思う。
まだまだ世界には戦争が足りない、と思っている人たちの隠謀に乗せられているような気がしてなりません。
戦争をしようと思ってる人、つまり軍産共同体の一員、これはどーしようもない。
でも、あなた、そう、あなたです。
いま、ビールを飲んでいる若いサラリーマンや学生、あなたです。
戦争になるかもしれないと聞いて、しゃーないな、なんて言わないで下さい。
あなたがノーと言えばもしかして避けられるかも知れない。
せめて、始まりそうな戦争にはノーと言いましょうよ。


国防のために米軍基地は必要なのだ、と声高に言う人がいる。
僕らの世代より若い人にもそう思っている人が多い。
実際にそうなのだろうか。
北のミサイル、島の領有問題でマスメディアが騒ぐとき、ことあるごとに考える。
アメリカ軍の基地は果たして“用心棒”になっているのだろうか。
用心棒には多額のお金を払っているし。
だとしても、オキナワだけに負担を強いている現実がある。
エエ歳して青臭いことを言ってるようだが、こういう話は誰からも明解に答えを聞いたことがない。
かつてセルジオと行った奄美のカケロマ島の民宿でも若者と議論になった。
若者たちは守ってくれるものだと信じて疑わない。
基地が無くなったら恐いだろっていう人もいる。
ホントのところはどーなんだろ?
そういうときは現場に行ってみるのがいい。
月末、オキナワにある基地の近く、普天間、読谷、辺野古、高江あたりに実際に行ってみようと思う。
実は「誰も知らない基地のこと」を見たのはその予習をしておこうとの思い。