2014/5/2 理想の人生

平日に仕事もしないで自宅周辺でぶらぶらしてる。
午後からキャンプチェアを持って海辺へ行った。
理想の人生じゃん、って人は言うだろうけど…。 
ぼにゃりほにゃりと過ごしてたら本を10ページくらい読んだところで日が傾いていた。
アカシアの花が夕陽に染まる。


  


2年以上、ずっと変えなかった食卓前の壁に飾る写真を変えました。
上下とも去年と今年のカレンダーの写真を切り抜いたものです。
上の写真は「扉(とびら」シリーズ、下はキューピーマヨネーズの野菜シリーズ。
     


…録画してもらったままでずっと忘れていた
NHKドラマ「ロング・グッドバイ」の第一回をようやく見た。
原作は1940年代のロスが舞台なんだろうけど、リメイク版は、これどこの国なんだ?
戦後あるいは戦前レトロで、徹底ぶり凝りようで、予算あれば美術さん楽しいだろうな。
ぼくら中高年のおじさんたちもこういうの大好きです。
戦後まもない横浜というのが舞台らしいけど、上海の租界ですな。
それと初期の黒澤映画「野良犬」の世界。

     


堀切園健太郎の名前見て去年見た「七つの会議」思い出した。
渡辺あやさんと大友さんもいい味出てますね。
キャストもみんなどこかでつながってる。


…午後遅くから香櫨園浜。
咲き始めたハマナスの隣にキャンプチェアを置いて読書、
のつもりだったけど昼寝ばかりして全然進まない。

  


香櫨園の浜辺にハマナスの咲くころ。
  


近頃のコンビニには各種ビールやはミニボトルのスパークリングワインなんて悪いもん売ってる。
しかもビーチのすぐ裏手にあったりして困る。
モンデという山梨のワイナリーのスパークリング白と
チーズのポンティケージョ、ポールウインナーで黄昏どきの晩酌(?)
  


理想の人生、ね。


学生時代に大阪からフェリーに乗って沖縄旅行へ行った。
22歳、時代は昭和、1979年のことだ。
旅先の宿でいろんな人に出会った。
社会人もいた。
左官の仕事をしてお金がたまると長い旅に出るのだという人がいた。
ずいぶん年上に思ったがたぶん三十にもなっていなかっただろう。
名前も顔も憶えていない。
そういう人生があるのだと知った。
それっきりで大したことない話だけど今でも憶えている。
自分の周りにそんな自由な生き方をしてる人はいなかった。
大学を卒業して働き始めてもその人のことが理想だった。
生き方の選択として知らず知らずと彼の人生に近づくように舵を切っていた。
半年仕事して半年休むなんて大胆なことは出来なかったけど、
好きな仕事だけして2週間ほど休んで旅をした。
自分が30代、40代になって数人の若い人から、
シオダさんみたいな人生が理想なんですよ、と言われた。
そういわれて悪い気はしなかった。
若い人どころか大企業の部長からも言われたことがある。(笑)
南の島の土人が日本のモーレツビジネスマンに問いかけた。
「なんでそんなに必死に働くの?」
「そりゃ、出世してお金を稼いでいい生活がしたいからさ」
「いい生活ってなんだ?」
「汗水たらして働かなくて、常夏の島でのんびり本でも読んで暮らすことかな」
「それなら俺たちが毎日してるじゃないか」


理想の人生ね。
いまになって後悔しても遅い。
きょうも何も出来ずに日が暮れた。


楽天とソフトバンクの中継を見る。
摂津とアンドリュー・ジョーンズの対決が面白い。
ジョーンズの大飛球が2ベースとジャッジされた。
チャレンジしてビデオ判定。
観客の頭に当たってフィールドに戻ってきた。
ホームランとなる。
一日の終わりにスポーツニュースを見る。
西武の岸がノーヒットノーラン。


…安西水丸『4番目の美学』(心交社)のことを読書マラソンに書く。

    4番目の美学

大好きな安西水丸さん追悼のつもりで図書館で借りて読んだ。
2000年第一刷だから15年くらい前、水丸さんが60過ぎくらいの本で、
毎日新聞に連載されていたイラストつきの短いコラム集。
映画、スノードーム、カレーライス、蕎麦、自転車、陶磁器、
小さな城下町、山歩き、〆針鶴、スコッチ、燈台などなど。
安西水丸さんが好きなものであふれている。
ふと気がつくと僕が好きなものばかりで一人ニヤリとする。
ひとまわり年上の水丸さんに僕は憧れていた。
語り口と無造作なファッションが好きだった。
水丸さんが気に入った土地がある。
幼年期を過ごした南房総千倉、京都、シアトル、出石、新潟の村上、
埼玉の行田、南青山、そしてN.Y.
肩の力がぬけた水丸さんの文章で読むとなぜか行きたくなる。
南房総には水丸さんのコラムを読んで実際に行ってしまった。
この本にあるように早春の千倉の海は本当にブルースピネルの青だった。
※ブルースピネルは尖晶石と言われる宝石 

水丸さんは脳出血で亡くなった。
このコラム集でも さもありなんと思う箇所がある。

「いずれにしても、酒に関しては飲む人として生きるか、飲まない人で生きるか、はっきりしておいた方がいい。
何ごとにおいても中途半端はよくない。また、酒を飲んだ後に喫茶店でコーヒーを飲んでいこうなどというモノとはいっしょに飲まない方がいい。」(49ページ)

僕なんぞいっしょに飲んでもらえない中途半端な人間だ。
それと大好きなものが塩っ辛い鮭で、これとご飯があれば他に何もいらない、と書いている。血圧高かったんでしょうね。
週刊朝日の追悼号で村上春樹が、最近は倒れるまで飲んでいた、
と証言している。
同じ水丸ファンの嫁は、好きなように生きて、
いい人生だったんじゃないの、と親戚の叔父さんのように言う。

水丸さんは京都の銘菓八つ橋が好物だった。
あんこの入った湿ったやつでなく、細長い瓦型の干菓子の方だ。

「洗いざらしのTシャツに、ジーンズ、あるいはチノパンでぶらぶら歩く。
ちょっと口淋しいなとおもう。おもむろにポケットから八ッ橋を出してかじる。ちょっとニヒルな気分になる。」(28ページ)

今度、京都行ったら八ッ橋(本家の)を買おう。
鴨川べりに坐り水丸さんのことを思い出してポリポリやろうと思う。

実はもう一冊、水丸&小山薫堂の本を読み終えている。
水丸追悼はもう少し続く。