ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2013/4/20 独り神戸#3

朝からヒロは中学時代の友達3人と京都へ出かける。
京風ランチに錦でディナー、和菓子作り体験と二条城のライトアップというメニューらしい。
彼女が作ったチリを温めてパンと牛乳の独り朝食。


  


しばらく走ってなかった。
朝食後、8キロほど走る。
水蒸気に景色が湿っている。
夕方から雨の予報。
4月半ばを過ぎたというのに東北や北海道はけっこうな量の降雪があったようだ。
宮城の佐々木さんち、田植えはまだだろうけど、この寒さには驚いただろうな。
このところ列島は各所で地震が頻発している。
経験上、いかにも大きな地震が起こりそう、
と心配するときは起きないのだが僕の経験上なんてたかが知れている。


御前浜、香櫨園浜はかつて阪神間随一の海水浴場だったビーチ。
沢山の海の家やプールや劇場があった夢の跡だ。

  


花冷え、八重桜が満開。
  


…ヒロが京都へ行ってるので僕は神戸へ映画を見に行こう。
ジョギング後、またまた無性にラーメンが食べたい。
青森煮干し中華「なかた屋」へ行くぞ、と決めたが早くも雨が降り始める。
雨の中、自転車はツライので昼飯は三宮にしよう。
食べログで三宮の魚系ラーメンを調べる。
センター街に『我流本舗』というラーメン屋がある。
カウンターだけの店、煮干しラーメン700円を食べる。
なかた屋の澄んだスープと違い濁っている。
魚粉をかなり投入しているのだろう。
神戸はランチの選択肢が多くていつも迷う。
嬉しい悩み。
南京町の餃子苑、中華のカレーライスもあるし、カツ丼の吉兵衛あり、
金時食堂や八島食堂もあり、グリル一平のオムライス、丸玉食堂のローメンもある。
そういえば昔よく行った大箱の蕎麦屋「日精そば」は10年以上もご無沙汰だ。


高架下を歩いて元町「グリーンズ・コーヒー・ロースター」で豆を買う。
中深炒りのグリーンズブレンド100gと深煎りのモトコーブレンド100g。
前回は豆のままだったけど今回は珈琲メイカー用に挽いてもらう。


グリーンズからはいつもの神戸の定番コースで「海文堂」へ寄る。
近藤史恵の新作『キアズマ』が並んでいた。
今度は大学の自転車部が舞台だ。
このシリーズは必読です。

キアズマ

キアズマ

でも、買いませんでした。
いただきもののクオカードがあるのでジュンク堂で買おうと思って。
ごめんなさい、海文堂さん。


映画まで20分ほど時間がある。
こういうときは「エビアン」だ。
お気に入りのカウンター端が空いている。
日本の珈琲専門店の正しいコーヒーを飲む。
少し酸味のあるトラッドな味がどこかなつかしい。


…『天使の分け前』@リーブル神戸
1000円の割引券を使う。
天使の分け前、Angel's Share とは…。


  ウイスキーなどが樽の中で熟成されている間に、年2%ほど蒸発して失われる分のこと。
  10年もの、20年ものと年数を重ねるごとにウイスキーは味わいを増し、それとともに天使の分け前も増していく。
                                        (映画の公式ホームページより)


昔、長谷川滋利の番組で葉加瀬太郎の生演奏を日比谷公園の音楽堂で収録した。
その曲が「Angel's Share」だった。
スコットランドを舞台にしたコメディタッチの映画です。


  恋人や家族からも見放されていた青年が、信じられる仲間を得たことで前向きになっていく姿を、笑いや涙を交えて描く。
  ケンカの絶えない人生を送るロビーは、恋人レオニーや生まれてくる赤ちゃんのために人生を立て直そうとするが、
  なかなかまともな職に就けず、またもトラブルを起こしてしまう。
  服役の代わりに社会奉仕活動を命じられ、そこで3人の仲間と出会ったロビーは、
  奉仕活動指導者でウイスキー愛好家のハリーからスコッチウイスキーの奥深さを教わり、テイスティングの才能が開花。
  仲間とともに1樽100万ポンド以上する高級ウイスキーに人生の大逆転をかける。


  


とあるWEB記事にありました。


  先日4月8日、イギリス元首相マーガレット・サッチャーが亡くなりました。
  社会保障費などを削減して「弱者の切り捨て」を行ったと批判されることもあるサッチャー氏ですが、
  その葬儀に多額の公費が使われることにイギリス内では一部強い反発の声が上がっているそうです。
  「彼女の告別式を民営化しましょう。入札を行い一番安い見積もりでやりましょう。それこそ彼女が望んだものですから」(webDICEより)


  そうコメントしたのは、イギリスの映画監督ケン・ローチ。
  労働者階級の人々や失業者など社会的弱者に寄り添った作品を一貫して作り続け、「英国の至宝」と称される巨匠です。



…八島食堂が閉店していた。
まさに閉店のへきれき、いや青天のへきれき。
いや、マジで寂しい。マジで残念。
神戸で独酌といえば真っ先に浮かぶのが八島食堂という存在だった。
金沢から出てきた僕が最初に住んだのが灘区の阪急六甲で、二十代のころから通った数少ない店だった。
神戸には八島がある、という安心感があったのに…。
  


企業経営のいチェーンなら売り上げが下がればとっととたたんでしまう。
個人経営だからこそ50年も40年も同じ場所、同じ土地で続いたのだ。
僕などはたまに神戸に行くときに寄っただけだが毎日のように通っている常連さんも多かった。
喪失感は大きい。


ネットで調べるとオーナーの店主が病に倒れたらしい。


まだ明るい八月の夕、開け放たれた戸のそばのカウンターに坐る。
生温い風がのれんを揺らす。風に乗って三宮の喧噪が高校野球中継のテレビの音と混じる。
店では白いカッターシャツを着た昭和のオヤジが瓶ビールを飲んでいる。
  


ねぎ玉    美味しゅうございました。
かしわ豆腐  美味しゅうございました。
あじフライ  美味しゅうございました。
赤だしとご飯 美味しゅうございました。


ああ、レバー炒め!
     
レバーとタマネギをケチャップソースで炒めたジャンクな一品。
あれは唯一無二、八島食堂でしか食べられなかった。