瀬戸内特有のビュート(メサ)という地形です。
今日も黄砂にかすむ。
晴れが続くけどなんだか無駄遣いしてるようで落ち着かない。
いつか降り止まない雨になる。
後ろ向きな性格が悲しい。
トーナメントの開催が例年より一ヶ月早い。
いつもは梅雨のさなかだ。
今年は草もまだ淡い緑だ。
…こんやもふっくやまじゃあ。
ゴルフ場の仕事終わりで駅前のホテルへ戻る。
右膝の腫れがまだ引かないので走れない。
でも、仕事の疲れとトレーニングの疲れは別物。
(その仕事がそれだけ役に立っているかはまた別の話)
走るかわりに部屋で上半身と体幹を筋トレする。
けっこうキツい。
でも、甘やかすと基礎代謝が落ちる。
それに夜に飲めない。
だから面倒くさいけどやる。
風呂に入って夕食。
今夜はしみじみと瀬戸内の小魚で飲む。
予算は2000円以内。
出張手当を超えてはならない。
駅南の路地にある何でもない店。
おでんの豆腐と小イワシの天ぷら。
お酒は広島三次の「瑞冠」の冷えたの。
コンビニに寄ってさっさとホテルへ戻る。
…夕刻、ゴルフ場から戻るバスの中からジョガーを見た。
福山でも城の周りはランニングコースなんだなあ。
前の席に座っていたタクマが言う。
あれ、○○さんじゃないすか?
そうだ、あの顔、インタビューの映像で見たぞ。
今週の男子ツアーで予選を終えて首位タイの選手だった。
きょうは午前中のラウンドだった。
コンディショニングのために夕食前に走ってるんだ。
プロなんだから当たり前なんだろう。
でも、応援したくなったというのが正直な気持ち。
プロ野球とか、Jリーグとかの団体競技ではあまり見ないシーン。
彼は一人で闘っている。
ひとりで走るという光景はそれを伝える。
国内ツアー未勝利。
単身アジア予選に挑み、全英オープンの出場権を勝ち取ってきた。
そのときもタイ バンコクの街をこんなふうに走っていたのだと想像する。
10年以上前だけど、当時47歳だった中嶋常幸を取材した。
7年以上ツアー勝利から遠ざかっていた。
ツアー参戦中、毎晩ホテルの部屋でストレッチや筋トレをしていた。
「やらない奴は早く終わるよ。」
暗いホテルの部屋で黙々とトレーニングしながら中島さんは呟いた。