ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2014/3/13 雨の日は映画を見よう

朝から雨、かなり本気の雨。
雨の日は映画を見よう。
映画は神戸だ。
リーブル神戸の会員なのに十二分に活用してないように思う。
いま、リーブルに見たい映画がかかっている。
大好きなマリオン・コティヤール主演の「エヴァの告白」、
A部氏オススメの「ダラス・バイヤーズ・クラブ」、
オスカー受章作「それでも夜は明ける」(邦題のセンスを疑う)
もうひとつ近所にある西宮のシネコンでも見たい映画が2つ。
眼鏡堂より推奨メールが届いた「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」
SPYBOYさんのブログを見てそそられた「大統領の執事の涙
ことしは劇場でまだ3本しか見ていない。
このあたりでここに挙げた5作品を全部見てやろう。
(「エヴァの告白」は終わってしまうかも)
きょうは二本立てです。


リーブル神戸は会員料金で1300円、火曜金曜は1000円。
でも、有効期限切れてました。
1000円払って更新する。


Based on true story(事実に基づいた物語)
歴史上の事実を映画で初めて知ることは少なくない。
今日見た2本の映画がそれだ。
1980年代、エイズ禍の時代にアメリカの政府と製薬会社が結託してこんな謀略が起きていたのを僕は知らなかった。
1800年代半ば、南北戦争の前、北部で自由に暮らす黒人が奴隷商人に拉致されて奴隷として南部に売られていたという事実を僕は知らなかった。


『ダラス・バイヤーズ・クラブ』@リーブル神戸

  


好きな映画だった。
すぐに忘れてしまうプチ痴呆を自覚しているのでちゃんとストーリーをコピペしておく。


  男の名前はロン。ロデオと酒と女の日々をおくり、ある日ロデオで賭けをするが、
  負けると金を払わず逃げ、その日暮らしのトレーラーハウスに戻った瞬間に、膝から崩れ落ちる。
  病院のベッドで目覚めると、医師が彼に告げた。HIVの陽性反応が出て、余命30日であることを。
  有名俳優のロック・ハドソンエイズであることが公表され、同性愛者しかかからない病気、そんな根拠のない噂が蔓延していた時代。
  同性愛者でもないのになぜ!?と納得できないロンは、図書館で新聞記事を閲覧し、情報を漁る。
  そして自分はエイズであるという真実がつきつけられる。
  生きたい欲求にかられた彼は、自分を診察した女性医師イブを訪ね、AZTという未承認の薬を処方してくれるように頼むが、断られる。
  そこで彼はメキシコへ渡り、毒性の強いAZTではなく、
  アメリカでは未承認だが効果がみこめる薬を国内に持ち込み、患者たちにさばき始める。
  彼に慈善の心などなかった。
  素行が悪く、ゲイ・コミュニティーに嫌悪感を持つロンが、販売ルートを広げるのは難しい。
  そこで彼は、美しいトランスジェンダーレイヨンを仲間に引き入れる。
  日本をはじめ、世界中から仕入れた薬をさばくために考え出したシステムが「ダラス・バイヤーズクラブ」だった。
  会費を募り、必要な薬を無料で配る。名目的に薬の売買はない。
  その彼らの前に立ちはだかったのが、AZTを推奨し始めた医師たちと製薬会社に政府。
  ロンは、弁護士を使い、 “個人の健康のために薬を飲む権利を侵害する”国の動きに対して徹底抗戦の構えをとる。
  彼を見殺しにしようとする世界に対する戦い。
  一人の男が、生きる権利のための戦いに挑んでいく。
  

                                  (映画公式ホームページより http://www.finefilms.co.jp/dallas/



鬼気迫る演技でオスカーを獲得した主演のマシュー・マコノヒーが書いている。


  「ただの不良カウボーイだった男が最後は有能な科学者になっていた。彼は生きる欲求に駆り立てられた。
   HIVだと知った時、彼には果たすべき目的ができた。それは生き続けること。あらゆることがこの目的に基づいている。」


もっとも感動的なのは(不幸にも)“果たすべき目的が出来た” ろくでなし男が“生きる欲求”を取り戻す過程だ。
ロデオでいかさま賭博、酒と女とドラッグ三昧の日々を送っていた男の目が変わっていく。

   


最初は見殺しにされたくないという思いだった。
慈善の心などこれっぽっちもなかった彼だったが、しだいに人の命を救うことに価値を見いだす。
おそらく反骨心。
大きくて強いものに好き勝手にやられてだまってられねえ。
もとよりアウトロー、法律なんて知ったことか。
医者が製薬会社が政府が彼に“くだばれ!” と圧力をかける。
不良カウボーイの反骨心がさらに燃え上がった。


学ぶことが人を変える。
このことに改めて感動した。
名作「ロレンツォのオイル」を思い出す。
死にたくない、図書館でHIV に関する記事を読み始めることから学びが始まる。
知識を得ることで彼が変わっていく。
エイズなんて同性愛の連中がかかる病気、ホモなんて毛嫌いしてたテキサスのカウボーイが偏見を捨てる。


