ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2013/7/9 アタッカ(休みなく) 

8時前、蝉が鳴き出した。
続いて「あまちゃん」のテーマ音楽が鳴る。
2013年、56歳の夏はこんなふうに始まる。


マンションの大規模修理も終わりに近づく。
当初の予定では6月末で終わってたはずなのだが工期が遅れているようだ。
南側は足場を解体して外観が露わになった。
少々小ぎれいになったが印象は変わらない。
いっそのこともっとカラフルにして欲しかった。
賃貸だから文句は言えない。
  


今日はスポーツクラブへ2度行く。
昼イチの出勤前にプール、夜 帰宅後にウエイトとプール。
一日中プールにつかってゆらゆらふわふわしていたいのだ。



…『25年目の弦楽四重奏』@梅田ガーデンシネマ
予告編でクリストファー・ウォーケンフィリップ・シーモア・ホフマンが出ているのを知ってチェックを入れていた作品。
同じ時間に始まる「スタンリーのお弁当箱」という印度映画と迷ったが暑いので涼しそうな映画にする。

  


客の入りは3割から4割くらいか。
舞台はニューヨーク、主人公は4人、弦楽四重奏団のメンバーだ。


    極めて精巧な演奏で魅了する第1バイオリンのダニエル(マーク・イヴァニール)、
    彩りを与える第2バイオリンのロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)、
    深みをもたらすビオラのレイチェル(キャサリン・キーナー)はロバートの良き伴侶、
    チェロのピーター(クリストファー・ウォーケン)から成るフーガ弦楽四重奏団
    結成25周年を間近に控え、ピーターがパーキンソン病と診断され、今季限りで引退したいと申し出る。
    カルテットの一角が崩れることを突き付けられた他のメンバーは動揺。
    嫉妬やライバル意識、プライベート面での秘密など、それまでに蓋をしてきた感情や葛藤が一気に噴出し、カルテット内に不協和音が響き出す……。
                                                     (Movie Walker の紹介文より)

   


結論を先に書けば、いい映画でした。
ことしベストワン更新かもしれない。
登場人物それぞれにこれほど感情移入した映画は久しぶりだ。
安定した状態は必ずこわれる。
それは約束されている。
止められない時限爆弾だ。。
永遠にこのまま生きていくことなんて誰にも出来ない。
歳をとるとひしひしと無常を実感する。
誰もが、いつか巡ってくるそのときを、怯えて待つしかない。


結成25年目の四重奏団、最年長のチェリストがパーキンソン氏病と診断を受ける。
今までと同じように演奏することが出来ない。
安定していたものがここから壊れはじめる。
チェリストのピーターを演じているのは「ディアハンター」のクリストファー・ウォーケン
チェリストにしか見えない。
もう実年齢で70になるという。


      


「引退したい」
ピーターが仲間にそう告げたときから微妙にチューニングが狂い始める。
第1バイオリンのダニエル、40代後半で独身。
音楽に半生を捧げてきた。
一切の妥協は許さない。
その彼が20年ぶりに恋をする。
ダニエルの孤独が滑稽で悲しい。
この役者もいい。


僕がもっとも感情移入したのが第2バイオリンのロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
ピーターの脱退をきっかけに自分も第1バイオリンをやりたいと言い始める。
こんなときに言い出すべき事ではない、とビオラ奏者の嫁ジュリエットに軽蔑される。
ダニエルには「君には第1バイオリンは出来ない。意志がないからだ。」と指摘される。
ジョギング仲間のダンサーと一夜の浮気をする。
ジュリエットに最後通告をされるロバート。
責められながらも嫁に問いかける。
自分は妻から尊敬されていない。
何よりもそれが辛かった。
僕にはロバートの気持ちがよくわかる。


調律が狂いながらも人生は進行する。
待ってはくれない。
映画はベートーベンの弦楽四重奏曲14番にインスパイアされた作品だ。
作曲者のベートーベンは7つの楽章をアタッカで、つまり休みなしで演奏せよ、と指示している。
途中で楽器をチューニングすることは出来ない。
人生にリハーサルはない。
ベートーベンはアタッカ!(休むな)と叫ぶ。
この映画に希望はあるか。
ラストステージ、奇跡は起こるのか。
クリストファー・ウォーケンが素晴らしい。
台詞を味わい、もういちど見たい映画だ。
    

     



…グランフロント地下にある「ALL DAY COFFEE 」の豆を買ってきた。
レギュラーブレンドと本日のブレンドの2種類あって、勝ったのは本日のブレンド。
マンデリンがメインらしくレギュラーよりちょっと深煎り。
明日の朝が楽しみ。


  


次は谷六方面の「赤い実」か「くまきち」、あるいは淀屋橋の「モール」か「ブルックリン」を攻めたい。
日本酒と同じく美味しいコーヒー豆はいま黄金期なのだと思う。