ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2013/2/1 まだ失敗してない2月

新しい月が始まる。
まだ何一つ失敗していない白紙の2月だ。
と、思ったらいきなり寝坊、9時過ぎにようやく起きる。


靴ずれが完治してないので走らず。
プールで30分歩く。
朝の食卓、と言っても昼近いのですが、に鴨鍋が出る。
鴨と、鶏の自家製つくねと上州葱と大分のセリと椎茸を醤油だしで煮こむ。
とろとろの白ネギが美味しい。
椎茸はあわびの歯ごたえ、セリは山の濃厚な滋味。
一杯飲みたくなるね。


…90年代始め『レナードの朝』という映画を見た。
2月か3月、岡山の映画館だったと記憶する。
悲しい映画だった。
患者がロバート・デ・ニーロ、医師がロビン・ウイリアムス。
今は便利、WEBから紹介文を引用する。
僕もあらすじはよく憶えている。


 レナード(デ・ニーロ)は幼い頃、“眠り病”に罹り半昏睡状態で30年間入院生活を続けている。
 誰もが諦めていたが、変わり者の医師セイヤー(ウイリアムス)が試行錯誤の末に彼を目覚めさせる。
 セイヤーに連れられてレナードは30年ぶりに街に出る。
 41歳のレナードの新しい人生が始まる。
 しかし、彼が病院に見舞いにきたポーラに生まれて初めての恋をしたことから問題が起こる。
 ひとりで外出したいというレナードに医師団は反対する。
 それに反発したレナードは怒り、再び病状の悪化が始まってしまう。
 しだいに狂暴になるレナードをセイヤーですら押さえ切れなくなる。
 そして、レナードは元の状態に戻っていく。
  
確か実話ベースだった。
レナードは目覚めさえしなければ、哀しみや怒りを背負うことはなかった。
恋などしなかったら…。
昨日できたことが、今日にはできなくなる残酷さ。
病人ではなかったけど、「レナードの朝」を見て自分のことのように感情移入して泣いた。
人はどうしてわざわざお金を払って悲しい感情を共有しようとするのか。


ベッドに寝たままのレナードから表情が失われていく。
季節が移り、病室の窓に雪が降り積もる。
そのシーンにこの曲が流れる。
(ランディ・ニューマンだったんだ)
    



『レナードの朝』という映画を、僕は 岡山と雪とデニーロの蝶ネクタイというアイテムで記憶している。
映画館を出たら雪が降ってた、と記憶してるけど映画の日本公開を調べたら4月だった。
スクリーンの中と混同してるに違いない。
人は自分の記憶を都合良く書き換えるものだ。
忘れたいことはすでに記憶から消し去っているのかもしれない。


そういえば先日、眼鏡堂氏と奈良を歩いた。
彼は言った。
「一度、吉野山へ行っておかねばね」と。
ところが!
氏が Facebookに奈良の写真をアップロードすると、そこに高校の同級生らのコメントが多数寄せられた。
その中に、修学旅行は東大寺、興福寺、金峯山寺に行った、と明言したコメントがあった。
金峯山寺には蔵王堂があり、蔵王堂は吉野山にある。
眼鏡堂氏は高校時代に吉野山へ行ってたのだ。
記憶は抜け落ちる。
何かフックになるものがあれば残すが、おそらく吉野山には何もなかったのだろう。
今なら『義経千本桜』でフックは無数にある。
高校時代は空っぽでつるつるで何も引っかかるものがなかった。
(僕だって高校の修学旅行で行った信州の記憶はほとんど無い)
空白の吉野山、ひょっとすると…?
高校生だった眼鏡堂はそのとき吉野山で狐と入れ替わったのではないか。
そういえば、氏は“キツネ目の男”にどこか似ている。
  
   



…『カリフォルニア・ドールズ』@十三七芸
七芸は会員価格で全作品が1000円で見られる。
チケットを買おうとすると、きょうは映画の日だということに気がつく。
損したような気分になる。
あいかわらず己の度量の小ささが胸を刺す。
客の入りは3割くらいか。


ロバート・アルドリッチ監督の遺作、1981年の映画。
ぼくは学生、ヨーロッパを3ヶ月間貧乏旅行した年だ。
女子野球を描いた「プリティーリーグ」(1991年)と重なって記憶していたが10年以上時代が違う。
映画の紹介や評論は読んでいたが未見だった。
著作権の問題で日本ではDVD化されていないらしい。
今回、ニュープリントで公開されると知ったのはブログ「特別な一日」だった。
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20121210/1355146836
とにかくアルドリッチへの賛辞とユーモアにあふれた秀逸なレビューだった。
先日も眼鏡堂氏から、あの映画は感動した、と聞いた。
        


最初は映画の画面の荒さやセリフ回しに、おや? と思う。
1981年ってこんな古くさい感じだったんだろうか。
ほどなく馴染んでくる。
それぞれの氏素性、来歴、物語はほとんど語られないのにマネージャーとドールズのトリオに感情移入が始まる。
マネージャーはイタリア移民の子、いいね、オンボロ車に流れるオペラナンバーの数々。
転戦するパッとしないアメリカのスモールタウン。
数年前に見たミッキー・ロークの『レスラー』を思い出す。
あれも好きな映画だった。


そして、クライマックス。
ネバダ州リノ、MGMホテルの特設リング、長尺の一戦に心拍数が上昇する。
プロレス指数満点のド迫力に興奮しながらも、不思議なことに悲しくなってくるのだ。
なんだ?この感情は。


追記予定
(ドールズ トレドの虎 そのコーチに敬意 これがアルドリッチ流か?胡散臭くて猥雑な生命力 一度負けたくらいでへこたれるか)
     


…テープ納入&内科クリニック。