余命30日と宣言された男が7年以上生きた。
ラスト近くに彼が言う。
「人生は一度きりだけど、他人のも生きてみたい。」
戦い抜いた彼の7年を想像すると深く胸に突きささる。


主演のマシュー・マコノヒーは映画「コンタクト」でジョディ・フォスターと共演してた二枚目俳優。
よくもこの役を演じきったものだと思う。
同性愛者のレイヨン役のジャレッド・レトは助演男優賞、これも納得の名演。
女性医師のイブ役を演じてたジェニファー・ガーナーは個人的にタイプです。


10分間のインターバルで続けてみたのは今年度アカデミー作品賞の映画。
それでも夜は明ける』@リーブル神戸
  


好き嫌いで言えば「ダラス…」が好きだけど、この映画がダメだということではない。
ズシンと胸に迫る映画でした。
ただ正直言えば、「それでも夜は明ける」というタイトルのような爽快感は皆無です。
彼はたまたま助かった運のいい一握りの人に過ぎないのです。


南北戦争の前、北部には自由黒人という人たちがいた。
北部の人からすればそんな名称はなかったのかも、と思ったけど証明書があるという時点で特別な存在だったのでしょう。
元はと言えばアフリカ大陸から連れてこられた人間であるわけですから。


アメリカ南部の美しいコロニアル建築の邸宅をしばらくは平常心で見ることが出来なくなった。
辛い。けど見るべき映画です。


今の時代の、自分の住んでいる日本標準で感じることと、映画の当時とは違う。
自分は自由黒人だから奴隷なんかじゃない。
でも、南部で生きる黒人は奴隷でも仕方ない、という考えは僕らには到底納得できない。
冷酷で強力な社会のシステムを変えようという時代ではまだ無かったのです。


いっしょに奴隷として働いていたパッツィという女性が農園に取り残される。
パッツィは助けないの?
それは無理な話だと長い物語を通じて観る者は洗脳されていく。
愛読しているブログ「琥珀色の戯れ言」が的確にコメントしてくれている。
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20140308


映画では見る者に訴えかけるような、あるいは試すような、無言のロングショット(長回し)がある。
正直、正視するのが辛いショットだ。
あなたたちがスクリーンで見ているこれが世界のシステムだ、と強いメッセージを放つ。


デンゼル‥ワシントン主演の「ハリケーン」のように最後はスカッとする映画を想像していたが、違った。
時代が違う。


2つの作品を見終わって思ったこと。
世界は死と暴力と理不尽に満ちていた。
「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のようにシステムと戦うことを可能にしたのは、「それでも夜は明ける」に描かれた長い暗黒時代を経てのことなのだ、と。


映画を観るのは意味のある体験だ。
リチャード‥ギアに会っても映画を観ないから知らないなんて言ってないでマーくんもたまには観て欲しい。


阪神電車の駅で見つけた西宮のゆるキャラ“みやたん”と神戸の“コーベアー”
家に帰ってヒロに話すと西宮のわが家周辺には“えべっちゃん”というのをいるらしい。
(調べたら“えべっちゃん”は西宮神社三田分社のキャラらしい)
それにしても“みやたん”はどこか気味が悪い。
地球侵略を狙う悪い宇宙人に見えてしまう。
“えべっちゃん”に退治してもらおう。
  


夏も冬もパラリンピックで気になる選手がいる。
ロンドンでは競泳の美人選手リズ・ジョンソン(英)をフォローした。
https://twitter.com/lizjohnson_gb
Twitter の発言もチャーミングだった。
   


今回はクロスカントリーのブライアン・マキーバーだ。
11日の読売新聞スポーツ欄に彼の記事が載っている。
日系3世のカナダ人、34歳、視覚障害弱視
彼は昨日で9個の金メダルを獲得した。

   


長野五輪クロスカントリーコースを歩いたことがあるのだが、
目が見えない選手が真っ逆さまに落ちるようなダウンヒルを滑り、
エッジのないスキーで鋭角にターンするなんて信じられなかった。


この選手、マキーバーは20キロクラシカルを52分で滑る。
オリンピックのナショナルチームにも所属している。
五輪レベルなのでガイドが見つからないのだそう。
(ガイドは選手に先行して声で指示する)
今回のソチでは2人のガイドが前後半に分けて先導した。
動画を見ると明らかにガイドが先にバテてるのがわかる。
ちなみガイドの一人はNishikawaさんという日系人
マキーバーはもしかして牧場さん?


カナダのWEBサイトの動画
http://globalnews.ca/news/1197676/canada-wins-1st-gold-medal-at-sochi-paralympics/
 

映画のあとで入った元町のバル「みっきー食堂」、アタリでした。
ワインバイキング1時間980円というのもそそられた。
  


夜には雨は上がり冷えこむ。