2012/11/18 Oldboys Reunion

ポール・サイモンに Mother and Child Reunion という曲がある。
邦題は「母と子の絆」、ちょっと意味が違うんじゃないかと思う。
今日のタイトルはTigers と Giants の Reunion である。
こっちのが用法としては正しい。


“WAZAARI”
かつて怪物と呼ばれた投手は現役時代と同じフォームで球速80キロのスローボールを投じた。
鉄人と呼ばれた打者は左打席で缶コーヒーを一口飲めるくらい待ってからバットを振った。
まるでテニスのドロップショットを拾うようなスイングだった。
打球は浜風を突いて右翼ラッキースタンドに落ちた。
 


“YUKO”
メジャー帰りの44歳の投手はマッチョでドメスティックな同い年の打者への初球、140キロ近いブラッシュボールを投じた。
もんどり打って倒れ込むバッター、間髪入れず両軍のベンチから選手が飛び出しスタジアムが騒然となる。
半分、笑いが混じっているのはご愛敬。
集団がばらけるとマウンドにはハダカの肥満体が一人取り残されていた。


試合後、マッチョなドメスティックヒーローが言った。
「昔、野生の王国っていうテレビが人気だった。それはいろんな珍獣や猛獣が出てくるから。
 ウサギやイヌばかりでは、そんなに人気は出ない。
 今の選手は、もっと個性を磨かないといけない。中にははみ出し者がいてもいい」


 


“IPPON”
戦後日本プロ野球で伝説となった二人はスタジアムのバックネット裏最上階の部屋で半時間ほど語り合った。
その後、バルコニーに出ると40年以上前に戦った古戦場を二人並んで見下ろした。
バックスクリーンには球場の見学ツアーの団体がいた。
伝説の一人O氏が彼らに手を上げるとツアー客が手を振り返した。
自分たちに手を振っているのが誰なのかわかっていたのだろうか。



【行動メモ】
6時半起床、豚汁と卵ぶっかけ飯を食べて甲子園に出動。
あわただしく撮影準備の作業をして怒濤の番組取材に突入す。
天候は概ね晴れ、ときおり天気雨がぱらつくが試合が始まる頃は秋晴れとなる。
心配していた寒さもなく逆に汗ばむほどの陽気。
試合終了直前に王と江夏の対談場所へ移動、準備して主客の到着を待つ。
王、江夏対談の進行をする。
浪曲の「松の廊下」ではないが、いかに果(はた)さん 勤めなん 身は饗応の 大役ぞ、である。
最後に二人にやっていいただきたい隠し球も何とか出来て一安心。
終了後、構成のSさんと健闘をたたえ合い甲子園裏の焼き鳥屋で乾杯、久々に焼酎ロックを3杯飲む。
僕らの世代にとっては楽しい仕事でした。


店では何とか猛虎会の団体が怪気炎をあげている。
真弓のミッキーマウスや掛布のテーマで興奮して良かったですね、と主催者気分の僕。
シメは店のおっちゃんが丁寧に刷毛で醤油を塗りながら時間をかけて焼いてくれた 焼きおにぎり!